はじめる

#短編

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全459作品・



君の”好き”と

私の”好き”が違うことなんて


とうの昔にわかっていたはずなのに、ね














今日も君に声をかける




”いつか振り向いてくれますように”




なんて僅かな希望を抱いて














「柚羅、おはよぉ」





のんびりとした声が私を呼ぶ





「月羽おはよ


また遅刻ギリギリだよ?」






と少しむっとすると





彼女は





「だって、道路に可愛い猫さんがいたから」





なんて相変わらず




のんびりとした口調で




言い訳を述べる





「はぁ、そんなんだから”のんびりさん”


なんて呼ばれちゃうだって」






そう、彼女ののんびりとした雰囲気や言動で



いつの間にか”のんびりさん”



なんて呼ばれるようになった月羽





当の本人は全く気にしていないようだけど



私はすごく腹が立った





だって私は___彼女が好きだから







「ん~、私は別にいいよ

どう呼ばれたって」





緩い口調を崩さない彼女は



そんなことを言いながら



こちらに微笑んだ





「柚羅だけは私の事


ちゃんと月羽って呼んでくれるじゃん?


それだけでじゅーぶんだよ」






嗚呼、彼女は私を沼に沈める天才だ





彼女の言葉を聞いて




私は改めて実感した





「ん、月羽のそういうとこ”好き”」




私は本心を告げたつもりだ





でも結果なんてわかっている





月羽はいつだって




「私も柚羅のこと好きだよぉ?」





なんて軽く言ってのけてしまうから





やっぱり彼女には




私の気持ちは届かないのかもしれない







︎︎ ︎︎

唯・2022-11-20
”好き”の違い
小説風
短編
失恋
片想い
同性愛
結び目

誰か が 決めた

「普通」を 押し付けられて

本来 の 僕 は「普通」じゃない と

言われて 生きてきた

生ける屍 の 僕 に 、キミは


人 に よって 考え方 が 違う様に

普通 にも 私は 、

色々ある と 思ってるの。

だからね 、自分 の 思う 「普通」 を 

相手 に 押し付けて

「 貴方 は 、普通じゃない 」

何て 言うのは 、間違いだ と 
私は、思ってる 。 と 言った。


まるで 全てを諦めている 僕の胸の中を

見透かした 上での 発言の様で、

僕は 、ただ 、ただ 、

吃驚した のと 同時 に 

初めて 、人 に 

 僕
自分 と 言う 存在 を


認めてもらえたようで

肯定されたようで


嬉しかった。

我狼(小説垢)・2022-09-28
小説
短編
短編小説
解釈自由
花束を君に
不透明な僕ら
誰か
独り言
普通
枯れていた僕に
感想聞かせてください
メイト🎀
届け
生を吐き出す
100人突破





〔 珈琲は君の魔法味 〕





『よし、サインしてやろう』



「はぁ?」



俺のお気に入りのマグカップを



突然奪い取ったかと思えば



結弦はドヤ顔でそう宣言した



『ふふっ、心して聞くがいい


僕は将来的に有名人になる


そんな僕のサインが今ならなんと!


なななんと!


年会費無料!


さらにさらに…ッ』




「どこのセールスマンだお前は!」



お前のサインなんか要らんがな!と



続けて叫ぶ



「つかはよマグカップ返せ


コーヒーが冷める」



『ちょい待ちだ町田君


…あ、今のダジャレになってる!


凄くないか町田君』



「誰だよ町田って、俺は吉田だ」




『え、いつの間に改名したんだ?


もう町田君へって書いちゃったのに』




「生まれた時から俺は吉田だよ!


そして勝手に書くな!


