常ཽ磐ཽ色ཽ・2019-03-23
メモ
奇病
花咲病
【花咲病】
・病気にかかると一センチほどの小さな傷が体のどこかにできる。
・傷から三センチから五センチほどの花が生えてくる。
・紫は目、黄は喉、桃は体中といったように色によって咲く場所が違う。
・治す術はまだ見つかっていない。
「これを、君に」
想いを込めて選んだ花
照れながらもハッキリと
「好きです」の一言を添える
「…ごめん、なさい」
彼女は走り去っていった
手を下ろし落ち込む君を見て
「ごめん…」と一言呟く
「貴方が好きだよ…」
彼女もまた、涙をながした
その掌には花を咲かせながら
「…こんな」と小声で
「こんな私じゃ無理だよ…」
掌に咲いた花が増えてく
紫色のクロッカスの花言葉
"愛の後悔"の気持ちが増す
そして、花は何時しか散った
体から生えた花が散る。
その花は私を蝕んで養分を吸い取っていく。
憎くてたまらない私だけの花。
それでも、この花はとってもきれいで。
助けて
私の体に顔にあちこちに花が咲いて
もう目が見えないよ…
助けて…
君が見たい…
君と話したい
嫌だったこんな病気