#パーカッション

先生の指揮で
先輩と一緒に演奏してた時は
それが当たり前だと思ってた
あの日々がどれだけ幸せだったか
今になってやっと理解した

貴方にまだ僕は話しかけても大丈夫ですか？

才能なんかいらない
自分自身の努力で
天才を超えられるくらい
上手くなる

あなたのキラキラした笑顔に
あなたの輝く才能と努力に
導かれるように
私はこの場所を
この楽器を好きになった

大好きだからこそ
ずっと憧れてきたからこそ
追い抜きたい人

力強くて明るくて
でも優しくて心地良い
そんな先輩らしい音が
世界で1番好き

誰になんて言われようと
｢パーカッションに入ってよかった｣
これだけは言いきれます

中途半端な気持ちを捨てないと
絶対いい音なんて出ない

たくさんの打楽器と人で
溢れていた音楽準備室
5人いたパーカッションも
4人、3人、2人と少なくなっていった
前よりずっと広くなったこの空間は
寂しさによってできた私の心の隙間と
同じなのかもしれない

今はまだ先輩みたいな演奏も出来ない
それでも私は諦めない
先輩の仮引退の間に
たくさん楽器に向き合って
努力して
先輩の引退式までに上手くなる
先輩を驚かせる
安心して引退してもらう

私には打楽器の才能なんてなかった
それでも
先輩の演奏してる姿がかっこよくて
誰よりも輝いて見えたから
どうしても追いつきたかった
だからここまで頑張ってきた
ここまで頑張ってきたから
最後に先輩の隣に立てた

私はあなたの音に恋をして
打楽器を好きになりました
あなたの音が世界で1番大好きです

打楽器にしか出来ないことがある
それを証明してみせてくれたのが
先輩の音だった

悔しくて苦しくて
それでも必死に
打楽器に向き合ってきたあの頃は
絶対今の私に繋がってる
そう信じてる

先輩達と一緒に出場した
初めてのアンコン
あの演奏でもダメだという
吹奏楽の世界の
厳しさを知った
初めての挫折を味わったあの日から
私はずっと
1年後の
二度目のアンコンを目指してきた
大好きだった顧問の先生に
次のアンコンを託されて
一緒に出場した先輩達が引退して
気がついたら
あの日から1年が経っていた
あっという間だった
でもこの1年間が
私を強くしてくれた
もう私は
先輩達7人の後ろを
ついて行くだけの
足を引っ張るだけの
ただの後輩じゃない
初めて本当の意味で
吹奏楽を知ってから1年
ずっと見続けてきた舞台で
もう二度とあの時みたいに
後悔しないように
今の私の全力をぶつけて来ます