しかも書いた上に宛名間違えんな!」




『まあいいか


町田も吉田も大して変わらん


あだ名がマッチになるか


ヨッシーになるかの違いがあるだけだ』




「もっと色んな違いあるだろーよ」




『……よし、書けた


初回特典でイラストも描いといた!』




「ああ、もうなんでも良いから


早く返して


コーヒー飲まなきゃ死ぬ」



カフェイン中毒めっ、と



謎に舌を出して煽ってくる結弦の手から



マグカップを奪還する



「うわっ、何これキモっ!」



ポットから珈琲を注ごうとすると



分厚い唇に団子鼻



左右非対称な目にダサい前髪



肩がやたら広く



センスの欠片も感じられない



いかにも安っぽいジャージに



身を包んだ男の絵と



バッチリ目が合った



結弦の奴、さっきこんなの描いてたのか



俺のお気に入りのマグカップに



どうしようぶん殴りたい




『町田君の似顔絵だ、似てるだろ?』




何故この状況でドヤ顔が出来るのか



褒めてくれていいんだぞ



とでも言わんばかりに



胸を張る結弦



どうしよう蹴り飛ばしてやりたい



絵のインパクトが強すぎて



周りはあまり見ていなかったが



じっくり見てみると




『町田君へ



初サインのプレゼント


Yuduru



追記

今日のジャージダサいね』




との文字も記されていた




「よし結弦、覚悟はいいな


歯ァ食いしばれ」



『お、落ち着け町田君!


鎮まりたまえ!』



「やかましい!」



結弦のミゾオチに



俺の右フックが綺麗に決まった



『ふっ……最早僕もここまで、か』



「なんで中ボス感出してんだお前は」



どう考えてもお前は雑魚敵だろうに




































__








































数日後



右フックと雑魚敵呼ばわりのコンボは



結弦に全く効果がない事が判明した



と、いうのも



彼はマグカップの件で



俺に激しく叱られたにも関わらず



懲りなかったらしく



あの日以来毎日の様に



俺の私物に無断で



サインならぬ落書きをするようになった















































「なんでお前


こんなに落書きすんだよ」



「落書きじゃなくてサインだ」



何故か呼び方にこだわる結弦に



じゃあなんでサインすんだよ、と



聞き直す



『魔法をかけてるんだ』



「魔法?なんの?」



『それはだな___』
















































































































「だぁかぁらぁ!


落書き!禁止!って!


言ったよなぁぁァ?!?!」




『………言ってなかった!』




「ドヤ顔で嘘をつくな!」




このやり取りも、今日で何度目だろう



定規や消しゴムなどの



チマチマとした文房具から



教科書や提出用のノートに至るまで



今や俺の学校生活必需品のほぼ全てに



結弦の落書きがある始末



注意しても注意しても



『いずれこの価値に気付くさ』



なんて言葉で返される日々は



ストレスが溜まるなんて



生易しいもんじゃなかった



『明日有名人になる僕に


そんな口をきいていいのか?』



「は?」



『ふふふっ、聞いて驚くがいい


僕は明日有名人になる』



お前とうとう頭おかしくなったのか



と言いかけて気づく



此奴がおかしいのは元からだ



聞いても意味は無いだろう



少し考えて他の質問を探し口にする



「どうやって?


YouTuberでも始めんの?


言っとくけどあれ


そんな簡単に


有名になれるもんじゃねーぞ」



『馬鹿者、YouTuberになんてならん!


僕はもっと確実な方法で


有名人になるのだよ


だからこれが、最後のサインだ』



俺のペンケースを手に取り



結弦は少し寂しそうに笑った



『何書こうかなぁ』



「なんも書かなくてもいいんだけどな」



『そういう訳にもいかない


………よし、書けた


じゃあこれ明日見てくれ』



「なんで?」



『僕が有名人になってから見て欲しい』



「訳分からん」



『まあ、いいからいいから』



何を書いたのか



俺には見えないように



結弦は俺のペンケースを



俺の通学カバンに突っ込んだ

























































__

















































『明日有名人になる』



その宣言通り



結弦は"有名人"になった












































「自殺ですってよ……」



「…あら、いい子だったのに」



「何か辛かったのかしらね」



「さぁ…」

















































































































『魔法をかけてるんだ』



『例え君以外の全人類が』



『僕の存在を』



『僕の生き方を』



『僕の魂を』



『忘れ去ったとしても』



『君だけは忘れられないのだー』



『の、魔法』























































__

































結弦が"有名人"になってから



十年の時が流れた



サイン
彼の「魔法」の価値は



今になってやっと分かる様になった





















『 最後のサイン



何を書こうか迷ったが


やっぱりこれに尽きる


魔法が効きますように



結弦





追記


君と過した時間は


中々楽しかった


ありがとう 』





























































































今日も今日とて



お気に入りのマグカップで



俺はコーヒーを飲む








『__町田君、町田君!』








「全く、俺は町田じゃねーっつの」



























君の魔法にかかりながら

綾瀬。垢変・2022-03-20
珈琲は君の魔法味
小説
短編小説
緊張
しすぎて
お腹痛い
ちょっとだけ
気に入ってる
独り言
友達
別れ
どんな未来が待とうとも
辛い
好きな人
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タイトル
センス
皆無
なのは
お気になさらず
(((
感想下さい
誰でもいいから贈り物して
愛と哀が相まって
短編
嘆きの13月

