はじめる

#特別編

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全82作品・

9月11日𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒(恋音の日記特別編)

今日大会だったからバスで移動だったんだけど、
大会終わってバス乗った時に推しの先輩(男子)2人がいるんだけど
その2人が隣同士で座ってて、それだけでさえ尊いのに
背高い先輩(160ぐらい)の肩に背低い先輩(145ぐらい)の先輩が
もたれかかって寝てて!キャ─(´∩ω∩`)─♡いやーそれはもう尊かった( ´ཫ`)
まじで写メ撮って永久に残しておきたかった。(真剣)

絆・2021-09-11
恋音の日記
特別編
マジで尊かった
まじで
いや、まじで
ほんとにまじで
尊い
推し
先輩
くっそ可愛かった
スモツキ物語

恋音の日記

*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*特別編*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*

最近特別編多い笑だってスモツキが尊いんだもん( ´ཫ`)
なんか、昨日の部活の話なんだけど、珍しく2年生と1年生混ぜて
団体戦やったのねそしたらツッツキと同じチームだったんだけど
試合始まる前ってさどっちかのチームの主将が立って
『○○チーム何とかさん、□□チーム何とかさん』って言って
相手の名前と自分のチームの人の名前呼ぶんだけど私は
ツッツキと同じテームだったから『恋音さん』って初めて
名前呼んでもらって、もう感動よ。正直勝負どころじゃなかったね
その後も結構話してられたし超幸せだった(T ^ T)

絆・2021-12-05
恋音の日記
特別編
スモツキ物語
部活

*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*恋音の日記特別編*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*

10月24日𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
今日はー他の中学校と練習試合だったんだけど、
やっぱりね(*¯꒳¯*)ツッツキがね( *¯ ꒳¯*)可愛いですね(*´`)
誰よりも可愛い!正直女子より可愛かっt((殴 (´ρ`*)コホンコホン
久々のスモツキが卓球してるとこ見られて幸せでした( ´ཫ`)
しかもダブルスよ!息ぴったり……そうだそうだ。なんかね
2年生が団体戦してたから1年生はほぼ放置だったんだけど
ツッツキがゼリーを食べに来て友達に『負けてるじゃないですかー』
とか言って煽ってた笑部長がそんなんでいいんでしょうか( '-' )

絆・2021-10-24
恋音の日記
先輩
特別編
練習試合
スモツキ物語

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に82作品あります

アプリでもっとみる








STRAWBERRY MOON
特別編















風邪

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
PM7:40

傘につく水滴。

空から落ちてくる雨を一人見つめる華帆。


「……華帆、?」

呼ばれ振り向く。

そこには肩が少し濡れている彼が立っていた。

『赤井さん』
「…何をしている」
『迎えに来たんです』

傘を見せ、微笑む。

だが、赤井は華帆の肩を掴んだ。

「冷えきってる」
『平気ですよ』

笑ってみせたが、彼の目は真剣だった。








華帆Side
PM8:30

『クシュン、』

家のベット。
側に置いたゴミ箱には鼻をかんだティッシュが溢れていた。

「お前は馬鹿なのか?」

すいません、ばかです。

ガチの方で私にそう言う彼。
恥ずかしさのあまり布団で顔を隠す。

「風邪を引くなんて、子供か?」
『…すいません、迎えに行きたかっただけです、』

傘を忘れた赤井さんを迎えに行ったはいいが、思ったよりも彼の帰りが遅く、傘を差して雨の中一人立っていたのだ。

確か、1時間くらい、。


『ゴホ、ゴホ、』

「…はぁ、」

風邪を引くなどいつぶりか。

赤井さんと付き合う前に一度引き、看病されたのを覚えている。
懐かしい、。


「何か食べれるものを作ってくる」
『あ、わたしも何か、』
「寝てないと縛りつけるぞ」
『寝てます』

大人しく布団を被る。

寝室を出ていく彼の後ろ姿を眺める。

『……怒ってる、』

前の時、風邪を引いたときは優しかった。

だが、今回は、なぜか彼は冷たい、……いや、怒っている。

それはそうか。
彼には何度も迷惑をかけている。

流石に呆れられたのだろう。

『……ごめんなさい、』

閉まるドアにそう呟いた。
















「卵粥、食べられるか?」
『…はい、』
ありがとうございます、そう言って彼の手からお盆を受け取る。

お盆の上には美味しそうなお粥。

一口食べればわかるいつもどおりの美味しいご飯。

流石、スパダリ、。


「食べたら寝ろ」
『え、?…でも、夜桜のこと、』
「俺が後はやっておく」
『…でも、』
「気にするな」

そう言うと、彼はベットから立ち上がった。

「もう寝るんだぞ」
『っえ、?』

もう行くの?

いつもなら、いてくれるはずなのに、。


背を向け歩き出し、部屋のドアに手をかけようとする彼。

ベットから出て、彼の手を掴んだ。

驚くように赤井さんは私を見た。


なんで、

『なんで、行っちゃうの、?』

いつもなら、一緒にいてくれる。

なのに、。


「…華帆、」

私を呼ぶ声にハッとする。


『……ごめんなさい、』

彼の手を離す。

勝手なことだ。
普段、彼は優しすぎる。
それだけのこと。
なのに、私は甘えすぎていたのだ。

彼も疲れてしまうだろう。

もう一度、ごめんなさい、と謝り俯く。


『……行かないで、欲しい、』
「……」
『…1人に、しないで、』

ポツ、ポツ、と床に涙が落ちる。


彼は私に向き合い、そっと頬の涙を拭った。

そしてカチッ、と部屋の電気を消す音がした。


「…本当は、弱ってる華帆に手は出したくないんだがな」
『…え、?』

問うと同時に口づけられた。

「……誘った、と受け取るぞ」
『え?、それは、』

抱き上げられ寝台に降ろされる。

私の髪をすくい薄く笑った。

「…風邪を引くほど弱ってる女に手を出すのは初めてだ」

優しくはできない。

その言葉に顔が熱くなる。

「一人は、嫌なんだろ?」

唇に触れる熱いものに必死に応える。

体が熱で暑いせいか、うまく抵抗ができない。
彼にされるがまま、私は口づけられる。

『…怒って、ないの?』
「ああ、怒ってる。…熱を出すほど、外で君を待たせた俺にな」
『…え、?』
「…仕事で君を待たせた。…その分責任はとる」
『責任、?』

彼は薄く笑った。

「…ああ、今からたっぷりと華帆を満足させてやる」
『なっ、』

戸惑う私を気にも止めず、彼は顔を近づける。


「…愛してる」

その言葉の後、私はすぐ彼により口を塞がれた。











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
赤井Side
PM11:10

『…クシュン、』

棚に置いてあるティッシュをとった。

「フッ、鼻が赤い」
『風引いてるんです』

頬を膨らます華帆を微笑ましく見る。

額に手を置くと、まだ熱いが先程より随分良くなった。

『…そんなにくっつくと、赤井さんも風邪引きますよ?』
「それは困る」

そう言いながらも、華帆を抱き寄せた。

彼女の匂いがする肩に口を寄せる。

『明日も仕事なんですよね?』
「ああ、」
『もう、だめですよ、』
「…風邪を引いたら、華帆が看病してくれるんだろ?」
それなら仕事も休む、と微笑む。


愛おしすぎる。

雨の中、一人傘を差して俺を待っていてくれた。

風邪を引くというのにもかかわらず。


彼女が風邪を引いたのは、待たせた俺に否がある。

俺の体に顔を埋めてくる華帆の頭を撫でる。


「…ずるいな、」
『…え?』

自覚無しにこういう行動をするのはいつものこと。

少しは俺の身になってほしい。

理性を抑えるのも大変なのだから。

『なにがですか?』
「…フッ、なんでもない」

俺を見上げる彼女から、暗い窓の外を見る。

まだ少し降っている雨。

部屋は目を慣らさないと暗いほどだ。


『赤井さん、』
「ん?」
『…私のお願い、聞いてくれる?』
「…逆プレイか?」
『…はっ?ち、違います!』
「冗談だ」

慌てる華帆に笑う。

なんだ?、と彼女に聞き返した。


『…名前呼びしたいな、』

………。

は、?

照れたように布団に顔を埋めた華帆を見つめる。

名前呼び、か。


「…フッ、呼んでみろ」

モゾモゾと布団が動き、華帆はまた俺に抱きついた。

『…、…秀一、さん、』

背中に回された手に、少し力が加わった。

顔を染めながら、華帆は顔を上げた。

『……なにか言ってください、』
「可愛いな」

俺を見つめる彼女に覆い被さり口づける。

「…華帆」
『……はい、』
「朝まで、付き合ってもらう」
『えっ、?む、無理ですっ』

逃げる気なのか、もがく華帆を押さえ顔を寄せる。

甘い薫りが漂っているようだ。
誘われる。


軽いものから深い口づけへと変えていく。

まだ、夜は明けない。


二人の時間はこれから…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-05-08
赤井秀一
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編

*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*恋音の日記(特別編)*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*

1月6日𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒

キャ───(*>▽<)───ァ♡今日も一段と尊かった( ´ཫ`)
なんか日に日にパワーアップしてる気がして私の身持つかしら(੭ ᐕ))?
今日はですねー多球練習でツッツキと当たったんだけど、
ツッツキのポケットから100円が落ちたの、それで『なんですかそれ』
って聞いたのそしたら『この100円は内周の前にこいつ(スモワ)と
裏が出るか表が出るか遊ぶための100円です』って言ってて
なんだよその可愛すぎる遊び方( '-' )中二の男子が100円でする事じゃ
ないだろ(( え、まじ純粋なのかよくわかんないけど尊いからよし( ´ཫ`)
あとなんかさ、昨日の話なんだけどツッツキが女子と喋ってて
『俺は受けないから』って言ってて……ちょっと待てよとなりまして
受けるとは?なんの受ける?もしかしてあの?あの受ける???
という思考回路で埋め尽くされて今も考えております( '-' )
もし、あの受けるだとしても私はツッツキ受けを推します‪(๑•̀⌄ー́๑)b
あ、もう一個あったわ。スモワとツッツキが試合してるところを
先生が動画撮ってたの(先生その動画後でください)そしたらスモワが
後ろにあったネットに手を強打してツッツキが駆け寄ってったの
うずくまってるスモワの上にピッタリ寄り添ってるツッツキは
2人セットで世界遺産にしたいくらいだった(( 世界遺産にはならなくても
国の支配下で大切に守りますよ(*^^*)

絆・2022-01-06
恋音の日記
スモツキ物語
冬休み
特別編
尊い
先輩








STRAWBERRY MOON














STRAWBERRYMOON

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
PM9:40


6月のまだ肌寒い夜。

赤井さんに連れてこられたのはある山の高台。

ここは夜景が綺麗なことで有名だ。

でも、今夜は夜景を見に来たわけではない。


『…ストロベリームーン、ですか?』

赤く染まった月。
ストロベリームーンと呼ばれるそれを見上げる。

「ああ。…アメリカではもっと綺麗に見えたんだがな」
『ここでも十分綺麗ですよ』
「フッ、連れてきたかいがある」

この月が見られるのは年に一回。
それも雲一つない夜。


ストロベリームーンを見ようと、私達以外にこの高台に来た人は少なくない。

みんな夜空に浮かぶ赤い月を見上げている。


本当に、綺麗だ。



夜「とーと」
「どうした」
夜「ねんね、」
『眠いの?』
夜「ん、」

赤井さんが抱えていた夜桜。

目を擦り欠伸をする。

次はきっと泣き出すだろう。

「寝かせてくる」
『お願いします』

車に向かった彼を見送り、私は近くのベンチに座った。


先程鳴っていたスマホを取り出す。

【母】

そう映し出されたメールを開く。


【元気?
近いうちに遊びに行くわね
秀一くんにも会いたいし。
誠さんも楽しみにしてるわ。

それと、二人目はいつかしら?
お知らせ待ってるわね】


冗談か本気か相変わらずわからない母からのメールに苦笑する。


二人目、か。

赤井さんはどうかな。

欲しい、かな、?


