アルペジオ・2022-09-10
短歌
誰かのクラクション
明け方の鳥の囀り聞きながら
紅茶の葉っぱがゆっくり沈む
また君は困ったように黙り込む
その優しさにこっちが困る
スマホに取り憑くお化けが泣いてる
神様に「依存はいかん」と諭されて
もう手遅れと泣きついた夜
幸せになれない呪いにかかってる
君の呪縛を解けずにごめんね
化け猫が今夜も月に問いかける
人になりたい欲が消えぬと
優しさの基準が皆んな違ってて
君のはとても痛くて泣いた
何も言えないほど泣いてしまうから
節目を卒業してゆく事実を刻むんだ
また元の位置に戻っただけなんだ
ある晴れた日の朝に目覚めて
洞窟に潜みし我は息をして
打ち付ける雨雨じっと見る
もう君を忘れたはずの私だが
足の爪先に好きが引っかかる
壁を打つ雨風の音大きくて
ニュースの台風がそこに来ている
キンキンの缶ビールなんぞ握りしめ
寒波襲来の震える夜
自分を見つける心まで
言ノ葉が風に揺れている
幸せを願う私は偽善者で
君に嫌われたくないだけの人