#綿菓子

その恋は


砂糖菓子のようでした。



綿あめのように


ふわふわで


砂糖人形のように


あまい恋でした。



一緒に居るだけで幸せで



一緒に笑い合うだけできゅんとして



好きだよと伝え合えたら



死んでもいいと思える程



深い甘味の恋でした。




ふわふわで



甘かったはずの恋…



たった一度のすれ違い



狂い出した歯車に翻弄されて



喧嘩して傷つけ合って



すっかり苦くなりました。




苦くなったら



大切だったものも見えなくなって



全部が偽りの様に感じました。



｢友達と遊びに行く｣



寂しかったけれど



笑顔で送り出せていたあの頃が



懐かしくて冷たい涙が溢れます。




シュガーな恋のキューピッドは



一体何処へ



飛んでいってしまったのでしょう。




秋の訪れ


ハロウィンのこどもたちも


手をつけないような…



苦い苦い恋になっちゃった



秋の終わりと共に


この恋は終わるのかな…






嫌だと思いました。



このまま終わらせたくないと思いました。




彼がとても恋しくなりました。




あなたは駆け出しました。




着の身着のままで



少しだけ肌寒かったけれど



そんなことは気になりませんでした。




ただ、彼を求めて駆けました。




苦い恋になってしまったけれど



喧嘩ばかりで



もしかしたらもう



うんざりされてしまったかもしれないけれど



それでもあなたの気持ちは…







弾む息。



仕事を終えた彼がとぼとぼと



歩いてくるのが見えました。




｢ー！｣



息も切れたまま


あなたは彼の名を呼びます。



彼があなたに気が付きました。



目と目があった途端、



あなたの目から涙が溢れます。




あなたは彼に駆け寄って



彼を見上げて、微笑みました。




伝えたい気持ちがあります。




本当の気持ちは何一つ




変わらないのです。





｢あなたが、好きです｣




ほら。諦めなくてよかったでしょう？



シュガーな恋のキューピッドが



あなたと彼をまた繋げましたよ。


HM企画テーマ:sugarな恋

思い出



一緒に出かけましたね

お祭りの日

ワクワク、ワクワク



綿菓子を買ったのよね

私は、綿菓子が大好きでした


貴方は、綿菓子を手に持って

座ってブランコに、乗っていました


私は、ブランコの前に立ち

揺れるブランコに乗った

貴方が、近付く度に

イタズラして

少しずつ、綿菓子を、ちぎったの

食べてしまうと

また、同じことを繰り返す


ねぇ……

あの綿菓子は

ピンクだったかしら？


それとも

白だったかしら？


白だったわよね？


私は、晴れ着の着物を

着ていましたか？


あれは

お祭りの日だったのでしょうか？

誓文払いの日だったのでしょうか？



色んな記憶が

ぼやけていく中で


あの楽しい

ブランコ・綿菓子ゲームと

貴方の笑い声は


心から

消えません



今も


私の、心の耳に残る

貴方の声


私の、心の目に映る

貴方の笑顔



私は、全部

消去しなければ

いけないのでしょうか？


でなければ

赦されないのでしょうか？



いつも

どんな時も

心の支えだった


あの

無垢な幸せの日々の思い出を

捨て去ることは

私には、辛過ぎて


鮮明な記憶を

消し去ることは

私には、難し過ぎて


困っています




近々に

私は

たった一本繋がった

糸を、はさみで切ります



でも

心に残った記憶は

消せないのですよ

どうしても……





*

とろけて

消えて

ふんわりと



それでもなお

愛おしい

甘くて溶ける様な

僕の恋は

綿菓子みたいな恋でした。

綿菓子のように


一瞬で溶けてしまうような


儚い恋でした。



貴方との日々は甘く


子供のような純粋さを


思い出させてくれました。





貴方のことが好きでした。


愛していました。






全てが過去形なのは