そう思い顔が熱くなる。

想像するだけで恥ずかしい。


先に母に返信しなくては、そう思った時だった。

『っ、!』

後ろから伸びてきた手によりスマホが取られた。

「…」
『あ、赤井さん、』

夜桜を車に寝かしつけ終えた赤井が戻ってきたのだ。

じっと美帆からのメールを見つめる赤井に華帆は赤面した。

『え、えっと、それは違くてっ、』
「……ほぉー。…華帆も二人目が欲しいのか」
『なっ、』
「喜んでその要望に答えるぞ」
『えっ?、ま、まだ、心の準備が、』

慌てだす華帆に赤井は微笑む。

「フッ、冗談だ」
『な、…もうっ、』

頬を膨らます華帆の頭を撫でる。

愛しい彼女に口づける。


「愛してる」
『いつもの事ながら唐突ですね』
「おや、嫌いか?」
『…いえ、』

嫌いなわけ、ない。


『私も、愛してます』

呟く声は彼に届いただろうか。

届いていなくとも、いつまでもこの気持ちは変わらない。


煙草を手にした彼。

何かを思い出したかのように私に向き直った。


「…ストロベリームーンの意味を知っているか?」
『え?…意味なんてあるんですか?』
「…ああ、まあな」




“大切な者と見ると、幸せになれる”




「…そういう意味があるそうだ」
『…そうなんですか』

彼がそういうのを知っているとは意外だった。

驚いた半分、顔がほころぶ。


『…私、幸せですよ』
「…そうか」
『初めて会ったときは、いい印象はあまりなかったですけど、』


『でも、私を想ってくれて、愛してくれる赤井さんが好き』

「華帆、」

口づけてくる彼に応える。





最初は危険な人だと思っていた。

それでもどこか優しい所がある。


出会いは最悪だったかもしれない。

でも、その出会いには意味があった。






『私と、ずっと一緒にいてくれますか?』

「ああ。…離さない」

『約束、ですよ』

「もちろんだ」














大切な人、

一生愛したいと思える人に出逢えたのだから__

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-05-26
赤井秀一
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編
END








STRAWBERRY MOON
特別編















子供

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
華帆Side
AM10:00

「華帆!」

私を呼ぶ声。
返事などできなかった。


休日、赤井さんと二人でゆっくりと過ごしていた時、今まで経験したことのない腹痛に襲われた。
私はソファに倒れ、瞼が重くなり目を閉じた。



そして今、私は病院のベットで横になっている。

倒れた私を赤井さんは病院に連れてきたのだ。

寝ている私の隣で、赤井さんは医師とレントゲンを見ながら話を聞いている。

『…赤井さん、』

彼に手を伸ばす。
何も言わず、私の手をとった。

医「…華帆さん、起き上がれますか?」
『…はい、』

ベットから起き上がり、医師と向き合う。
医師の表情は、決して良くないこと、ということを示していた。

医「……華帆さん、……出産予定が早まりそうです、」
『…え、?』
看「赤ちゃんがね、少し元気がなさそうなの、。…だから、早めに産まないと命に危険が及んでしまうの」
『…そう、なんですか』
医「…できれば、今すぐ、出産して頂いたほうが安心かと、」

今すぐ、と言われても、心の準備ができていなかった。
産むことが怖かったのかもしれない。
返事ができず、俯く。
そんな私を少し見つめた後、赤井さんは立ち上がった。

「…少し、二人にさせていただきませんか」
医「…はい、」
そう言うと医師たちは部屋から出ていった。


ピ、ピ、ピという機械の音が静かな診察室に響いた。

椅子から、私が座っているベットに腰掛けた彼。

「……華帆、」
『……』
「…怖いか?」
『……』
言葉にせず、頷いた。

そうか、と一言言うと、彼は私の頭を優しく撫でた。
ほっとするような、彼の手に少しだけ心が落ち着いた。

「……正直、すまないと思ってる」
そう言った彼を見る。
「…俺は君に無理をさせすぎてしまった」
『そんなこと、』

「………手術、するかもしれないんだ、」
彼の一言に、言葉が出なかった。

「…未熟児なんだ。…そのまま産むと危険なんだ、」
『…そんな、』
「……華帆が、決めないといけない」

それは、手術して産むか、それとも子供を堕ろすか、ということだろう。

どちらにせよ怖いことに変わりなかった。


でも、私は、

『……産みたい、』
お腹の子の、お母さんなのだから。

「……華帆、」
『…怖いけど、でも、…やっぱ、産みたい。…赤井さんとの子供、ほしい、』
彼の手を握り、見つめる。

『……手術、もしすることになったら、…その時は、側にいてください、』
「……わかった」
側にいる、そう言った彼は私にそっと口づけた。



医「…華帆さん、…手術は一つの方法としてです。…今は普通に産むこととして考えていきましょう」
看「がんばっていきましょうね」
『はい』
看「…今から分娩室に行きます。…服を着替えていただきますね」

看護師に言われたとおり、私は服を着替えた。
ドラマでしか見たことのない緑のワンピース状の服を着て、医師たちのもとへ行った。

赤い使用中のランプがついていた。

医「…では、行きましょうか」
『……』
また少しの迷いが出てしまった。
踏み出せない私の手を赤井さんはそっと握った。

「…側にいるから」
『…赤井さん、』
「…大丈夫だ、華帆」
微笑む彼に、私も微笑み返した。

一歩ずつ、部屋に踏み出した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
赤井Side
PM5:00

『…死ぬかと思った、』

病室のベットに横になっている彼女。
疲れたかのようにそう呟いた。

「頑張ったな」

そう言い、彼女の頭を撫でた。

出産は無事に終わったのだ。
生まれたのは女の子。
まだ、未熟児の子供は体が弱いので、生まれてからすぐ、酸素カプセルなどが揃っているNICU(新生児特定集中治療室)に入れられた。
華帆はまだ、子供に触れられていない。

『……会いたいな』
窓の外を眺めそう言った彼女に提案した。

「……行くか、会いに」
『…え?……いいの?』
「…ああ、会えないことはない」
ガラス越しだが、と付け加えた。

『行きたい、赤井さん』
「フッ、元気になったみたいだし、行くとするか」

起き上がった華帆と一緒に病室を出て、NICUに行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
華帆Side

“NICU”
そう書かれている扉の前。

赤ちゃんの親以外は入ることが許されない特別な部屋だ。

看「…入られますか?」
『…はい、』

部屋に入ると少し薄暗かった。
機械の音以外しない静かな部屋だった。

看「…華帆さんの赤ちゃんですよ」

連れて来られたのは、酸素カプセルがおいてある場所。
カプセルに入っている小さな子供が一人いた。

看「…心肺、呼吸、共に安定してます」
『……よかった、』
看護師の言葉に安心し、座り込んでしまった。

「…華帆が頑張ったおかげだよ」
『…赤井さん、』
涙が出てきて彼に抱きついた。
『グスッ、』
「おいおい、今からそんな風だと、これから先大変だぞ?」
『…赤井さんいるから大丈夫です、』
「…まったく君は、」
そう言いながらも微笑んでくれる彼を、私は本当に大好きなんだと思った。



NICUを出て、私達は病院の中庭を歩いていた。
そこには何組かの家族連れがいた。
ボールで遊んでいたり、散歩したり、ベンチに座って話していたり、みんな幸せそうだった。

子1「ママ!早く!」
母「もう…待って奈緒!」

幼稚園児くらいの子供を追いかける母親。
その姿を眺めていると、子供が私達の近くで転んでしまった。
急いで駆け寄る。

『大丈夫?…立てるかな?』
子1「…グスッ、大丈夫、」
「……怪我、してるぞ。…消毒したほうがいい」
子1「…うわ~ん、この人怖い、」
赤井さんの真剣な表情に泣き出した女の子。
その子の言葉に、私は吹き出してしまった。

「……」
子1「…うえ~ん」
『泣かないで』
「…絆創膏」
子1「……グスッ」
「…貼ってもいいか?」
子1「……」

『……ねぇ、君名前なんて言うの?』
子1「…グスッ、…奈緒」
『奈緒ちゃんか、…この人ね、見た目怖いけどすごく優しい人なんだ。…奈緒ちゃんにひどいことしないよ?』
「まるで俺が怪しい人間とでも言うような台詞だな」
『仕方ないじゃないですか、』
言い合いをする私達を女の子はじっと見つめ、言った。

子1「……絆創膏、貼ってくれる、?」
「……ああ、」
少し心を許してくれたのか、赤井さんにそう言った女の子。
彼も、その子に対し微笑んだ。


母「すいません!迷惑かけてしまって、」

絆創膏を貼り終えた所で、女の子の母親が駆けつけてきた。
私達に謝るその子のお母さんに微笑む。
『迷惑なんてかけてないですよ』

子1「ママ!」
母親に駆け寄るその子。
バイバイ、と手を振る女の子に振り返した。

子1「お姉ちゃん達ありがとう」
『奈緒ちゃん、もう転ばないようにね』

歩き出す二人の姿を見送る。


『……名前、決めないとですね』
子供の名前を決めないと、と奈緒ちゃんを見て思ったのだ。

「…ああ、そうだな」
『どうしますか?』
「…悩むな…」
口元に手を当てる彼。

「華帆は、つけたい名前はあるのか?」
『…そうですね、……夜に桜と書いて、夜桜(さな)とか、』
「…夜桜、」
『…赤井さんと会った夜、…妊娠がわかったときに見た桜を合わせたんです』
恥ずかしくなり、頬を染めながら彼を見た。

「……華帆、」
彼は微笑み口づけてきた。
驚きながらも、私は彼を受け入れた。

「…夜桜、か。…俺はいいと思う」
『…本当、ですか?』
「…ああ」
『…うれしい、です、』

もう一度口づけ合うと、心地よい風が吹いた。

新緑の葉が中庭に舞った。


口づけ合う二人の間に、芽生えたものが花となって咲いた。
それは、二人にとってかけがえのない大切なものになっていくのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-03-12
赤井秀一
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編








STRAWBERRY MOON
特別編
















嘘 4

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
AM4:10

夜が明け始める少し前。

華帆は目を覚ました。


腰に奔る痛み。

首元と胸元に赤くついた彼からの印。

全て、忘れなければいけないこと。


隣に眠る彼を見る。

交わってはいけないのに、私は彼を求めた。

……赤井さんを裏切った。

許してもらおうなんて、そんな軽いものなんかじゃない。
許されないこと。

それでも、拒もうとしなかった。


ジ「…華帆、」

目が覚めたのか、薄く目を開けたジンに腕を引かれた。

そして、抱きしめられる。

その温もりに応えるように、華帆は腕を回した。


ジ「…帰らねぇのか?」
『……帰れない、』
ジ「……」

薄く肌に触れる雫。

華帆は泣いていた。

目元を赤くしながら、声を殺すように泣いていた。

『……ごめんなさい、』
ジ「……なぜ謝る」
『…私は、誰かを傷つけることしかできない、』
ジ「……」
『…ジンさんのことも、私は、』

華帆の顔を上げさせる。

俺を見上げるように見つめている。


ジ「……利用したってことにしておけ」
『え、?』
ジ「……俺はお前に傷つけられた覚えはない。…勝手に一人で決めつけるんじゃねぇよ」
泣くな、そう言って涙を拭った。

