君の”好き”と
私の”好き”が違うことなんて
とうの昔にわかっていたはずなのに、ね
今日も君に声をかける
”いつか振り向いてくれますように”
なんて僅かな希望を抱いて
「柚羅、おはよぉ」
のんびりとした声が私を呼ぶ
「月羽おはよ
また遅刻ギリギリだよ?」
と少しむっとすると
彼女は
「だって、道路に可愛い猫さんがいたから」
なんて相変わらず
のんびりとした口調で
言い訳を述べる
「はぁ、そんなんだから”のんびりさん”
なんて呼ばれちゃうだって」
そう、彼女ののんびりとした雰囲気や言動で
いつの間にか”のんびりさん”
なんて呼ばれるようになった月羽
当の本人は全く気にしていないようだけど
私はすごく腹が立った
だって私は___彼女が好きだから
「ん~、私は別にいいよ
どう呼ばれたって」
緩い口調を崩さない彼女は
そんなことを言いながら
こちらに微笑んだ
「柚羅だけは私の事
ちゃんと月羽って呼んでくれるじゃん?
それだけでじゅーぶんだよ」
嗚呼、彼女は私を沼に沈める天才だ
彼女の言葉を聞いて
私は改めて実感した
「ん、月羽のそういうとこ”好き”」
私は本心を告げたつもりだ
でも結果なんてわかっている
月羽はいつだって
「私も柚羅のこと好きだよぉ?」
なんて軽く言ってのけてしまうから
やっぱり彼女には
私の気持ちは届かないのかもしれない
︎︎ ︎︎
唯・2022-11-20 #”好き”の違い #小説風 #短編 #失恋 #片想い #同性愛 #結び目
