#開花する言ノ葉

貴方は僕の為に涙に蓋をして

大きな花を咲かせてくれるから

僕も涙を拭いて貴方に

笑顔で大きく手を振るからね

いつの日にか再び

私が私の花を

咲かせられる時が来たら


その時に隣に咲く花が

君でありますように

綺麗な花とはどんな花でしょうか

人の思い通りに咲けなかった花は

綺麗ではない花と判断されるのですか

貴方の棘にも気づけないようでは

貴方の痛みには触れられないね

貴方が花束になれるその時まで

私が貴方の傍にいてもいいでしょうか

私の想う花が貴方であるように

貴方の想う人が私でありますように

花束に選ばれなかった貴方と

人々の輪に入れなかった私

私たちが一緒にいたら

孤独からは脱出出来ますか

好きな人に想いを伝える勇気がなくて

私は貴方という存在に想いを託すの


“意気地がないのね”なんて

貴方は私に呆れるかしら

私が花束に選ばれたとしても

貴方は私だけを見てくれるのかな

貴方は花が好きな人だから

私は泣きたくなる程に心配になるの

君が握りしめた私


その手の中にある私には

棘が含まれていたとしても


君は私のことを

美しいと思ってくれるのかな

暗闇の中に咲いた一輪の花

その花には棘が見えている


傷だらけの僕に貴方の棘は

最早優しさのように感じるんだ

摘み取った花を抱えて「花束」なんて

自然の花はそれを望んでいたのだろうか

摘み取られた花の涙に気付けるものか

気付けていたら花は今も笑えていたかな

「貴方も私と同じになったのかしら」

水分不足の花は泣けなくなった僕を見て

軽蔑したように嗤ってるのでしょうか

仲間が出来たと喜んでるのでしょうか

時間を掛けて咲かせることが出来たのよ

それなのに予告なしの突然の雨

雨後に太陽が拭ってくれるかしら

“どうか、小雨でお願いね”

私はいずれ枯れていくけれど

まだ時期が来てないだけ


私に枯れたくない理由があるなら

それは貴方が心配だから


貴方が私を心配したまま私が枯れていく

私はそのことだけが心配なの