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〔 今世、愛言葉を探して 〕





『合言葉を決めておこうか』



「合言葉?」



『そう、合言葉』



『あと何千回生まれ変わったって


私はもう、この私にはなれないから』




「良いよ。どんなにする?」




『じゃあ、私が君に____』




















__

























緩やかに揺れる電車の中で



他にすることも無いしと



適当に今までの記憶を手繰り寄せる






犬に生まれた時は



変な男に飼われて大変な思いをした



でもネズミの時よりマシだったな



あの時は人に姿を見られただけで



命を狙われるんだから



たまったもんじゃ無かった



それでもまだ



マシだったんだと思ったのは



カメムシになった時だったか



思い出したくもないくらい



酷い目にあった



それでも君に会う為に



途中下車なんて



ただの一度もしてないよ







なぁ、覚えてるかい



あの日、初めてあった世界線



僕らが決めた"アイ言葉"を




























__























『合言葉を決めておこうか』



「合言葉?」



確かめるように問いかけると



君は力強く頷く



『そう、合言葉』



いつもの冗談なのか



暇つぶしの遊びなのか



はたまた何かの暗喩なのか



全く判断がつかなくて



返事に困っていると



君の命を繋ぐ点滴の雫の音が



聞こえてきそうな程の静寂が



病室内に訪れた



沈黙を破ったのはやっぱり君だった



『あと何千回生まれ変わったって


私はもう、この私にはなれない


それは君も同じ


君があと何万回生まれ変わったって


もう今の君にはなれない


だから、合言葉を決めておこう』



"だから"の意味は、


よく分からないけれど。



そう心の中で呟いた



「良いよ。どんなのにする?」




『実はね、私にいい考えがあるの


聞いてくれる?』



「もちろん」




『やった!


あのね、私が君に


何回生まれ変わりましたか?


