昨日
私の退院に合わせて
君のじっちが来てくれてた
今日
ばっぱを自宅に
連れて帰るためだ
じっちもばっぱも
私が君の家に帰ると
「おかえりぃ」
って迎えてくれて
じっちは自分が手塩にかけて
育てた花をたくさん切って
もってきてくれていて
ばっぱは
「元気になっていがった」
って泣いて喜んでくれた
3週間あの子たちが
お世話になったばっぱ
その間ひとりで
自宅を守ってくれたじっち
老夫婦にとって
お互いの姿が見えない毎日は
どんなに不安だろうか
出逢って間もない
私のために耐えてくれた
そして今日の昼下がり
見送りに出た私の手を握って
ばっぱが
「これなお守りさんだよ。
まるちゃんに悪いこと
起きねように一針一針
縫ってあっから
あんたは大丈夫だ」
って
ばっぱお得意の
お裁縫で手縫いした
まあるくて可愛らしい
お守り袋をくれた
入院生活ですっかり
脆くなった涙腺が
たやすく崩壊して
涙が止まらない
「先輩」
って
「また苦しくなっちゃうよ」
って私の肩を
優しく撫でるのは君。
君、わかってないよ
涙があふれて
止まらないときってね
優しくされると
もっともっと
涙が出ちゃうんだ
泣いてほしくないなら
放っておくといっちばん
早く涙は止まるんだよ
って後から君に
言ってみたら
「ひとりで泣かすの
嫌っすもん」
って駄々っ子みたいなこと言う
全く君はもう
泣くなって言ったり
泣かすの嫌だって言ったり
本当にしずね奴だ
でも。
私は君が
苦しくなるから泣いちゃだめ
って言ってくれたのも
一人で泣かせたくない
って言ってくれたのも
すごく嬉しかったよ
ありがとね