#無力

僕は、心臓になりたかった

君が孤独を感じないために

生きて痛かったはずの心も

涙と一緒に流してしまおうよ

無力さにしゃがみこんでも

重力のせいにして

自分の弱さに向き合えないままに

私がどんな言葉を並べても

何の役にも立たない

誰も救うことも助けることも

出来はしない

時間は過ぎていく


立ち尽くす私を置いて

空を散歩する貴方たちを見上げて

飛べない理由を探しては落涙する

頑固者の知った口を述べる者よ
雁字搦めにして平然と笑うんだね

君の雨を傍観者で見ている
ただの無力だった

天使の涙は歪んでいた














天使と僕の8月

















｢ねぇ、君は、神を信じる？｣






｢私ね、もうすぐ消えるの｣

天使は微笑んだ。



ああ、彼女も僕と同じだ。



じゃあさ、僕と心中でもする？

8月の終わりに。


｢どうして8月なの？｣


その時になればわかるよ

で、するの？しないの？



｢…君は死ぬのが怖くないの？｣



怖くないと言えば、嘘になるけど

生き続けるのはもっと怖い


｢そっか、じゃあ、
また8月の終わりに来るよ｣


おう






｢久しぶり｣

久しぶり、逝こうか



僕らは手を繋いで、

せーので飛んだ。



8月の終わりだけはね、

世界と僕らの時間にズレが生じるんだ


堕ちる天使の涙は歪んでいた

きっと｢歪み｣は僕らじゃないのに

なんで何もできないんだろう

無力すぎる自分が

嫌いになる

あなたが優しすぎて、

自分の無力さが苦しい

目の前にいる救いを求めている人を、

僕たちは救えず

無力さに打ちひしがれている間にも

きっとどこかで

誰かが未来を諦めようとしている。

関わりを薄くする
結末が見えるから

逃げてると言われても
実際そうだから

何もかける言葉がなく
無力な私がいる

心持たない者は
言葉を持たない者
　　　　　　　かほ

- 命をもってしか伝わらない -


あの子はあんなにも泣いて
辛いと訴え続けていたのに
軋んだ叫び声は握り潰され

もう今さら 遅すぎる。


教室には,因果応報のスケープゴート
あの子が望んだ平穏は 何処に

伸ばせば届くって
そう思っていた頃に戻りたい