彼なりの優しさか、その言葉に涙が溢れた。

『ジンさん、』
ジ「……」

彼は私に口づけた。

優しく、…でも深く。

顔が離れると、二人の間に銀の糸が見えた。

ジ「…浮気なんて勘違いするな。…俺達は互いに愛してなんかいねぇ」



そう、浮気なんかじゃない。

身体だけの関係。

互いに心なんてない。

そう偽って、現実から逃げればいい。


ジ「……」

華帆に覆いかぶさり、口づける。

最後まで堪能したかった。

もう、これが本当に最後になる。


偶然でも、必然でもない。

俺達を引き合わせたのは、この世に本当にあるかもわからない運命なのだ。


ジ「……次目が覚めるときは、俺はいない」
『……置いてくんですか、あの日みたいに、』

その言葉に目を逸らす。

こいつの側にいるのは、俺ではない。
こいつだってわかってるはずだ。

彼女がかけているシーツに手をかける。

ジ「……俺は、お前とはいられない」

華帆は顔を歪めた。

ジ「…最後だ、これが本当にな」
『…ジンさん、』

首に手を回してきた。

受け入れるのは、拒まないのは、。

問うこともせず、首元に吸いつく。

小さく反応する華帆をさらに攻める。

涙が滲む瞳。

吸い込まれそうなくらい深い黒。
純粋さがまだ残る彼女。

ジ「…お前は俺を愛せない」

口をつぐみ俺を見た。

華帆の瞳から涙が零れた。

ジ「…忘れろ、…わかったな?」
『……そんなの、無理だって、わかってますよね、』
ジ「……」
『…ずるいです、あなたは、』

涙を浮かべ、俺にそう言った。

……ずるい、か。

ジ「……罪悪感はないのか、あの男に」
『…っ、』
ジ「…あるのにも関わらず、他の男に抱かれるなんてな。…俺に期待させるお前もずるい女だな」

頬に手をあてる。

ジ「…抱いてほしいのか?」

そう問いかけると、少しの間の後、彼女は頷いた。

それに薄く笑う。

ジ「…華帆」
『…』

瞳を歪めた。

迷いのあるようなそれに気づかぬふりをし、口づける。

『…ジン、さん、』

呼び声に応えるようにもう一度口づけた。


夜が明け始めた。

別れまでの少しの時間、俺は華帆を求め続けた。


















AM6:20

微かに目を開ける。

カーテンの間から覗く眩しい太陽の光。

鳥のさえずりとシャワーを浴びる音がする。


左指を見ると、はずされたはずの指輪がつけられていた。

彼がつけてくれたのだろう。

本当に別れを意味しているということに、私はどんな顔をすればいいのかわからなかった。

私用に、と棚の隅に置かれた丈長めのパーカーを着て、再び寝台に腰掛けた。

シャワーの音が止み、浴室に続くドアが開いた。

ジ「……起きたのか」
『…私が起きてない時に帰るつもりだったんですか?』
ジ「…さあな」

まだ微かに髪が濡れている。
彼は私の隣へ腰掛けた。

そして私の腰を引き寄せ口づける。

その慣れたような行為になぜか気持ちが揺らいだ。


『……ジンさんって、慣れてますよね、こういうの、』

その言葉に驚き華帆を見る。

ジ「……てめぇに何がわかる」
『…なんとなくです』
ジ「…慣れてようが、関係ない」
仕事をするだけだ、そう言い、すぐ側にある煙草を手にとった。

『……仕事、ですか』
ジ「……なんだ、」
『…好きでもない人とそういうことしても、何も変わりませんよ、』
ジ「……」
『…嫌なら、断ればいいのに、』
ジ「…断らねぇだけだ」
『…え?』

煙草に火をつける。

煙が宙を舞う。

鼻をくすぐる匂い。


ジ「…好きでもねぇ女抱いて、それで欲を満たす、…男なら誰でもすることだ」
『そんなこと、』
ジ「ないって言えるのか?……お前のこともそう考えて抱いてるとしたらどうだ?…確実にないなんて言えるわけが」
『私のことも、ですか?』

言い終わる前にそう華帆は言った。

華帆の顔を見る。
俺は息を呑んだ。

彼女の頬に涙がつたっていたのだ。

『…なんとも、考えてなかったの?』
ジ「……華帆、」
『…私は、ジンさんのこと、』



“軽い気持ちで考えてないですよ”



消えいりそうな声でそう言った。

目を見開く。

軽い気持ちではない、か。

俯きながら泣く華帆に手を伸ばそうとした。

だが、寸前でその手を止めた。

…このままでは、確実に戻ることができなくなる。


ジ「……」
『…ジンさんは、私のこと見てはくれなかったの?』

答えられない。

真実も、嘘として偽らなくてはならない。

『…なんで、何も言ってくれないんですか、?』

止まらない涙を拭っている。

その姿に俺は何もしなかった。

することができなかった。


ジ「……愛も、言葉も、全て嘘の塊なんだよ、」

呟いた言葉は決して思ってはないこと。

華帆を前にしては思わなかったこと。

『……それが、ジンさんの本音ですか、?』

ジ「……ああ」

『………嘘つき、』

投げやりに呟く。

…わからなかった。

彼が本当は何を思っているのか。


私は私自身の気持ちには気づいていた。

初めて彼に会った時、…その時から私は一度も彼を忘れたことはなかった。

忘れられなかったのかもしれない。

特別な感情なんて芽生えてはいけなかったのに、。
赤井さんを、裏切るという意味だともわかっていたのに、。



ジ「お前はどうしたい、…」

頬を微かに擦れた指。

返事に迷い目を逸らす。

『……わからない、』
その言葉に彼はそうか、と呟いた。


ジ「………そろそろ帰れ」
『…でも、私は、』
ジ「…殺そうと思えばお前も殺せるということを忘れるな」

銃口を向ける先は華帆の額。

その行動に瞳が揺れる華帆。

これ以上俺とは関わってはいけない。

どんな風に思われようが、俺はこいつを突き放す。


持ちなれたはずのベレッタは不思議と重かった。

ジ「俺の気が変わらない内に消えろ」
『…ジンさん、』
ジ「……目障りだ、…帰らないと殺す」
『……ジンさんは、そんなことしない』
ジ「…俺は殺るときは殺る」
『…そんなことない』


『…こんなの向けないでください、ジンさん、』

ジ「っ、」

怖がっているはずの彼女は、ベレッタをそっと握った。
悲しそうに俺を見ている。

『ジンさん…』
ジ「…チッ、…ふざけるな」

彼女を押し倒す。
胸元に銃口を押し付けた。

ジ「…俺はお前が思っているような善人じゃねぇ」
『…』
ジ「優しい?…ふざけるな、何を馬鹿なことを言ってる。少なくとも一人、てめぇの目の前で男を殺したことだってある。疑わしきは罰する、俺は組織の為ならこの身を捧げる。………俺はお前を殺せる」

何も言わず、俺を見ている。

ジ「…早く消えろ、この場から」

壁にベレッタを向け、一発打ち込んだ。
空いた穴から煙が出ている。

『…っ、』
ジ「……次はお前の頭だ」


ここにいるのは本当の彼?

今まで見ていたのは偽りの彼?

私を愛してるって言ったのは、どっちの彼?


服の上からでもわかる銃の冷たさ。
そして、私を見つめる瞳。

言葉の本気さに、身が震える。

ジ「…忘れろ、俺のことも、今まであったことも」

ずるい言い方。

そんなのできないことくらいわかっているだろう。

なのに、彼はそう言って私の心を締め付ける。


どこか悲しそうなのは気のせい?

彼が本当に愛してくれているのなら、応えられるものなら応えたい。

『…好き』
ジ「っ、」

不意に言葉にされたそれ。

ジ「……やめろ、反吐が出る」
『……』
ジ「…あんなの嘘だって、わかんねぇのか」

強く言った言葉とは裏腹に、銃口は華帆の胸元からはずれ、寝台のシーツの上へとずれた。

ジ「……消えろ、」
『…ジンさん、』
ジ「…頼むから、消えてくれ」

初めて聞いた彼の弱い声。

悲しみのあまり涙が出た。

ジ「…お前は組織からはまだ認識されていない。…今のうちに早くこの場から去れ」
もうすぐ組織の奴が迎えに来る、そう言うと彼は私から離れた。

私を逃がそうとしてくれているのだ。

それは不器用な彼なりの、私に対する最後の優しさなのだろう。

ジ「…いいか、俺が指示したら1階に降り、裏口から出ろ。…真っ直ぐ通路を行くと大通りに出る、……後、40秒だ」

時計を確認し立ち上がった。

ジ「…35秒」
『…いいんですか、貴方は、』
ジ「……30秒」
『…組織の為なら、私を逃さないほうがいいのに、』
ジ「…25秒」
『…なんで逃してくれるの?』
ジ「……20秒」
『…ジンさん、』
ジ「……」

カウントダウンをやめた。

時計と見つめ合ったまま、彼は何も言わない。

『……私のこと、本当はどう思っているんですか、?』

ジ「……」

背を向けたままの彼にそう聞く。

『…嘘なんて、聞きたくないです』

ジ「……」

知りたい。
…これで別れならなおさら。

偽りの言葉じゃなくて、本当の彼自身から。

『…本当のこと、言って、』

私は、貴方にとって何なのか。


彼は私に近づくとそっと口づけた。


ジ「……これが答えだ、」

彼の後ろに見える時計の長針が、40秒を指した。

ジ「…帰れ」
『…っ、』

彼は鍵に手をかけ、部屋のドアを開けた。
真剣な眼差しが私に刺さる。

口づけが答えなんて、あまりにももどかしい。

それでも、もう聞くことはやめた。

『……さよなら、…ジンさん、』

別れなんて惜しんでいたら、きっと戻れなくなる。
だから一言だけの別れを告げた。

そして後ろを見ず、エレベーターに乗った。

エレベーターの扉が閉まる音が聞こえたと同時に泣いた。
頬をつたう涙を必死に拭いながら、今まで胸に秘めていた想いを全てさらけ出すように……。

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冬みかん🍊・2021-04-18
赤井秀一
ジン
黒の組織
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編
4








STRAWBERRY MOON
特別編

















本当の想い

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
PM6:20

『…なに、これ?』

「…どうした」

泣き出しそうな声色の彼女にそう問いかける。

後ろから覗くように、彼女の手に持つものを見た。


【DNA鑑定 領収書】

そう大きく掲示されている紙を見て、華帆は下唇を噛んでいる。


ハッ、とし、その紙を彼女の手から取り上げた。

「……」
『……なに、それ』
「…いや、…何でもない」
『…なんで、DNAなんて調べたの、?』

声が震える。
知ってはいけない事実を知ってしまった。

彼がDNAを調べたのは、きっと、。

『……私のせい、ですか?』
「……」
『…夜桜と、赤井さんのこと、調べたんですか?』
「…違う」

嘘つき。

顔を逸らす彼。

領収書、ということは、もう結果は見たのだろう。
でも、それを私は知らない。

『…なんで、嘘つくの、』
「……嘘なんかでは、」

“ただ、華帆を守りたいだけなんだ”


一言発せられた言葉に胸が締め付けられる。


私は、赤井さんをずっと悩ませてしまっていたのか。

あの日、…最後にあの人と、。
……違う、もっと前。
私が初めて彼に抱かれた時、その時からからずっと。
私は彼を苦しめていたのだ。

『…』
「…どんな事実でも、俺は君を、」
『やめて、』

言葉の続きを聞きたくない。

優しく許されるのなんて、もう嫌。


「…」
『……私は、いつも、…赤井さんのこと傷つけてばかりですね、』
「…華帆、」
『……っ、ごめんなさい、』

怒りも、突き放したりもしない彼から逃げるように家を飛び出した。


私を呼ぶ声など、気にも止めないで、。














「…華帆、」

彼女が出ていった扉を一人見つめる。

手を掴むことが出来なかった。

溜息をつき、壁際に座り込む。


“私のせい、ですか?”


