#菜の花の軌跡

しんどいよって言えたなら

この夜も長く感じないのに

ふと空を見上げたときの

目の前に広がるあの空に

想いを馳せてみたくなる

そんな瞬間はありませんか


空を見るのが好き

初めましての君だから

この心に漬け込む視線が

今は痛くて堪らなかった

自分が死にたい時に限って

世界は一層輝いて見えるの

この秋は何だか肌寒いから

ぎゅっと布団を抱きしめたの

震える肩を抱きしめて

明日よ来ないでと願った夜

花を保存するように

心も保存できたらいいの

夜ってさ静かだから

心臓の音聞こえるね

震わせた肩に寄り添って

二人で夏の星を数えたね

焼けたんだ

何もかも

あの星のように

どうしようもない強がりは

木の葉にキスしてバイバイ

別に泣いてなんかない

ひこうき雲が揺れただけ

灯しそびれた心情を

慌てて覗いてみても

もうそこは空っぽで

死にたいと口走ったのは

辛い気持ちが空回りしたから

黄昏に溶けた君の面影を

誰かは探してくれるのかしら