伊田よしのり・2024-12-16
ポエム
動機
ねるねるねるね
つまり、
重要なのは
「誰が練ったか」ではなく
「なぜ練ったか」なのだ。
クリスマスのために製造された、ねるねるねるね。恋人たちのために、カネボウが製造した。
そのねるねるねるねが、お菓子売り場の棚であなたを呼んでいる。
あなたはその呼び声を、無視できるだろうか。
これからの時期
練るときには
火の取り扱いに
要注意なのだ。
色が変わらないと
あなたは言うが
それはきっと
何かの
練り間違いなのだ。
高速で移動する旅客機の中でねるねるねるねを練っても、色が変わる速さは同じだ。この現象は、相対性理論で説明できるのだというが、僕には難しくてよく分からない。
君は、オーロラを見たいと言った。
でも君は、ねるねるねるねの色の変化には、見向きもしない。
オーロラを見に行かなくても、君が望むものは、そこにあったのだ。
ネルネの恋占いは
色が変われば成就するという
単純すぎる内容だ。
そんな簡単な占い
子供以外は
信じない。
色が変わらなかったことよりも、
むしろ、
練らなかったことのほうが重大なのだ。
お酒をやめたら、体調が良くなった。
その反面、ねるねるねるねの色があまりにも鮮明に感じられるので、僕には眩しすぎるのだ。
私は、練りかねないのだ。
練 り か ね な い の だ 。
実は、ねるねるねるねを練っている時、ねるねるねるねも私たちを練っている。ただ、その量があまりにも微小なので、私たちは練られているという事実に気づかないし、気づかなくても、問題ないのだ。
彼女は引き止めたが、彼の決意は固かった。彼はもう、一人でねるねるねるねを練ることに決めたのだ。
練り急ぐことはない。
僕は自分のペースで
―しかし、着実に
練ることにしたのだ。
練り続けていれば、色はいつか変わるだろう。
理想の色かどうかは、別問題として…
練ることを拒もうと思えば、色の変化は諦めなければいけない。
あなたはそろそろ、練るか練らないか、決めなければいけないのだ。
練ることを忘れて夢も見ず眠っている時がいちばん幸せなのだ。