あんな顔、させたくなかった。

させないために、ずっと隠してきた。

知られても嘘で誤魔化せると思ったことに甘さを感じた。


どうしたら彼女が笑顔で帰ってこれるか。

考えている暇はない。

俺は暗い外に出た。



雨が降り出しそうな夜。

彼女が行くとしたらきっと、。

そこに向かうため走り出す。

伝えなければいけないことがある。


言おうと思った。

どんな事実でも、俺は__。



ポツ、ポツ

降り出す雨の中、彼女のもとへと向かった。












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
PM7:10

私に降りかかる雨。

木陰に座り込む。
ここに来るのは二度目。
彼とまだ付き合う前に逃げてきた公園だ。


振り続ける雨が、段々と熱を奪っていく。

寒さを誤魔化すように顔を伏せた。




あの日、夜桜の妊娠が分かる前、私はジンさんに抱かれた。

その時、彼は付けていなかったのだ。

確か、言われた。


“どうなるなんて考えるな”

“付けずに抱く”


思い出し自分に絶望した。

私は、拒まなかったのだ。

ただ、目の前にいた彼に抱かれることしか考えていなかった。

付けない、その意味の本当の真意がわかってなかった。


夜桜には、私と、赤井さんと、…彼の、。

3人の血が流れているのか、。


憐れな私を罵るかのように、雨は収まるどころか、どんどん強くなっていく。


『…ごめんなさい、』

呟くと同時に涙が零れた。

私は、やっぱり、誰かを傷つけることしか出来ない。

大切な人を、愛すということがどんなに大きなことなのか、わかっていなかったのかもしれない。


私はいつも彼に支えられていた。

でも、私は、。

彼をいつも傷つけてしまう。


服を握る。

唇を噛む。

涙を拭う。


私は、どうすればいいの、。



下を向いていると目の前に見慣れた靴が現れた。

少し息が切れている。




「…見つけた、」

その声にハッ、とし顔を上げた。





『…赤井、さん、』

この雨の中、走ってきたのだろう。
少し息が切れている。

雨で濡れた服と髪。

また、迷惑をかけてしまった。

『ごめ、なさい、』

溢れる涙を拭う。
だが、拭っても拭っても、涙は止まらない。

「華帆…」
『私が、悪いのに、なのに、』

不安にさせた私が、。

『なんで、探してくれたの?私が悪いのに、なんで、責めないの、?』
「それは、」

彼は私の目線に合わせ屈んだ。

「……」
そっと、頭に手を置かれた。

私と同じように、彼の手も冷え切っていた。

『なんでっ、』

「理由がなくてはだめか?」
『…』
「…華帆が泣いているのに、放っておけるわけがないだろう?」
『っ、…』

真っ直ぐ私を見る。
彼の思いに涙が止まらない。


「…無事で良かった、」


怒りもせず、安心したかのようにそう言った。




“やっと見つけた”

懐かしいあの日。

彼の家から逃げ出したあの雨の日を思い出す。

雨が降る中、彼は私を探し、見つけてくれた。

そして、好きだ、と伝えられた。


彼はあの時から何も変わらない。

いつまでも私を想ってくれている。


私も、ずっと、赤井さんが__



頭に置かれた手は私の頬を撫で唇に触れた。

「…」

彼の温もりが唇に触れる。


「…雨が酷いな」
そう言いながら、顔を離し隣へ腰掛けた。

『…なんで、ここが、』
「…フッ、華帆のことくらいわかるさ。…一度ここに迎えに来たことがあるからな」

忘れたか?、そう言うと微笑み、雨空を見つめた。


忘れるわけない。

初めて、彼に好きと言われた場所。

雨の中、彼にキスされた場所。

忘れるはずがない。


私も今、懐かしいと思い出していたのだから。


「……」
『……ごめんなさい、』
「…謝らなくていい」
『…私が、赤井さんのこと、』
「責めていない。…華帆は悪くない」
『…』
「たかがDNA。…血の繋がりだけで、俺は誰かを責めたりはしない」
『……ごめんなさい』

もう一度謝ると頭に手が置かれた。

「…先程言えなかったこと、言わせてもらえるか?」
『…はい、』

彼は薄く笑い私に口づけた。


「…どんな事実でも、俺は君を愛してる、その気持ちに変わりはない。どうか信じてほしい」
『赤井さん、』
「…華帆は俺の妻なのだからな」

雨で濡れてしまった指先に触れた。

ひどく冷たい。


「…帰るか、」

また華帆が風邪を引いてしまう。

立ち上がろうとした時、彼女に手を引かれた。


『……私も、愛してます』

顔を赤く染め、恥じらいながらそう言う華帆。

「…フッ、行くぞ」
『…はい』

手をとり、早足で家へと向かった。













PM7:40

家に帰ってから寝室までの道のりは早かった。

家に入るやいなや彼にキスされ、そのまま寝室へと運ばれた。


拒むことなく私も彼を受け入れ、次目覚めるのは明日の朝だろうと思いながら、そっと目を閉じ彼に身を委ねた。
















NOSide
PM11:20

少し強引過ぎただろうか、そう思いながら赤井は深く眠りについた華帆を見た。

立ち上がり、棚にしまってある領収書を取り出しゴミ箱に捨てた。


「……」

余裕そうに振る舞ってはいたが、正直まだ許せない。

どうして、華帆が、。


一人拳を握る。



“あの男に会わなければ…。”



何度そう思ったことか。

大事な女を他の男の手に触れさせた自分を憎む。

もう二度と、渡さない。



次会うときは容赦しない。

ジン
「…待ってろ、…宿敵、」

薄く微笑む。

赤井の呟きは夜の闇へと消えていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-05-22
赤井秀一
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編








STRAWBERRY MOON
特別編
















幸せ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
華帆Side
AM10:30

どうしよう、。

控え室で、私は現在見とれている。

「……華帆」

目の前の赤井さんに。

でも、いつもの赤井さんではない。

ニット帽を被らず、タキシードを着こなしている。

そう。私達は、今日、これから結婚式なのだ。

夢にまで見た、彼の隣に立ってチャペルを歩くことが現実になったのだ。


「……顔、赤いぞ?」

熱くなっている頬に触れる彼の手。
無理だ、かっこいい。

『……どうしよう、赤井さんの隣に立てないかも、』
「今更緊張しているのか?」
『…緊張じゃないです。…私なんかが赤井さんの隣に立ったら、月とスッポンって思われます、』
「…そんなことか」
『重要なことですよ、』

はぁ、と溜息をつき控え室の床を見つめる。

『…逃げ出そうかな、』
「…俺が振られたみたいだろ」
『大丈夫ですよ、体調不良って言えば、』
「なんのためにここまで揃えた」

私の着るドレスを指した。
純白の、女の子なら誰もが憧れるような綺麗なドレスだ。
それを私は今着ている。
彼の、赤井さんの隣に立つから、。

『……なんか、不安だな……』
「不安?」
『…私で、いいのかなって、』
「……華帆じゃないと、意味がない」

私との距離を縮め、見つめてくる彼。

顔が近づき小さなリップ音がした。

「……安心しろ。…俺は華帆以外にいないから」
『…赤井さん、』

微笑んだ彼に抱きついた。
私を落ち着かせる、彼だけが持っている温もりに安心した。


ガチャ

母「あら、お取り込み中だった?」
父「あ、ごめん!」
『全然そんなことないから!』

控え室に入ってきたのは両親。

父「着替え終わったかなって思ってね。来ちゃった」
母「華帆かわいいわね。似合ってるわ」
父「…グスッ、本当に、大きくなって、」
泣き出した父に母は微笑む。
私もそう思ってた、と言った。
その目には、薄っすらと涙が滲んでいた。

父「…秀一くん、ありがとう、…グスッ、」
母「…華帆のこと、よろしくね」
「はい」
母達と向き合ってそう答える赤井さんに、私は素直に嬉しかった。
彼と、ずっと一緒にいれる、そういう関係になることを彼は叶えてくれたのだと思った。

母「…抜けてる所があって、まだまだ子供な一面が多くて大変かもしれないけど、…頼むわね、」
父「…優しく、受け止めてあげてほしい、」
「…わかりました。…大切にしていきます」

私の方を見て、彼は言った。
「…大切にする」

『…はい、』


店女「失礼します。お二方、準備の方はよろしいでしょうか?」
「はい」
店女「では、新郎はこちらへ。新婦とお父様はあの奥の方の扉の前にいてください。係の者が案内いたしますので」
『わかりました』


ウエディングプランナーの方に言われたとおりに、私と父は扉の前に立った。

『……お父さん、』
父「ん?」
『…今までありがとう』
今までの思い出を振り返ると、すべてがあっと言う間だった。
幸せでいられたのは、父と母、二人のおかげだ。

『……ずっと幸せだったけど、もっと幸せになるから』
父「……うん。美帆も、喜ぶよ」

さっきまで涙を流していた横顔は、お母さんと出会った頃のような顔をしていた。
優しく、強く、誰かを思いやるようなそんな顔を。

まだ小さい頃に聞いた二人の話。
仕事に終われ、一人で世界を飛び回っていた母。
凛々しく、仕事ばかりで、ほとんど男に縁のない、…そもそも男に興味がない母を世界でたった一人、父は振り向かせた。

“君には、僕しかいないよ”

と、すごくキメて言ったみたいだが、母は吹き出して笑ってしまったらしい。
でも、少し抜けてる父に母はこの人なら、と思ったと言っていた。

意外と、二人の恋はロマンがあったのだろう。
今の二人を見ていればそう思った。


いつまでも仲睦まじい母達のように、私も赤井さんとずっと一緒に時を過ごしていきたい。

そう思った時、ゆっくりと扉が開いた。

眩しい光。
結婚式定番の曲。
参列してくれた知り合い、親族。
母、おじ、夜桜。

そして、目の前には、私に微笑む彼の姿。

ゆっくりと歩き出した__










“華帆、愛してる”

“愛してます、秀一さん”

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-03-19
赤井秀一
名探偵コナン
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小説
STRAWBERRYMOON
特別編

*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*恋音の日記(特別編)*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*

