#零央くんへ

あの日 見上げた透き通った青空

今この時 見上げる鈍色の曇り空
　　　　　　　　ﾀｲﾖｳ　　 ｱﾏｸﾞﾓ
二人を包む僅かな希望を遮る絶望

少年の日に夢の欠片砕けても

再出発へ涼新たに天空は高く

遠き絶望はいつか希望の翼へ

溺れゆく渾沌と絶望の海の中

私の四肢が沈まぬ居所を捜す

記憶の破片に偲ぶは貴方の聲

一縷の希望へ導くは貴方の命

二人で眺めた 肌寒い四月の耀く満月
　　　　　　　
一人で眺める 春の宵に翳る下弦の月

貴方は"水月鏡花" 私の希望は絶望へ

運命が貴方と私を遠ざけて

恋に彷徨っても失くさずに

二人の“絶望を打ち消す希望”

天空が青く悠遠なるわけは

"絶望"の時見上げるために

星空が煌き悠久なるわけは

君の"希望"を見守るために

　　あの日 二人で眺めた透き通る海

　　今宵に一人眺める荒れた鈍色の海
　
　　希望の星の砂と貴方を失くし絶望

朝凪に"水天一碧" 二人歩く

希望の青色に溶ける空と海

絶望へ流れゆく 孤独の夏に

砂浜に辿る足跡 貴方は何処へ

いつの日か幸せになるために

貴方も私も生きているのだから

絶望に揺れる花が風に散って

希望の実が貴方の笑顔で実って

今宵の月は隠れて闇夜を漂う

希望の消失に絶望と空虚な心

所詮は退屈凌ぎの呼吸に疲れ

窓硝子に映る貴方も私も虚像

あの時 ただ窓辺に佇む君

希望の光り溢れる海を眺め

今この時 潮風に濡れる私

絶望を砕く波を待ち焦がれ