#瞼の裏の世界

誰一人、嘘を吐かずに

生きていける世界に＿＿

「君に会いたい」

それに理由は要らない


下半身麻痺になったって

手が豆だらけになってでも

車椅子を漕ぎ続ける


だって君に会いたいから


地球のどこに居たって

宇宙だって会いに行ってみせる


ずっとずっと

ずっとずっとずっと

車椅子を漕ぎ続けたけど

君に会えることは無かった


「なんで？どこにいるの？」

君は僕に会いたくは無かったのかな


そのまま僕は優しい光に包まれた

優しい光と“ハルジオン”のあの香り＿

眩い光の中に君がいる


「ごめんね。ずっと会えなくて」

「でも、やっと会えた。」

涙で目の前が霞んで見えた

“会いたかった”

そっと口にし抱き合った二人は

ハルジオンの香りに包まれて

灰となった。

今“目に見えているもの”が

存在するものとは限らない

“現実のもの”とは限らないんだよ。


瞼の裏に見えているものが

“目の前の事”だということも。

瞳を閉じて。

全て忘れてしまおうか、

何もかも。

未来予想地図には瞼の裏の秘密基地

瞼の紅色の花が死より輝いて仕舞うから

瞼の裏に任せよう

裏には裏

表なら表

それぞれの役割に任せたほうが身のためだ