1月5日𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒

皆様、あけましておめでとうございます🎍🐯🌅🙏✨
今年もよろしくお願いします(*^^*)
いやーもう2022になってしまいましたねー恋音の日記も
あと3ヶ月ほどで終了となります!!!!2年生になる時に名前を変えようと
思ってるので、そしたらまたその名前で日記書きます📖☡✍
でもスモツキ物語は不滅です!!!!今日ね待ちに待った部活があったのよ!
はい尊死†┏┛墓┗┓†ツッツキ見た瞬間死んだね。うん。
なんか髪切ってて、もう可愛いったらありゃしない。
全て差し出したくなるような尊さだったねあれは(。'-')(。,_,)ウンウン
スモワも今日はマスク外してたし萌え袖サービスデーだったね
最近スモツキ不足してたから見るだけでにやけてきちゃって( ≖ᴗ≖​)
今思い出すだけでも頬が緩む!あーまじ生きる糧。
新年早々ご馳走様でしたm(*_ _)m今年も尊く生きててくださいm(*_ _)m
なんかね、ツッツキの女友達がツッツキの家に勝手に入るとか言ってて笑
ツッツキがやめろよ笑みたいな感じだったの、そしたらツッツキが
『俺の家はいるの許可してるのアイツ(スモワ)だけだから』
って言ってて!!!!!!!!!!!!!( ´ཫ` )グハァ今日も美味しかったです(*´ч`*)

絆・2022-01-05
恋音の日記
スモツキ物語
冬休み
特別編
尊い
先輩








STRAWBERRY MOON
特別編












雨と迎えと寝ぼけ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
華帆Side
PM4:20

パラパラ

窓の外は雨が降っている。

《5時以降、雨は強くなるでしょう》

よく見るニュースキャスターの女の人がそう言った。
ソファに座りながら、もう一度窓の外を見た。

『…赤井さん、大丈夫かな、』
夜「?」

仕事で出掛けた彼はまだ帰ってきていない。

私は夜桜と二人で留守番中。

《大雨警報は今の所出ておりません》
《早めの帰宅をおすすめします__》

早く帰って来れればいいのだが、そう思いながら夜桜とテレビを見ていた時、

ガチャ

玄関のドアが開く音がした。

リビングに歩いてくる足音。

ひょこっと顔を覗かせたのは、

『…おじさん?』
マ「華帆!大丈夫?」
『…何が』
マ「秀一くんまだ帰ってないって電話あってさ。暗くなってきたから心配で、」
『だからって、私に連絡もなしに、』

流石母によく似ているだけあるな、。
何度目か呆れた。

マ「あ!夜桜ちゃん!相変わらず華帆に似て可愛いね」
夜「まーくん」
マ「はーい!まーくんだよー!」
二人目の娘ができた気分だよ、とニヤニヤが止まらないおじに苦笑する。

フレンドリーなおじにはすぐに懐いたのか、いつの間にかおじと夜桜は仲良くなっていた。

『…雨、強かった?』
マ「そこそこ?…でも、これから強まるってニュースでやってたし、」
ひどくなるんじゃない?、そう言ったおじの言葉に不安になり窓の外を見つめる。

『……大丈夫かな、』
マ「秀一くん?」
『…うん、』
マ「そういえば、今日車あるよね。車じゃないんだ」
『うん、』
マ「…大丈夫だよ。秀一くん強いから」
『なんかパッとしない理由だね、』
マ「……そんなに心配なら迎えに行ってあげたら?」
夜桜を抱き上げ私を見たおじ。

『…でも、』
マ「いつもならこれくらいの時間に帰宅する頃だから」
『おじさん、』
マ「大丈夫。夜桜は僕がいるから安心して」
微笑むおじに微笑み返す。

『ありがとう、おじさん』
マ「早く行ってきな。転ばないようにね」
『うん』

傘を持ち家を出る。
小雨だったはずの雨が、少し強まっていた。











『赤井さんっ!』

あるカフェの軒下で雨宿りをしている彼を見つける。
降り止まない雨を見つめていた瞳は私の方へ向いた。

「…華帆、」

半分驚いたかのように彼は私を見た。

「…フッ、君は傘をさしていたのになぜそんなに濡れてる?」
『急いだんです!』

赤井さんが濡れていないか心配で、急いで家を出てきたのだ。
しかも、急ぎすぎて赤井さん用の傘を忘れてしまった。

「傘は二人でさせばいい話だろ?」
『…ごめんなさい、』
「気にするな」

歩き出そうとする彼を追いかけ傘を差し出す。

『濡れます!風邪ひきます!さしてください!』
「君は背が低いな」
嫌味のようなことを言い、傘を私から受け取り私も雨に濡れないように彼は傘をさした。

「迎え、ありがとう」

私の目線に合わせ屈んだ彼は、私に口づけた。

『っ、』
「行くぞ」
私の手を引く赤井さんに頬を赤くする。
心臓の音が大きくなる。

雨の中、私達は帰路についた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
赤井Side
PM5:10

「髪、濡れてる」
『わ、わかってます!』

タオルを彼女の頭にのせ、髪を拭いた。
恥ずかしいのか顔を赤くした華帆。

マ「仲いいねー、」
脱衣所で華帆の髪を拭く俺を見てそう言った雅紀。

「夜桜の面倒ありがとな」
マ「いえいえ、かわいい姪の娘ちゃんですから」
「フッ、そうか」

眠そうな顔をしている夜桜に微笑む。

雅紀に世話になっている分、また礼をしなければと思いリビングに戻った。


マ「それにしても、雨が強くなる前に帰って来れてよかったね」
『ほんとだよ、』

激しい雨と風の音。
弱いうちに迎えに来てくれた華帆に感謝しなければ。

『おじさん、帰らなくて大丈夫?』
マ「え?僕泊まるつもりなんだけど、」
『え?泊まるの?』
マ「え?なんかまずい?」
『え、いや、まずくはないと思うけど、』
大丈夫ですか?、と俺を見てきた華帆。

「着替えが俺ので大丈夫なら」
マ「ほんと?秀一くんありがとうー!」
「ああ」

相変わらずな雅紀に微笑む。
華帆は少し不安そうだが、うまくいくだろう。

雅紀に夜桜と一緒に風呂に入ってこい、と言い俺達は夕食の準備を始めた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
華帆Side
PM5:50

「……待て。君は何をしようとしている?」
『……、』

隣に立つ赤井さんに見つめられながら、レタスを切ろうとしたのだが、数秒で彼に止められた。

『…何か、だめでしょうか?』
「…はぁ、」

呆れたような溜息をついた彼に、少し落ち込む。
やっぱり、私には料理なんて無理だ。

……料理、学びに行こうかな、。

「包丁の持ち方が危ない。袖をまくらないと汚れる。…そもそもレタスは切らない」
『え?切らないんですか?』
「……1からやり直しだな」

私を見つめ、一歩、また一歩と距離を詰めてきた。


後ろには壁、目の前には赤井さん。
壁に手をつき私を逃げられないように捕えた。
その行動に顔が熱くなる。

……何か別のことが始まりそうだ…、。

「……」
『……あの、』
「…華帆、」
『は、はい』
「…明日は1日練習だ」
そう言った彼に、少しの安堵と何もなかったもどかしさがあった。

「…期待するな」
『なっ、!』
私の気持ちを見透かしたように微笑む彼に顔がさらに熱くなる。


カシャッ

『っ!おじさん、』
マ「あ、バレた、」
リビングに顔を覗かせ、スマホのカメラをこちらに向けていたおじ。
この壁ドン状態を撮られた。

『何してるの?!帰って!』
恥ずかしさを隠すため、テーブルに置いてあったティッシュケースをおじに投げつけた。

おじは見事ティッシュケースを避けた。

マ「怒らないでよ!あまりにも華帆が可愛すぎてつい。……しかも見て!秀一くんめちゃくちゃイケメン」
そんな趣味だったのかとおじに呆れる。

夜「マーマ、」
いつの間にか足元にいた夜桜を抱き上げる。
微かに石鹸の匂いがした。

『かわいい、』
マ「華帆もかわいいよ」
『…おじさん気持ち悪い、』
マ「そんなこと言わないでよ!本心だって!」
あんたは彼氏か、と身を引いた。



数分後。
黙々と一人料理を作っていた彼に声をかけられ、私達は席についた。

マ「お!オムライス!僕の好物覚えてくれてたの?」
「フッ、まあ、よく雅紀に作れと言われたからな」
マ「さすがですね」
笑顔でオムライスを食べていくおじ。
確かに、赤井さんの料理はおいしい。

少しだが、ご飯が食べられるようになった夜桜も嬉しそうな顔をした。

『おいしい、』
「フッ、そうか」
『私もちゃんと料理しないとな、』
「いつでも助けてやろう」
『ふふ、ありがとうございます』

マ「…夫婦だね、」
私達を見て、そう呟いたおじの言葉には気づかなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
赤井Side
PM10:30

「…雨、止んできたな」
マ「あ、ほんとだ、」

強かった風はおさまり、大雨だったのが今は小雨になっていた。

華帆は眠いからと、夜桜と一緒に2階へ行った。

今頃、二人とも寝ているだろうと思いながら雅紀と酒を交わした。

マ「育児大変?」
「いや、そんなことはない」
マ「幸せ?」
「フッ、ああ」
マ「そっか。なんか、嬉しいな」
「まるで父親だな」
マ「そりゃ、僕は華帆が小さい時から面倒見てるからさ。…華帆が初めて彼氏を作ったときなんて驚いちゃったよ、」

別れた男のことか、と思い出す。

マ「でも、最低なクソ男ってわけだったし。一生男見る目ないかもなって、華帆に思ってたとき、秀一くんがいたから良かったよ、安心した」
「…そうか」
マ「華帆、幸せそうだし、僕も嬉しいな。…ほんと、秀一くん、ありがとう」
抱きついてきた雅紀に微笑む。

俺も雅紀に礼を言おうとした時、寝息が聞こえてきた。
酒臭い雅紀は酔いが回ったのか眠っていた。

ソファに横に寝かせ、布団をかけ俺も寝ようと2階へ上がった。



寝室に入ると華帆はぐっすりと眠っていた。

隣へ腰掛け頬に触れる。

『ん…』
華帆はゆっくりと目を開けた。

『…ん…赤井、さん、』
起こしてしまっただろうか、少し申し訳なくなる。

「…華帆、」
『…お酒の匂いする、。…お酒飲んだ、?』
「雅紀とな」
『酔ってる?』
「酒には強い方だ」
『…ふふ、赤井さん』

起き上がり俺に抱きついてくる。
可愛らしいその行動に微笑む。

「どうした、」
『好き』
「そうか」
『ふふ』
「寝るぞ」
『うん』

横になり布団に入る。
隣にいる華帆は俺の胸に顔を埋めるかのように抱きついてきた。
それに答えるように、彼女を包み込んだ。

「おやすみ、華帆」
『おやすみなさい、』



外の雨はすっかり止み、雲の隙間からは星が覗いていた。

二人は互いの温もりを感じながらすぐに眠りについた。











NOSide
AM6:40

『な、何があった、』

赤井に抱きついて眠っていた華帆は、朝起きた時、この状況に頭を悩ませた。

寝ぼけていたのか、昨日自分から赤井に抱きついて眠りについたことを忘れていたのだ。


『赤井さん、起きて』

まだ眠っている赤井にそう言うが、目を覚ましそうにない彼に彼女は再び頭を悩ませた。

心臓の音が鳴り止まない中、華帆は顔を赤く染めながら、赤井が起きるのを静かに待っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-03-29
赤井秀一
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編