今という時間が過去となり


想い出という引き出しに


優しくしまわれたから。




これからも私は


貴方のことを想い出しては


涙を流すでしょう。




でも貴方が私を思い出した時


笑っていますように…。

私のホワイトラブ



ずっと

考え続けていました

私にとっての

ホワイトラブを


いろんなことが

あったけれども

今は、何も

思い出したくないの


思い出しそうになったら

慌てて、蓋を

押さえてしまう


何も、何も

知りたくなかったの


掘り起こしたりしてはダメ

思い出してはダメ



私は

何も知らない少女

笑い声が…

話す声が…

ちゃんと、ほら！

よみがえるのよ


ブランコに乗って

遊びながら

真っ白な

綿菓子を食べた


あの時こそが

私のホワイトラブ


今、それ以外のことは

頭の中から、消えてるの

不思議ね


このまま、思い出せない方が

きっと

とても、しあわせよ



今日、午後

少し横になった時

ふと貴方が、突然に

脳裏をよぎり

そして

イメージが鮮やかに浮かび

私は、手を差し伸べました


ドキドキしました

まるで

１８歳の頃の

目覚めのように



ホワイトラブ



これこそが

他の恋のように

決して汚れてはいかない

永遠の宝物だと

私は

今日、知りました




とても、しあわせよ



誰にも汚すことのできない

私だけの

ホワイトラブ

やっと

見つけたわ






フランソワ




*

「あの色の綿菓子食べたいな。」

そんなことを急に呟く君に僕は驚いた。

「あれはね、雲なんだよ？
食べれるわけないよ……」

僕は申し訳なさそうにしゃべった
その時。ある事を思い出した。

「はい！これで綿菓子の完成！」

僕は、空に棒を刺し、本当の綿菓子かのように君に渡した。

「ふふっ。ばかじゃん」
これで君は
笑顔になってくれたね

何が嬉しいのか

わかっているのね


具合が悪くて

お祭りに行けなくて

半べそで、寝ている私に

ふわふわの綿菓子と

サプライズのリンゴ飴🍎


こどもみたいに

私がはしゃぐのを

こころえていて


後に隠し持っていて

パッと、出す

甘くて美味しいね




フランソワ



*

もう二度と
君とあの綿菓子が
食べられないかもしれない

甘ったるくて
すぐに飽きちゃうあの大きな雲

甘い綿菓子の匂い
行列ができる屋台
あかりが灯る暗い夜道

賑わう人のなか貴女だけを探す
香が漂う近さに
貴女と同じ身長にあわせて
少し背伸びした。

嬉しさに笑みが溢れる。
あの大きな思い出さえも
一瞬にして消え去ってしまう。

貴女に会えない悲しみは
私の欲でしかない。

甘い物ほど
溶けるそれが恋だっけ？
口寂しいや
綿菓子を1つ
買っていこう

おじいちゃんが、亡くなって5年。






いつも私と遊んでくれました。


足の調子が悪いのにも関わらず、

いつもおんぶしてくれました。


幼稚園から、わざわざ遠い場所まで行って、

綿菓子を作らせてくれました。


笑ったら、シワシワになる顔が、

今、昨日ののように思い出します。


最後何故かおじいちゃんとうまく話せなくて、

冷たくしてしまったのを、

どれだけ後悔したことか。


入れ歯がはめれていなくて、

うまく聞き取れなかったあの言葉は、

なんて、言ってたんだろう。

なんて、伝えたかったんだろう。



おじいちゃんが作ってくれた、

｢ブランコと鉄棒｣

壊しちゃうんだって。


あれ作ってる時に、郵便屋さんが、

｢すごいですね！手作りですか！｣

キラキラした目でおじいちゃんを見てた。

少し照れくさそうだったおじいちゃん、

今でも覚えてるよ。


感謝してもしきれない。

ありがとう。

ありがとう。


大好き。


おじいちゃん、私後ちょっとで

受験生なんだ。

見ててね。

行きたい学校に行って、

憧れの先輩追いかけて、

自分の将来の夢掴むから。


見ててくれないと、

勉強なんてやらないんだから。



おじいちゃん、届いてますか。

一度溶けた綿菓子は

もう二度と戻らないよ。

一瞬で消える甘い雲

いいかげん、俺が綿菓子だってことに気付けよ!