って聞くの


それが、合言葉の合図』



「なるほど


僕はなんて答えればいいの?」



『それは君が今考えるんだよ


それで、私に教えてくれたら


合言葉の完成』




「えぇ、難しいよ」



『難しくても考えるの!』



「……んー、分かったけど


あんまり期待しないでね」



君のキラキラした瞳に負けて



合言葉の返事を考え始める僕を見て



君は満足気に微笑んだ
































__





























思い返すと君は



いつだって滅茶苦茶で



ちょっぴりワガママだったね



そんな所も好きなんだけれど






君の声を



君の匂いを



君の笑顔を浮かべていると



ガラガラと音を立てながら



電車の扉が空いた



終点に着いたようだ








さて、次は何になるだろう



出来ればカメムシ以外がいいな



欲を言うなら



人語を解した生き物がいいけれど



また"君"と会えるなら



何だって構いはしない



ふぅ、と深く息を吐いて



僕は"今世"への一歩を踏み出した
























__










































元気な子供達の声で目を覚ます



辺りを見回すとそこは公園だった



どうやら僕は



ベンチに座って本を読んでいる内に



眠ってしまっていたらしい






今世僕は希望通り



人間の男になれた





しかし、十八年経った今もまだ



"君"は現れていない




深いため息をつくと



先程まで他の子供達と



遊具で遊んでいた少女が近付いてくる





『お兄さん』



「ん?」



『1個だけ、聞いてもいいですか』



「え?良いけど……」



『あのね、お兄さん』















































『何回生まれ変わりましたか?』




















































「君に恋した数」






























君はいつかのように



満足気に微笑んだ

綾瀬。垢変・2022-02-28
今世、愛言葉を探して
低クオリティ
短編
小説
恋愛小説
純愛
生まれ変わり
小説もどき
嘆きの13月


にゃあと鳴いた

「雨がやまないな」

またにゃあと鳴いた





「ねぇ、君はどこにいるの?」

僕の手にはもふもふとした

感触が微かに残っている




にゃあ





僕を呼ぶ声が聞こえた気がした

雅楽代 夜雨・2022-03-31
夜に佇む猫は雨を呼ぶ
あま天
どこにいるの?
短編小説
短編
小説
ss


そう君は水が嫌い

だから、雨も嫌い


でも僕は小さな傘を君に掛けた


「もう大丈夫だよ」


にゃあ



ふと耳を澄ますと

君は返事をした気がした


あの"猫"だけは特別だ

君には僕の声が聞こえるみたいだから


唯一の話し相手だから

嫌われたくないんだ


ふと僕は


にゃあ



「どこにいくの?」


最悪な考えをした




「あぁ、君はどこにいるの?」



君が消えてしまうのではないかと

雅楽代 夜雨・2022-04-01
夜に佇む猫は雨を呼ぶ
あま天
どこにいるの?
孤独
気にしとくよ、猫((
短編小説
短編
小説
ss

棺に咲く向日葵


指に血が巡っていた頃


その黄色を食べた君は


太陽の味がする


と静かに微笑んだ


残りを宙に還そうとしたけれど


多くは海を彩って碧へと化した


尚 足掻いてひらひら舞う花弁を


私だと言って千切る姿は陽炎の向こう

嵺(無に近い低浮・2021-09-02
短編

「紗奈ちゃーん」


紗奈ちゃん


学斗は私をそう呼んだ。


本当は嬉しいくせに


本当は愛しいくせに


素直になれず


人目も気になって


いつも学斗にこう告げた。



「名前で呼ぶのやめてよ」



「なんでぇ?いいじゃん」



「よくないよ、もう子どもじゃないんだよ」


「紗奈ちゃんは紗奈ちゃんなのに変なのっ」



私は子どもだったと思う。


素直になれない子どもだった。


子どもだったら


もっともっと「紗奈ちゃん」


学斗にそう呼んでもらえば


よかったんだ。



~過去からの手紙~

第二話




「紗奈ちゃん」


懐かしい呼び名に


心臓が高鳴る。



振り返るとそこに居たのは


言わずもがな学斗ではなく



「館林」


その人だった。



私はもう、名前で呼ばないで、


とは言わない。



「どーしたのー?」


「今日空いてる?」


「うん」


「じゃあドライブいかない?」


「いいねー行く行く」



館林は、決して


イケメンというわけではないし


身長もさして高くはない。


失礼な言い方をすれば、


中の下と言ったところだろう。


だけど、滲み出る人柄の良さが


その顔から伝わる。


私は館林と会話するだけで


何故だか安心できたのだ。



忘がたい恋をした私にとって


館林はやっと出逢えた救世主だった。



定期入れの中に


そっと館林の写真を忍ばせている事は


佳奈美ですら知らない私だけの秘密だ。



「館林ー…」


「んにゃ?なんだ?」


「館林のおしり美味しそう」


「はい!?じゃあ食う?」


臀部をふりふり、私の無茶振りを


精一杯の力で叶えようとする館林に


私は、声を上げて笑った。





~過去からの手紙~第二話[完]

ひとひら☘☽・2021-12-06
幸介
幸介による小さな物語
~過去からの手紙~
短編
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別れ
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告白
片想い
過去
好き
好きな人
ポエム
独り言
消えたい
迷宮

帰り際、ふと、
三階の空き教室を見ると
儚げに外を見つめる人。

_また、今日も居た。

最近ずっと見かけるあの人を
僕は名前も知らない。

1日の間で1回だけ、帰り際、
三階の空き教室の窓辺で
見かけるしかないあなたを、
僕は毎日見ていた。

どこを見ているのかもわからない。
ただ、1点を見つめるあなたの瞳と
僕の瞳は交わることはない。


__


今日は卒業式。
僕はまだ卒業はしない。
先輩の見送りを終え、
帰ろうと思った時、
ふと、いつもの癖で
あの場所を見つめる。

あなたは桜の飾りを胸に
でも、他はなにも変わらず
いつも通り読めない瞳で
どこかを見つめていた。

次の日の帰り際いつものように
あの場所を見てもあなたは居ない。

その時気づいたんだ。
名前もクラスもなにも知らないあなたを
僕は好きになってしまっていたんだと。

__

僕は今日もあなたの居ないあの場所を
見つめている。

結命・2022-03-16
窓辺の憂い顔
タグお借りしました
短編
小説
卒業

キミの傍にいたいと思ったからさ


そのためにまずはキミを知ろう

そう思ったんだよ

そうしたらさキミの心

どれだけボロボロなの?