STRAWBERRY MOON
特別編
















慣れと信頼

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
華帆Side
PM2:40

昴「…そんな顔で見つめないでください」
『…だって、…』
赤井さんの家のソファ。
隣で小説を読む昴さん。
なんともややこしい状況だ。
顔が険しくなるのも仕方ない。

今日は昴さんの姿に慣れるための練習をしていた。
休日に二人で過ごしてみようと。

まぁ、昴さんは赤井さんなのだが。

でも、中身は一緒でも外見が違う。
これじゃまるで浮気現場だ。

昴「そんなに不満ですか?」
『…慣れないですよ、やっぱ、』
昴「慣れてもらわないと困りますよ、」
出掛けれません、そう言って小説に目を移した。

そんなに私とデートしたいのだろうか、。
そう思うと勝手に頬を赤くした。

『……昴さん、』
昴「はい」
『……キス、してください』
昴「…は?」

驚いた様子で私の方を向く。
自分でも恥ずかしいことを言ったのはわかっている。
でも、慣れるならそっちからの方が、。

彼は少し黙った後、優しく私に口づけた。

昴「…積極的、ですね」
それとも、そう言いチョーカー型変声機のスイッチを切った。
「…俺ではなく昴の方を求めてるのか?」

威圧感のある言い方に少し身を引く。
どうしてそう理解するのか、。

『違いますっ!慣れろって言うから言っただけなのに、』
「今度からは、変装解いてから抱くからな」
『なっ!夜桜いるんですよ!そういう話しないでください!』

心配しながら、ソファの隣に敷いてあるクッションの上で眠る夜桜を見る。

「まだ1歳にもなってないんだぞ?言葉がわかるわけないだろ?それに今は眠っている」
『でも、起きてたときとかに言って、変なこと覚えたら困ります!』
「……そんなにかっとするな、」
まぁ、すまない、そう言って頭を撫でてくる彼。
変わらないのは、この手の温もりと優しさだな、と微笑む。

『……でも、昴さんの姿の赤井さんに夜桜が懐くなんて、驚きました、』
「ああ、確かに俺も驚いた」
初対面の人には懐くのが珍しい夜桜が、今朝、昴さんの姿の赤井さんに何もなしに抱っこをしろと手を開いたのだ。
その行動には、私の他、赤井さんも驚いた。

きっと、すぐ自分の父親だと感づいたのだろう。
少しの同じ動作で彼と昴さんが同一人物だと言うことを見抜くことができるなんて、私は夜桜に負けてしまった。

そう思っていると、家のチャイムが鳴った。

ピッ

昴「出てきますね」
声を昴さんに戻し、玄関へ向かった彼。

リビングのドアから顔を覗かせて玄関を見てみる。
そこには、昴さんと親しげに話す眼鏡の男の子。
コナン君だ。

こちらに気づいた彼はこっちを見た。
コ「あ!華帆さん!」
『コナン君、久しぶり』
コ「久しぶり!…二人って、」
私と昴さんの顔を交互に見る。

……。
ん?…この状況はやばくないか?
コナン君は昴さんが誰なのか知っているのだろうか?
知らなかったら、これは浮気現場だと解釈されてしまう、そう思うと一気に顔が青ざめた。
まだ純粋な小学生が浮気現場に来てしまうなんて、これからの教育上よくない。

『コ、コナン君!この人はね、』
コ「華帆さん、昴さんの正体教えてもらったの?」
『…え?』
コ「だって、仲良さそうに家に二人でいるわけだし、」
『あ、…コナン君、その事知ってるんだ』
昴「このボウヤにも手伝ってもらったんですよ」
『は、はあ、』
二人の関係はよくわからないと、首を傾げる。
仲が良いのとは違い、それよりも深く互いを信用しているようだ。

コ「じゃ、僕この前のデータ渡しに来ただけだから」
じゃあね、と昴さんにUSBを渡し、家から出ていったコナン君。


リビングに戻り、夜桜に布団を掛けてあげ、再びソファに座る。

昴「なんですか?その不満そうな顔は」
『……なんか、嫌です、』
昴「…なにが?」
『…夜桜は私と違ってすぐ昴さんが赤井さんってことに気づいたし、コナン君と赤井さんは…なんか、信頼し合ってて、私、嫉妬しました』
昴「……」
『私も、赤井さんのこと知りたいです、』
昴「……」

私を見つめてくる彼に、恥ずかしくなり、目を逸した。

『……黙るの、ずるくないですか?』
昴「……最近はすごく素直ですね」
『……だめ、ですか?』
昴「…いえ、…どんな華帆さんも好きですよ」
顔を近づけてきた彼を抑える。

昴「…嫌、ですか?」
『……赤井さんがいい、』
昴「フッ、」
彼は微笑むと変声機のスイッチを切った。

「…華帆、着替えてくるから待ってろ」
2階に上がっていった彼を私は静かに待っていた。


昴さんの姿から着替えてきた彼は、私の隣に座った。
「…フッ、待っていて偉いな」
『…やっぱり、赤井さんの方が落ち着きます、』
「そうか」
タバコを取り出した彼の肩にもたれる。
落ち着く彼の温もり。

私はそっと目を閉じた。

窓から心地よい風が吹いた。

いつしか私は眠りについていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
赤井Side
PM4:00

眠る華帆を見つめ微笑む。
あどけない寝顔はいつまでも変わらないのだろう。

夜「…とー、」
目が覚めた夜桜は俺の足元に座っていた。
夜桜を抱き上げ、膝に座らせる。

夜「マーマ、」
俺の肩で眠る華帆の頬を指で突く夜桜。
「華帆は眠いみたいだ。寝させてあげよう」
夜「ん」
「フッ、いい子だな」
頭を撫でてやると嬉しそうに俺に抱きついてきた。


春の風が終わり、夏に近づいてきた。

まだまだ1年は終わらない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-03-21
赤井秀一
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編








STRAWBERRY MOON
特別編



















嘘 2

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
PM6:30

人が賑わう夜。

あるホテルで行われたパーティー。

そこに一人、黒いドレスを着て、菜々を待つ華帆の姿があった。


『…菜々どこかな、』
待合場所はここのはず、そう思いスマホを見つめる。
確かに数時間前、ここに集合とメールが来ていた。

間違いないと周りを見渡し菜々を探す。

『あ、菜々』
菜「華帆ー!」

自分に駆け寄る菜々に頬を緩める。
相変わらず元気でかわいいと思った。

菜「ごめんー、待った?」
『ふふ、ちょっとね』
菜「許して、ドレスに悩んじゃったの、」
『……ちょっと、派手目?』

今日の菜々の格好。
前回より少し派手目の赤いドレス。
まぁ、似合ってはいる。

菜「ふふっ、男をすぐ落とせそうでしょ?」
『もう、菜々』
彼女の言葉に笑う。
自然でいれるのも彼女だからだろう。

菜「でも残念だな、赤井さんに会いたかった、」
『菜々には蒼夜さんいるでしょ?』
菜「……それがね、ちょっと聞いてほしいことがあって、」
少し華帆から目を逸らした。

菜「……蒼さんのことなんだけど、、」
蒼「あ、いたいた。菜々」

何か話そうとした菜々の声は、蒼夜によって遮られた。
彼に呼ばれ二人は振り向く。

『…こんばんわ』
蒼「こんばんわ、華帆さん」
菜「…仕事の方との話は終わったの?」
蒼「え?…ああ、今度共演のときはよろしくって」

さすが俳優、キャスター、様々な仕事をこなすだけある。
有名人は大変だ、と華帆は思った。

そんな華帆とは変わって、菜々は複雑そうに顔を歪めていた。




蒼夜はワイン、華帆達はジュース。
それぞれグラスを交わした。

蒼「…そういえば、彼は今日来ていないのですか?」
『赤井さんですか?今日は仕事で、』
蒼「そうなんですね」
菜「夜桜ちゃんは?」
『おじさんに預けてるの』
菜「相変わらずおじバカ?」
『うん、本当の父親みたいにね』

菜々との会話に花を咲かせていた時、

??「あら、平蒼夜さん?」

ブルーのドレス、レースのロング手袋をした外国風の綺麗な女性が話しかけてきた。

蒼「え?…そうですけど、……貴女は?」
??「私、映画のプロデューサーをしていまして、」

ポーチから取り出した名刺を蒼夜に渡し微笑んだ。

風「瀬名風花(セナ フウカ)と言います。…次に出てもらいたい映画のことでお話、どうですか?」
蒼「他にも呼ばれていて、返事遅くなるかもしれないんですよ」
風「お話だけでもいいので、」
蒼「…話だけなら、」

菜々にできるだけすぐ戻る、と言いプロデューサーと言う彼女について行ってしまった。

それを悲しそうに見ている菜々に華帆はそっと声をかける。

『…大丈夫?』
菜「……さっきもそうだったの、」
『え?』
菜「…女の人の誘い断らなくて、私を置いてお酒飲んでた」
『……菜々、』
菜「…愛されてても、なんか、実感できない」

下唇を噛む彼女を華帆は心配そうに見つめた。

菜々をこんなに悲しめるなんて、…もう少し考えてほしい。
あれだけの人だ。
女の扱いなんて一般よりはしっかりしてるはず。
彼女を悲しませないようにすることなど、考えればできるはずなのに。

そんな華帆の心情に気づいたのか、暗い話してごめん、と菜々は微笑んだ。

菜「あっちにケーキあるの、行こっ?」
『…うん』

手を引く彼女に何も言わず着いていく。
辛いときも、いつも笑顔でいる彼女。
私にはない強さがある。

こんな時にこそ、そばにいてあげたい。


菜「おいしそ、食べよ?」
『うん!』

微笑む彼女に微笑み返す。
友達だからこそ、今自分ができることをしたい。

綺麗なケーキが並んでいる。

二人はそれぞれ手に取り口に運んだ。

『おいしい!』
菜「ほんと、おいしい!」

二人でいると自然と笑顔になれる。
互いの心が、互いで埋められているのだろう。

その関係が、友から親友に変わったのだ。
まだ高校生の時の、二人は。












PM8:10

『…食べすぎた、』

椅子に座りお腹を擦る華帆。

その隣で口を抑える菜々。

菜「…やばい、調子に乗りすぎた、」
『…トイレ行く?』
菜「うん、行こ、」

会場から出て、二人は廊下の突き当たりにあるトイレへ向かった。

会場からあまり人は出ていないらしく、トイレには人はいなく、廊下も数人ほどしか歩いてはいなかった。





数分後

『菜々ー、先に廊下出てるよ』
菜「わかった、」

辛いらしく、トイレに籠もりっぱなしの菜々にそう告げ廊下へでた。

人が多い会場とは違い、人が少ない分、空気が澄んでいた。

『…それにしても、広いな、このホテル』

35階まであるこのホテル。
高いだけでなく、一つ一つの階が広かった。

少し周りを見てみようと辺りを歩いていると知ってる後ろ姿が見えた。

『……蒼夜さん?』

どこへ行くのか、会場から遠くへ歩いて行く彼を不思議に思い、華帆は蒼夜のあとをついていった。


エレベーターに乗った彼は、現在の階、14階から32階へ向かった。
その後を追うように、次のエレベーターへ乗って彼を追いかけた。

先に会場に戻っていて、と菜々にメールをして。


さすが高層ホテルのエレベーター。
早くも32階へついてしまった。

どこへ行ったのか、適当に廊下を曲がると、蒼夜を見つけた華帆。

彼は、一つの部屋の前で立ち止まりスマホを触っていた。
声をかけようとした華帆だが、次の光景に息を呑んだ。

…廊下の突き当りから出てきた女と彼はキスをしていたのだ。

しかも、先程見たプロデューサー、瀬名風花と名乗る女と。


風「…行きましょ?」
蒼夜の手を引く風花。

拒もうとせず、部屋へ入ろうとする蒼夜に華帆は駆け寄った。

『蒼夜さんっ!』
蒼「!華帆さん?!」

驚く彼を無視し、部屋から離れるように手を引いた。

風花は驚くように華帆を見ていた。

だが、そんなのも気にせず華帆は蒼夜を連れ廊下の角に連れてきた。
人通りはなく、廊下には蒼夜と華帆だけ。

『…何してるんですか、』
蒼「…仕事の話だよ。とっても重要なことだってね」
『……本当ですか?』
蒼「…本当だよ」
『…キス、していたのに?……菜々のこと、悲しませるようなことしないでください、』

