ほっぺ・2021-08-28
記憶の削除
ほっぺ闇
あなたが逝く時に
なぜ私の記憶も
持って行ってくれなかったの
あなたとの幸せな日々
あなたがもういないのなら
忘れてしまう方がまし
あなたと出会ったことさえ
無かった方がまし
お互い出会うために
この世に生まれ出たのなら
決めごとに突き動かされる
運命の2人だった
それも最初で
最後なら
忘れるのに
時間はかかるはず
もう会えないのに
もう会えるはずもないのに
それでも諦めきれずに
夢の中でも
あなたを探す
なぜ出逢うの
別れるのに
なぜ叶いもしないのに
本気になって
永遠があると信じるの
なぜどうにもならない
言葉にも出来ない
胸の内の叫びを
押し殺して
鎮まるのを待つしかないの
どうして
幾つになっても
慣れない
溢れ出す嗚咽のような叫びを
いつまでも
いつまでも
気づくと持て余してる
くの字に曲げた身体から
悲しみの雫が滴る
いつ何処へ
どうやったら
この深い霧の闇から
抜け出せるというの
その行き止まりを
冷ややかに見ている
私が傍観者
知らずに足が向く
その先に
包んでくれるものが
あるのなら
包み込まれたくて
深夜には
思い出に浸り
流れない涙を流す
お前は笑った顔が
可愛いよ
本当なのか嘘なのか
本気にしてる私は
今でもあなたの好きだと
言ってくれた
笑った顔をする
ふとした拍子に
迷宮の扉が開く
そこには泣き腫らした
私がいて
あなたが抱きしめて
くれている
苦しくて苦しくて
泣いて泣いて
あなたはただ黙って
抱きしめてくれた
私に
闇があるなんて
誰が信じると
思う
過去なんて
どこかへ
捨てて来たんだもの
闇の欠片の微塵も
纏っていない
あの頃と
別人に
なったんだから…
悲しいことも
寂しいことも
乗り越えてきたから
もう何も怖くない
でも
あなたが愛した
顔も名前も知らない
あの人のことを
思うと
途端に
暗闇から抜け出せなくなる
何よりも
my wife と
そう紹介して
欲しかったから
静寂が独りを包み
どうしてだろう
涙が溢れる
君を想い
君の温もりで
まだ溢れているこの肌に
傷をつけたくなる
もう永遠に
君に会えないのなら…
青空の中に
溶けて消えたい
暗闇の中では
寂しすぎる
消えて何処へ行く
そう願っても
いつか消えていながらも
その輪の中にいたくて
そこで傍観しているから
闇の中に
敢えて
いたい日がある
膝を抱えて
顔を伏せて
涙も枯れたような
無気力な夜
それも
また血の通う
人という
生き物だからこそ
書いてどうなるものでもなくて
それでも
書きたいと思う
疲れたのなら
すぐにでも寝てしまえばいいのに
好きな人を想う
言の葉を綴る
どうしようもない執着
呆れるほど
震える心
抑えられず
両手を広げた
優しき人のところへ
行きたいと願ってしまう
あなたも苦しみの中で
独りだったの?
今 私も独り
星のあなたに聞いてみる
もうあなたのところへ
連れて行って
お前にはたくさんの愛を
あげたよ
だから
まだまだ
生きられるはずだよ
人は生まれる時も
逝く時も
独りだよ