翠・2021-10-16
翡翠色
ずっと隣にいた相棒と、
いつまでも一緒にいれるとは限らないから。
この広い世界で、
たった一人の、君を何度も思い出す。
世界から音が消えても、君の声だけは忘れたくないよ。
口に出すことの出来ない願いを、
ただ心の中で唱えてた。
演じて隠し続けた人の末路を、私は知っているのに。
今もまだ、ただ演じ続けてる。
結局、一人じゃ歩けない。
好いて嫌って、
救い合って傷つけ合って、
裏切って罵って、
慰めて愛想振り撒いて、
嘘を付いて騙して偽って笑って、
そうして人は生きていく。
ジーンズに無地の黒いTシャツ。
いつものパーカーにいつものイヤホンをつけ、
カバンを背負って家を出る。
変わらない日常。
変われない自分。
"僕"を捨てた日
あの日はまるで僕を嘲笑うかのような晴天だった
またあの頃のみんなで笑える未来があればよかったのに
思い出を全て捨てた
感情なんて有って無いようなもの
"僕"を捨て、"私"に成りきって
花びらは散った。
枯れ腐った。
全部壊れた。
また、私は演じる。
元気な花を。
美しいままに見えるように。
枯れ腐ったことを悟られぬよう。
奇跡は錆び付いていく
天才も運命も才能も人間が考え出した”言葉”であって、
それ以上でもそれ以下でもないのかもしれない。
これらはかなり曖昧な概念で、
多分使う人や状況によって意味がかなり変わる気もする。
そこに正しさはなく各々の認識があるだけのではないだろうか。
ただ、仕方ねぇなって笑ってほしかった。
どんな私でも、受け入れてほしかったんだ。
今度こそ全部投げ捨てた。
さぁ、演じろ。
優しい優等生のフリをし続けろ。
変わらない、"私"で在れ。