華帆の言葉に口を閉ざした。

華帆にはわかっていたのだ。
今、あの女性と部屋に入り何をしようとしていたのか。

それが、菜々を裏切ることだと。


『……なんで、こんなこと、』
蒼「……売れたいなら、抱けって、言われたんだ」
そんなの間違ってるなんて、わかってた、そう呟いた。

『…他の女の人と、仲良くしてたのは、?』
蒼「あんなの、ただ形だけ。…俺は菜々を悲しませたいわけじゃない」
『……でも、勘違いさせてますよ?』
蒼「…わかってる。…でも、仕事を優先させちゃってね、」
『……菜々は、蒼夜さんを信じたいはずです。…そんなことしたら、菜々を裏切ることになります』

目の前の蒼夜の目を見つめる華帆。
どれだけ真剣に菜々のことを考えているのか、蒼夜にはすぐにわかった。

そんな華帆に蒼夜は口を開いた。

蒼「……ありがとう、華帆さん」
菜々の所へ行かないと、そう思い蒼夜は華帆に礼を言い、菜々が待つ会場へと足を走らせた。


二人にはいつまでも幸せでいてほしい。

そう思いながら、華帆も会場へと行こうとした。

だが、誰かに後ろへと手を引かれ、壁へと押さえつけられた。

『っ!』

目の前の人物に目を見開く。

『…なんでここに、』


懐かしい煙草の匂い。

頬をかすめた銀の髪。

別れも告げず、どこかへ行った人。


『…ジンさん、』

声にならないような声でそう言った。
薄くかすれた声は、彼に聞こえただろうか。

ジ「……なぜ、お前がここにいる」

低い声でそう言った彼。

『……友達に、誘われて、』
ジ「なぜこの階にいる」
『……知り合いが、この階に来てて、…それで、』
だんだんと声が小さくなっていく。

自分の手を掴むジンの手に力がこもる。
怒っている、と華帆は思った。

ジ「……知り合いの男は、平蒼夜か?」
『え?…そうですけど、』
ジ「…チッ、…面倒くせえ、」

ジンはスマホを取り出し電話をかけた。

ジ「……任務は中止だ。…ターゲットに逃げられたんじゃこれ以上長居はできねぇ」
??「…わかったわ」

スマホからは女の声。

ジ「…来い」

何も言わない華帆の手を引き、廊下を歩き出した。


なぜここにいるのか。
任務とはなんのことだろうか。
ターゲットって、。

疑問はあるものの、華帆は何も言うことなく、ジンに手を引かれるがまま、廊下を歩いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
PM6:00

会場に使われるホテルの前。

路上に一台のポルシェが止まっていた。


ウ「楽しんできてくださいね」
べ「あらウォッカ、貴方も行きたかったかしら?」
ウ「よしてくださいよ。死人が出るパーティーになんて行きたいとは思えないですよ」
そうウォッカが応えると、ベルモットは高らかに笑った。

べ「安心して。ホテルの部屋で、綺麗に死なせてあげるから」
ウ「でも、その変装で大丈夫なんですかい?」
べ「ええ、映画のプロデューサー、瀬名風花っていう架空の人物になったけど、今回のターゲット、若い俳優なのよ?仕事欲しさに喰いついてくるわ」
ジ「…男がベルモットに喰いついた所で、俺はそいつの女を誘き寄せるってことだ」
ウ「フッ、邪魔者がいなくなるってことか」

さすが幹部達。
全て計算している。

成功なんて目の先だ、そうウォッカが思っていると、ホテルの扉が開いた。

ぞろぞろと客たちが入っていく。

べ「…そろそろね」
ジ「わかってるな、32階へ誘導するんだぞ」
べ「わかってる。連絡するわよ」
ジ「ああ」
べ「じゃあ、また後で落ち合いましょ」

ヒールを鳴らし歩いていったベルモットをジンと二人で見送った。

ジンは煙草に火をつけ、ホテルに入っていく人々を見た。
ベルモットからの連絡が来るまでの時間、大人しく待つことにしよう、そう思い目を閉じた。















PM8:30

ブッブー ブッブー、

スマホがなる。
ベルモットから連絡が来たのだ。

内容を確認する。

【ターゲット、32階に呼んだ。
そろそろ来て。
Vermouth】

ジ「…車はここに止めておけ、…怪しまれるなよ」
ウ「了解」

車を出て、ホテルに入る。

人が少ない廊下を歩き、エレベーターに乗り込む。
ターゲットとベルモットがいる32階へと向かった。

ブッブー、ブッブー、ブッブー

ピッ

ジ「…どうした」
べ「問題発生。邪魔者が入ったわ」
ジ「誰だ」
べ「女よ」
ジ「女?」


32階へつくと、ベルモットが待つ部屋の前まで来た。
部屋の前には壁に寄りかかっている女が一人。
ベルモットだ。

ジ「ターゲットは、」
べ「連れてかれちゃったわよ」
ジ「チッ、どこへ行った」
べ「あっちの方に行ったわ」
ジ「お前は先にウォッカの所へ戻ってろ。さっきの場所に止めてあるはずだ」
べ「…わかった」

ベルモットが歩き出す反対側へとジンは向かった。

しばらくすると、廊下の角から物音がした。

ベレッタを手に持ち、様子を伺う。

そこにはターゲットと一人の女がいた。
後ろからで女の顔は見えない。

『……菜々は蒼夜さんを信じたいはずです。…そんなことしたら、菜々を裏切ることになります』

この声、。

ハッとし、女を見つめる。

蒼「……ありがとう、華帆さん」
礼を言った名前に驚く。

なんで、あの女がここに、。

エレベーターの方にかけて行った蒼夜の後ろ姿を見ている華帆。

歩き出そうとした華帆の腕をジンは無理やり掴み、壁へ押し付けた。

驚いたように自分を見つめる女に、ここにいる理由、何をしていたのか、いくつか問いただした。

詠んだ通り、この女は変装したベルモットからあの男を引き剥がしたのだ。

だが、任務の失敗への怒りより、死人が出るはずだったこのエリアに華帆がいるのに対しての怒りの方が強かった。

ジンはベルモットに連絡すると、華帆の手を引き歩き出した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーNEXT

冬みかん🍊・2021-04-15
赤井秀一
ジン
黒の組織
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特別編
2








STRAWBERRY MOON
特別編
















嘘 5

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide


“…罪な女だな、”



“……華帆、”





PM5:40

目を開ける。

パーカー越しに身体に触れる布団をどけ、上半身だけ起こした。

いつの間に、彼の家に?

ここはよく知る赤井さんの家の寝室だ。


カーテンの隙間から見えるのは西日、…今は夕方だった。





エレベーターから降りたあと、私はジンさんに言われたとおりホテルの裏口へ行った。

悲しみのあまり、涙で前が見えにくかったのを覚えている。

涙を拭いながら歩いていて、前をちゃんと見ていなかったからか、私は男の人にぶつかってしまった。

怒鳴られたうえ、来いと言われ腕を取られた時、怖さと疲れが同時に来て気を失ってしまったのだ。


最後に覚えているのは、優しい温もりと、懐かしいニット帽だけだった。




記憶をたどり、導いた答え。
彼が私を見つけ、家へと連れてきたということ。

1階から聞こえる料理をする音。

今はどうしても、自分から顔を合わせることはできなかった。

逃げるように寝台から立ち上がると、華帆は隣の部屋、夜桜がいつも寝ている部屋へと入った。
この時間帯なら、夜桜は寝ている頃だ。



手すりを握り、部屋へと入る。

小さなベットからは規則正しい寝息が聞こえた。

側へ寄り、夜桜の小さな手を握る。

彼に対する裏切りと、一人の子供の母親でありながら最低なことをした自分に嫌気がさし俯いた。

ポツ、ポツ、と夜桜のベットにシミができていく。

『……ごめんね、』

こんな私を許して、夜桜。


握る手に力がこもってしまう。
それに反応するかのように手が動く。

驚いて夜桜を見てみると目を開けて私を見ていた。

夜「?」
『…起こしちゃってごめんね、』
夜「…マーマ、」

そっと不器用に頭を撫でられた。

赤井さんがよくやることを真似しているのだろう。

それが心地よく、夜桜のベットに顔を伏せた。

時が経つのと同じくらいに、私は眠りについた。



頭に乗せられた手が、いつからか夜桜のものではなく彼のものに変わっているのには気づかず、深い眠りについていた。













ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
AM7:10

『はぁ、はぁ、』

裏口に出た。

別れが辛いなんてわかってた。
でも、それを実感すると想像以上に心にきた。

止まらない涙を拭う。

彼が言ったとおりに真っ直ぐ大通りに続く道を歩く。
視界が涙でぼやけている。


バタッ


『っ、……あ、ご、ごめんなさい、』

前から歩いてきた男とぶつかってしまった。
衝撃で尻餅をつく。

男「チッ、ふざけんなよ!」
『っ、』

腕を掴まれ立たされた。

男「怪我したらどうすんだ?あ?」
『ご、ごめんなさい、』
男「…許してほしいなら、ちょっと来てもらおうか?」

気持ち悪く笑う男に足がすくむ。

いきなり、恐怖と疲れがやってきた。
息が詰まり、頭痛がする。

目を閉じたと同時に華帆は気を失った。


男「…気絶、したのか?…フッ」
一瞬戸惑うが、また薄く笑い華帆に触れようとした男。

せっかく会った女で少し遊んでやろう、そう思いパーカーに手をかけようとした。

だが、それは制された。

男は背中に手を回され身動きが取れなくなった。

男「な、なんだ、」
「……」
男「…ふざけんなよ、誰だてめぇ」
「…彼女の知り合いだ」
男「あ”?」

睨みを利かす男に動じず、赤井は言った。

「……消えろ、この場から、…すぐに」

男「っ、」

少しの沈黙の後、赤井の圧に耐えかねた男はその場を早足で去った。


男が行った先を見つめた後、赤井は壁にもたれ気を失っている華帆の前にかがんだ。

頬に涙の跡。
そっとそこに手を触れる。

「……君は、罪な女だな」

そう呟くと、華帆を抱え歩き出した。

『……あか、い、さん、』

呼ぶ声に足を止める。
彼女を見るが、眠っていた。

「……華帆、」

俺はどんな顔をすればいい。

信じていたかった、。
絶対に奴の所へは行かないと。

その望みは悲しいくらいすぐに砕け散った。


高望みはするべきではないな、と薄く笑い再び歩き出した。
彼女が本来帰るはずの自分の家へと。










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
PM5:35
NOSide

トン、トン、トン、トン

静かなキッチンに響く野菜を切る音。

華帆を2階の寝室に寝させた後、赤井は一人夕食の支度をしていた。


「……、」

不注意なことに包丁で指を切ってしまった。
幸いにも浅い切り傷ですんだが、慣れたことでミスをするのは珍しかった。

ずっと華帆のことで悩まされている。

何を思い、誰を想っているのかがわからなかった。


できた料理をテーブルに置き、華帆と夜桜の様子を見に2階へ上がった。


「……?」

寝室を開け首を傾げる。
華帆がいなかった。

廊下へ出ると、隣の部屋の扉が微かに開いていることに気づいた。

近寄り、中を覗く。

夜桜の寝る寝台。
側に彼女の影がある。

華帆はそっと夜桜の手を握り、俯いた。

『……ごめんね、』

そう言った彼女を見つめる。

心からのそれに、俺はその場に立ち尽くした。

声をかけることも、動くこともせず、夜桜のベットに伏せた彼女をただひたすら見つめていた。




華帆の友人、菜々から華帆が消えたと連絡がきたのは昨日の夜遅く。
菜々から蒼夜に電話が代わり、ホテルの32階で会ったのが最後だと言うのを聞いた。

どこへ行ったのか、GPSが示したのはパーティー会場とは別のホテル。
まさか、と思い防犯カメラを調べるが、運悪く死角で彼女の姿、一緒にいるかもしれない人物の姿さえ確認はできなかった。

