#清らか

この小瓶のように

美しく

清らかな

心が持てれば苦労はしなかったんだろうな

秘密の泉



私は

時々、日の出前に

裏庭の木戸から

こっそりと

抜け出します


ワンちゃん、吠えないで

鶏さん、朝を告げないで


ひた走りに、走り

町を抜けます


ちょっと、一息


そして、また

駆け出して、行きます


町外れから

草原を抜け

せせらぎを、渡り

丘をのぼって……


木々の繁る

森の端に着いた頃には

東の空は明るく

なり初めています


私は

用心深く

右も、左も、後も

そして

遠くも、近くも

見渡します


誰にも、知られてはいけない

私の

秘密の泉への

入り口だからです


私は

木々の中の

細い道を辿ります


パキッ

落ちた小枝が

時々、私に踏まれて

音を立てます


明るくなり始めた

森の中の

空気が

私を、満たしていきます


私は、森の

奥へ、奥へ

迷わずに、進みます


やがて

森の、奥深く入ると

私は、靴を脱ぎます


それは、それは、柔らかな

薄緑の、草の芽は

決して、私の足を

傷付けません


逆に、柔らかな草を

靴で踏みたくないので

そうするのです


小鳥たちが

目覚めてくる頃


私は

私しか、知らない

森の奥の

秘密の泉に

着きます


小さな、小さな

泉


どんなに

そっと、覗いても

お魚を、見たことは

ありません


ただ、泉の底の、砂粒が

そこかしこから

湧き出す

清らかな水に

踊っているのが

見えるだけです


ひざまづき

祈るような、気持ちで

両手を

透き通った水に

つーっと、深く、浸してゆきます


凛として、冷たい水は

私の、全身に、電気のように

行き渡ります


そして

深い息を吐き

水に浸した手を

辛い両目に


また、水に浸した手を

疲れた頬に


当てます


泉の水は

私を清らに、戻してゆきます


最後に

何度も、額を

水に浸した手で、冷やします


鎮まりたまえ

鎮まりたまえ

荒ぶること、なかれ


秘密の泉の、水は

私の心を

清浄な世界へ、導きます



私の呼吸が

森の木々の呼吸と合ったら

もう、大丈夫です



さあ、急がねば！

朝が来てしまう！


私は

来た道を

来た時と、同じように

辿り

家に、帰るのです


どこへ行っていたの？


あら、裏庭の

花や、ハーブを

摘んでいたのよ

そう言って

微笑む



秘密の泉の、お話




フランソワ




*

美しの国のフランソワーズ



清らかで

優しい心を持ち

愛と夢に

充ちあふれています


いつも

心が震えるような恋をして

ただ、ひたすらに

愛し続けます

遠い遠い

お月さまを


色白で

長い黒髪が

風にそよぎ

憂いを帯びた瞳も

今まで流していた、涙も

笑顔で、隠します


心を許しているのは

おそらく

カナリアと

鳩と

ホトトギス……

だけ


本心を

そうね、私の孤独や、淋しさを

知っているのは

その子たち……

だけ


誰も知らないのよ

私の住んでいる

秘密の国を


お客さまは

誰も来ないの

これまでも、これからも


誰も

扉を叩きはしない

秘密の国


そこで

ひとりで暮らす

私は、フランソワーズ





フランソワ




*

一方通行のこの恋は

あなたへ届く日が来るのだろうか

あなたを想い

胸が高鳴り　苦しくなる

どうか　この高鳴る鼓動を鎮め

清らかなままでいさせて下さい

人を愛す真っ直ぐさを強く信じた

わたしには
似合わないけど
サクラソウ

今日という日を生きるため
背筋を伸ばして、咲いている

清らかで純粋な人は…

本当に心が強い人です

それは…

心が優しく愛情ある素敵な人

まさしく､天使ちゃんです

𝒹𝒶𝓇

清らかで温かな貴方の心が

知らず知らずに

冷えきった誰かの心を温めて

希望や愛を与えてくれる

優しい笑顔と貴方の心



私なんかって思わないで

いつもありがとう。

カスミソウ


「親切」「幸福」
「無邪気」「清らかな心」


別名 ジプソフィア

科名 ナデシコ科