疲れすぎだよ、ダメじゃん

無理して傷つくんじゃなくて

無理して休まなきゃ

大丈夫だよ

ボクが手を握っていてあげるから

紫月花蘭@11月1日より無浮上・2021-11-11
覗く深淵、キミの憂い
タグ使わせて頂きました
短編
MinoHiraの小説その他


ずっと 考えてきたけれど

死にたがる 人間 に
かける 言葉 は 、見つからない

いつか の あれが

最適解 だったとも 思えない

あんなもの 脅し の ようなものだ

死にたくなるほど

追い詰められた 人間 に 対して

さらに 追い詰める 言葉 を かけた


「死んで 欲しくない」なんて

「こちら 側 の エゴ 」だ


死にたがる 本人の気持ち

を 無視している

そんなこと 考えず に 、
ただ 一言 「死ぬな」 と

声をかけられれば 、どんな に 楽か

でも 、俺 には できない


死にたがるほど 、

ないがしろにされてきたのに

最期まで 、ないがしろにする なんて

俺 には 、できない


死んで 欲しくない

でも 死ぬな とも 言えない


詰みだ



いつも 考えるたび 、ここで 止まる

その先 が 、 思い 浮かばない

もっと 時間 が 経てば
なにか 思いつくのだろうか

でも 今 の 俺 には 、わからないから

今度 遊び に 行った 帰り に

「次 どこ 行く?」 って 、聞くんだ


―――――――――――

寝る前 に 、「また 明日ね」

って 、言うんだ 。

それが 「 今 の 俺 の 答え 」

我狼・2022-03-29
答えなどない
探し続ける
独り言
死にたいと思ってる君に
長文
短編
小説風
不透明な僕ら
涙の音色が響く世界で

私、好きな人と両思いなの
ずっと一緒にいるし好きって何回も言われてきたんだよ
羨ましいでしょ

私、好きな人に片思いしてるの
貴方の好きは私の好きとは違うみたいでさ
哀れでしょ

貴方とお揃いの物なんて何個もある
でもそんなのもう要らないの

私は、貴方とお揃いの感情が欲しい

歩 楽・2022-02-05
同性愛
同性愛者
同性
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短編
短編小説
いっそのこと
きらいになってほしいかも
なんてね