相当厳重な警備の建物。
ただのそういうことをする為のホテルではなさそうだ。

もし組織の何かがあるのだとしたら、彼女は奴と、。

朝が来るまでホテルを見張り続けた。
だが、彼女は出てこなかった。

帰ろうと歩き出したとき、ホテルの裏口から物音がした。

様子を伺いながら近づくと、そこに華帆がいたのだ。




眠ってしまったのか、顔を伏せたまま動かない彼女に近づく。

夜「…とー、」
「……大丈夫だ」

心配そうに俺達を交互に見る夜桜に微笑む。

先程まで夜桜がしていたように、彼女の頭に手を置いた。

怒りなんかよりも、悲しみのほうが大きい。

裏切られたなんて、思ってはいない。
攻めるつもりなんて、尚更ない。

「…少し、待っててくれるか?」
夜「…」
夜桜は小さく頷いた。

それを確認し、華帆を抱え寝室に運んだ。


起こさないようにそっと寝かせる。

出逢った頃と変わらない幼い寝顔。
少し赤い頬に触れる。

「……華帆、」

俺はどうすればいい?

問うように口づける。

何度も、何度も、華帆を求める。


『…ん、…赤井、さん、』

薄く目を開けた。

目の前には悲しそうな瞳の彼。

「……起こしたか、」
すまない、そう言って身を離した。

顔を背けた彼。

私のせいでどれ程傷ついたのか。

最低な自分が嫌になる。

『……ごめんなさい、』
「…」
『…自分勝手なことして、…赤井さんを傷つけて、』
「……連れ戻した、…君はどこにも行かない」
『…でも、わたしは、』
言い終わる前に彼は私に口づけた。

『…っ、』
何も言わせない、そう言われてるかのようだ。

「…怒ってない、攻めるつもりもない」

ただ、華帆の本当の気持ちが知りたい。
それだけのこと。

「……君は、誰を想っている」
『え、?』
「…少なくとも、今の君の心には俺以外の男が一人いる」

そうだろ、華帆。

だから、拒まなかった。

一緒にあの場所へ行った。

あの男と、。



「……ジンと、会ったんだろ?」
『…っ、』

否定しないということは、俺の読みは当たっていたということだろう。

「…抱かれて、君はどう思った」
『…なにも、』
「嘘なんか聞きたくない」

顔を背けようとする華帆を押さえる。

それでも口をつぐんでいる。

揺らぐ瞳は俺を見てはいないのか?

「……華帆、」
『………っ、』

私を呼ぶ彼の声。
悲しそうな目で私を真っ直ぐ見ている。

吸い込まれるかのようなそれに、目を逸らすことなどできなかった。

「……拒まないと、俺はこのまま、」

私に覆いかぶさり、服に手をかけた。

『…、』
「…無理やりはしたくない」

傷つけてもなお、彼は私を見てくれている。

その気持ちに涙が零れた。

『っ、…赤井さん、ごめんなさい、』
「……」
『…私は、赤井さんのこと、傷つけたくなんかなかった、…なのにっ、』

自分勝手で、どうしようもない私は、やっぱり誰かを傷つけることしかできなかった。

目の前のことしか見ていなくて、周りのことを考えない。
最低な人間だ。


『…ごめんなさい、』
「……」

謝る彼女を抱きしめる。

謝ってほしいわけではない。

泣くところも見たくない。


すれ違いなんて何度もあった。
それを何度も乗り越えた。

彼女を誰にも渡したくない。

傷つけたくない。

……だから、俺は華帆を守りたい。


腕の中で泣く彼女を抱きしめる手に力を籠める。

「…正直、…信じていた」
『…、』
「…いや、違うな、……今も信じている」
『……』
「…君は、俺では不満か?」

その言葉に首を振る。

不満なんて、思えない。
思うわけがない。

『……私は、赤井さんがいい、』
「…」
『…赤井さんを傷つけて、悲しませて、それでも、私を思ってくれる赤井さんが、好き、』

その言葉は嘘ではないか?

揺らがず俺を見る瞳。

フッ、と口端が上がる。

「…その言葉、忘れるなよ?」
『…はい、』

「……夜桜の所に行ってくる」

彼女を求めるのは、夕食の後にしよう。

ただ、少しだけ求めても悪くはないだろう。

顔を近づけ、そっと口づける。

「……愛してる」

顔を赤くする華帆に微笑み、隣の部屋へと向かった。


部屋のドアが閉まる。

『……私も、愛してます、』

静まり返っている寝室に木霊する声。

カーテンの隙間から夕日が垣間見える。

窓辺に近寄り、夕日を眺めた。


『……ジンさん、…私は、貴方を愛せなかった、』

手すりにかけた手に一粒涙が落ちた。

私は、やっぱり赤井さんを…。


彼のことは、忘れない。
大切な人、深い意味などない。

ただ、1つの思い出として記憶に刻むことくらい許されるだろう。

それだけは許してほしい。



「…華帆?」

その声に振り向く。

ドアを開け、夜桜を抱っこしている彼が私を見ていた。

「…食欲はあるか?」
『はい、』
「夕食ができている。準備できたら来い」

微笑み頷く。

彼も微笑むと部屋から出て一階へと向かった。


服を着替えようとクローゼットを開けた。
黒いパーカーを出しそれに着替えた。

『…あ、』

姿見に目がいく。
遠くからでもはっきりわかる首元の赤い印。

赤井さんは何も言わなかった。
気づいていたはずなのに。

口をつぐむ。

引出しから絆創膏を取り出す。
首元の印を隠すように貼った。


『…行こ、』

寝室を出てリビングへと向かった。

向き合うことを忘れてはいけない。

私を一番に思っている彼を裏切ることなど、決してしてはいけない。


『…赤井さん、』
「…どうした」

キッチンに立ち、洗い物をする彼に近寄る。

包丁を持っていて危険だというのに、私は彼の手に触れた。

『…怒って、』
「……」
『…優しく許されるのなんて嫌、』
「……」
『……っ、怒って、』

手を揺する華帆を見つめる。

怒れるものなら怒ってる。
それをしないのは、。

「……反省、してるんだろ?」
『…、』
「…その気持ちで十分だ」
『…っでも、』
「…できない、怒れるわけないだろ?」

先程まで見えていた首元の赤い印。
気づかぬふりをしたそれに、今は上から絆創膏が貼ってある。

「…君は君なりに、反省の意を表している」
『…、』
「……冷めてしまう、夕食を食べよう」

俯く私の手を引き椅子へと座らせた。

目の前には出来たてのオムライス。

「…食べれるか?」
『はい、』
いただきます、と呟き、口にそれを運ぶ。

なぜだろうか、とても懐かしく感じる。

『…おいしい、』
「フッ、そうか」
夜「ん!」

笑う夜桜に二人で微笑む。

家族らしい、家族の時間。

私には本当に大切なものが、まだ見えていなかったのかもしれない。


















PM9:20

『…あれ、…スマホどこだっけ、』

お風呂から出た後、スマホを取りに寝室へと来ていた。

『…クシュン、』
まだ髪を乾かしていないからか、少し体が冷えてしまった。

風邪を引いてしまう。
スマホは諦め、先に髪を乾かそう、と思った時、

「…華帆?」

呼び声に振り向いた。

「どうした、」
『…スマホが無くて、』

どこやったんですかね、そう周りを見ている彼女。


髪に水滴がついている。

どこか儚い華帆をなぜだか不意に抱きしめた。

『っ、』
「…もう慣れたらどうだ」
『な、慣れません、』

顔を赤くする華帆がとても愛おしい。

求めるように口づける。

『んっ、』
「……もう、いいだろ?」
『え、?……わっ、』

急に彼に抱き上げられ、ベットの上へと寝かされる。

突然のことに驚きが隠せない。

そんな私のことを気にせず何回も口づけてくる彼。

『ちょっ、ま、待って、』
「無理だ」

先程まで抑えていた理性。

だが、こんな顔をされて我慢しろとは卑怯だろ。


…抑えられない。

彼女が、……華帆が欲しい。


覆いかぶさり動きを封じる。

『あ、赤井さん、』

欲情している瞳。

触れればすぐにわかる熱い体温。

彼の唇が私のに触れる。

「…俺は2日、待っていた」
『…っ、』
「足りない分、求める」
覚悟しろ、そう囁いた声を聞いた後私はゆっくり目を閉じた。

求めてほしい。
彼に、。


それから時間は過ぎていった。

私は尽きない彼と何時間も時を過ごしていた。















PM11:50

もうすぐ日付が変わる。

彼の腕に抱きしめられながら、私は呼吸を整えていた。

「フッ、疲れたか?」
『…もう動けません、』
「華帆が可愛すぎたからだ」
『な、』

胸板に顔を埋めてきた。

それに薄く微笑む。
火照っている頬に触れ、顔を上げさせた。

「…かわいいな、」
『っ、』

彼の言葉攻めにはどうしても慣れない。

恥しく、逃げるように布団を被った。

それに彼は薄く笑い、布団がかかる私の頭に手を置いた。

『…なんで、いつも優しいんですか、』
「…好きだからだな」

布団から顔を出し、俺を見つめる。


「…そんなに俺に叱ってほしいか?」
『…だって、』
「…叱る代わりに、俺のだと、君に植え付けているつもりだが、」

え、?、と顔を赤くした。

その頬をそっと撫でる。

「…俺はいつでも二人目の準備はできているぞ」
『なっ、』

そ、それは、一体、。

そんなのを気にするよりも先に彼から口付けられた。

「…フッ」
『…もう、』

からかい半分の言葉だったのだろうか。

扱いがうまい彼には到底敵わない。

「……まぁ、華帆がもう少し大人になったらな」
『…はい、』

彼の言葉に小さく頷き、重くなった瞼を閉じた。


「…おやすみ、華帆、」

額にそっと口づけ、赤井も眠りについた。


抱き合い眠る二人。

互いの想いは、変わらずそこにあるのだろう。

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冬みかん🍊・2021-04-24
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5

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