館林は両手でハンドルを握る。


この間、バイト先の


先輩の車にも乗ったけれど


あの人は格好つけて


片手運転だった。


見栄の為に


片手運転をする人になど


何の魅力も感じない。


何故なら乗せている人様の生命を


軽んじる行為だと思うのだ。


笑みが零れた。


「ん?どーした?」


空気が震えたのを察知したか


館林は首を傾げて、


一瞬、私の笑顔を見つめる。


「ううん安全運転いいね」


そう言うと館林は照れ笑いで


こう言った。


「だって、ねぇ。俺の運転で死なれちゃ困るじゃん?」



~過去からの手紙~
第3話




「紗奈ちゃん紗奈ちゃん、手つないで」


幼なじみの学斗は小さい頃から


私の後をよく追いかけていた。


「もう、しかたないなぁ、学ちゃんは!転ばないように紗奈が手繋いでてあげるね」


「うん、ありがとう紗奈ちゃん」



未熟児で生まれた学斗は


私より一回り小さかった。


きっと、その小さな体で


子供だてらに社会に入り込むのも


心細かったのかもしれない。


私と学斗は暇さえあれば


とにかく手を繋いだ。



手のかかる同い年の弟のようで


とても可愛かった事を覚えている。


恋心がいつからか、なんて


思い出せない程…


絵の具が水に落ち


ふわっと広がるみたいに


心に溶け込んだ恋だったのだろう。



手を繋いで


小学校へも通っていたけれど


クラスメイトのからかいが原因で


小学二年の頃


私の方からやめてしまった



中学に入ると


学斗の身長はどんどんと伸びた。


あんなに小さかった学斗が


私が見上げるくらい大きくなった。


「学ちゃん」


そんな呼び方をしちゃいけないと思わされて


私はあの日、意を決したんだ。



「おはよう、紗奈ちゃん」


いつも通り、家の前で待っていた学斗は


玄関の戸を開いた途端


ぱたぱたと足音を


響かせて駆け寄ってきた。



「おはよ、学斗」


目は見れなかった。


それでも


腐れ縁。


学斗が


目を白黒させて


驚いていることが


わかってしまう。



いたたまれなくて、学斗と


門の間をすり抜けて


足早に学校を目指す。



「ねえ、遅れるよ」


そんな声だけを学斗に投げた。


「うん…」


学斗はあの瞬間


どう思ったのだろう。



「ねぇ、紗奈ちゃん…」


耐えきれないと言うように


沈黙に学斗の声が降り注ぐ。


「何?」


「なんで、学斗って呼んだの?」


「えー、だってもうこどもじゃないし」


「こどもじゃないと、呼び方変えなきゃならないの?」


「恥ずかしいし!」


「それだけ?」


「え?」


そこで私はこの日はじめて、


学斗の姿を見た。


そこに居たのは悲しそうで不安気な…


見たこともないような学斗だった。




「…逆にそれ以外、何があるの?」


学斗はいっとき、


押し黙ったままだったが


「そうだよね」


にこやかな笑顔をつくる。



学斗は私の


かすかな違和感を消し去った。



「行こ、紗奈ちゃん」


いつもと変わらず見える、


学斗の姿に安堵して


「ねぇ、紗奈ちゃんっていうのもやめて?」


「えー?やだ」


学舎へと歩んでいった。



2人並んで歩くあの道が


私は、大好きだった。


~過去からの手紙~第3話[完]

ひとひら☘☽・2021-12-10
幸介
幸介による小さな物語
~過去からの手紙~
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友達
好きな人
独り言
ポエム
強がり
フィクション
中学生

学生の頃
リゾートアルバイトをしていた苗場から
稲村ヶ崎まで
時間をつくって
彼女に会いに行った

江ノ電に乗って
江の島へ

陽が落ちる水面(みなも)にきらめく光
海面に向かって石ころを投げて

「君を愛している」と叫んだ

その晩は藤沢で呑んだ

最後の晩餐⎯

彼女は絵画の勉強のため
夢を諦めず

フランスへと旅立った

逢瀬・2022-05-11
最後の晩餐
短編
発表場所
ポエム

新しい道に差し掛かり


振り返らないと決めたって


ふとした時に感じてしまう


今は私の側にいない、


私の大好きな人の存在を。



「学斗……?」


白昼堂々、呟いた名に


ふいに込み上げた涙が


頬を伝った。




~過去からの手紙~

第一話




「紗奈ー」


佳奈美が私を呼んだ。


慌てて涙を拭いながら


振り返って笑顔を繕う。


駆けてきた佳奈美は


せっかく隠した私の涙を


いとも簡単に口にした。


「あれ、泣いてた?」


さすが親友。


普段のほほんとしていて


つかみどころがない子だけど


こういうところはあなどれない。



「泣いてないよ」


「紗奈は目赤くして泣くからすぐにわかるんだよ。嘘はよくないんじゃなぁい?親友の!佳奈美様に!」


テンポよく斬りこんできた、


佳奈美の口調に、


私は苦笑いを返し、呟く。



「やめよっかな」


「何を」


「館林への告白」


「え」


大学のカフェテラス。


学生カップルや友達グループの


笑い声が響く中


佳奈美は声を押し殺して


私の耳元に言を走らせる。



「一体!どうして!」


「えー…なんとなく?」


言葉と共に目まで反らした私の様子に


佳奈美は何かを察した様に


押し黙ってしまった。


沈黙に耐えきれず


今度は私が佳奈美の様子を窺う。



「何」


「紗奈、忘れるって言ったじゃない」


「だから、何を?」


「今考えてるのって…学斗の事でしょう?」


「……学斗ねぇ」



涙を堪えるように見上げた空は


悲しいほどに真っ青だ。




「違うよ。さ、行こ!」


物言いたげな佳奈美から


距離をとるように


私は大学構内へと歩み


また笑顔を繕った。




学斗……それはもう過去の人。



~過去からの手紙~第一話・[完]

ひとひら☘☽・2021-12-06
幸介
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