墓標新詩0156
『みんなひとりぼっち』
凪いだ海に
月が映る
ひとりぼっちで
寂しいと言わんばかりに
馬鹿を言うなよ
みんなひとりぼっちさ
お前だけじゃない
みんなひとりぼっちさ
太陽もこの風も
俺達人間が果てる時も
凪いだ海に
月が映る
納得いかない
表情で
そらんぢ堂・2025-08-06 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0135
『かごんま』
最近話題に
事欠かない
君が住む
鹿児島
想いを残した
南の地
トカラに霧島
そして桜島
心配ばかりで
有難くはないけど
火砕流下る霧島や
黒い噴煙上げる桜島
せわしなく画面を
切り替えつつも
泣き虫だった
君へと
想いを馳せてしまう
どうしたって
あれから
強くなったから
もう大丈夫だと
言った君は
きっと今も
悲しい顔してるんだ
空になれなかった
僕を許して
そらんぢ堂・2025-07-06 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0154
『無へと還る魂』
それは泡沫のように
弾けて散った
私より先に
無へと還った幾多の魂が
私と巡り会う事は
決してないけれど
今は安らぎにも似た
永遠に溶けて
思考さえ赦されない
理の中で
優しい眠りに
就いている
きっとそれこそが
唯一の慈悲なんだろう
そらんぢ堂・2025-08-06 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0149
『大丈夫』
大丈夫
君の足跡
僕の足跡
きっと
ちゃんと
残ってる
誰知らずとも
風すら残らなくとも
この場所に
だから
安心して
無に還れるよ
日記のような
君の証と
言葉遊びの
僕の戯れと
大丈夫
君の足跡
僕の足跡
きっと
ちゃんと
残ってる
そらんぢ堂・2025-08-02 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0159
『この星の欠片』
波によって
削られ運ばれる砂は
この星の欠片
だとするならば
土へと還った
先人達の
欠片でもあるのかも
小さな小さな
ひと粒達が
その魂の
記憶を閉じ込めて
悠久の時を超え
形を変えた愛しきもの
凪を迎えた
その一瞬には
どうぞゆっくり
語り合って欲しい
そらんぢ堂・2025-08-09 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0143
『居心地のいい場所』
今の僕にとっての
居心地のいい場所は
とても少なくて
だから大切に
守りたいけれど
反面では既に
その気力は消え失せて
多分最後の
居心地のいい場所が
消滅するその瞬間を
ただぼうっと
見送るんだろうと
容易く想像出来てしまう
そしてその時は
決して遠くはないのだと
そらんぢ堂・2025-07-23 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0164
『最期の言葉だけ』
明日を生きる
人の言葉は
もう
要らなくて
逝く者の
言葉だけ
集めて
包まれて
いつかの深淵に
揺蕩っていたい
最期の言葉が
一瞬だけ
最大限に
輝くのを
私は既に
知っているから
今はただ
見送って
そしてまた
あの場所へ
そう
遠くないうちに
私が行った
あの場所に
そらんぢ堂・2025-08-26 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0157
『眠れずに迎えた朝』
眠れずに
迎えた朝は
どうしていつも
同じ景色なんだろう
回らない頭
吐き出す煙
梨と薄荷の
フレーバー
早起きの
鳥の声
東京に向かう
長い列車には
既に結構な
人の影
憂鬱さだけが
支配して
爽やかさを忘れた
朝の空気に漂う
虚しい今日が
また始まる
そらんぢ堂・2025-08-08 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0152
『薄荷と林檎』
夕暮れになって
ようやく出てきた蝉が
けたたましく
鳴いている
明日はこの街も
40℃の予報
窓から流れゆく
私が吐いた水蒸気の煙
薄荷と林檎の
フレーバーほのかに
相変わらず
何も刻めなかった
今日を振り返りもせず
家路を急ぐ人々を乗せた
長い長い列車を
ただぼうっと見送った
そらんぢ堂・2025-08-04 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0137
『誰かの夢の中』
小糠雨
真夜中
濃密な
雨の微粒子
街明かりが
青い世界を作る
季節さえ
見失う
此処はきっと
誰かの夢の中
私は生かされている
その中で
私は生きている
その中でのみ
そらんぢ堂・2025-07-16 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人 #病み期
墓標新詩0151
『また一つ』
誕生月が来た
また一つ
歳をとる
意味が見出だせない
そんなままの加齢
多分いつまで経っても
迷い道のまま
それでも
おめでとう
なのだろうか
分からないけれど
おめでとう
病を押して
頑張るあの人に
もう歳をとれない
星になったあの子に
そして生かされ続ける
黄泉帰りの私に
そらんぢ堂・2025-08-03 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0155
『裏切りの予報』
今から1時間ほど前に
スマホに届いた豪雨予報
たちまち黒い雲が
湧き出して
雷鳴が少し遠くから
響き始めた
今か今かと
待ちわびるも
気付けば
我が家の周りだけ
見事にかわして
通り過ぎた嵐
暑さ負けの
頭痛だけ残した
裏切りの
豪雨予報
吐き出す煙草の煙も
どこか所在無さげ
もうすぐ友達の
夜が降りてくる
けれど止まない
憂鬱が
空調の風に乗り
渦をまく
そらんぢ堂・2025-08-06 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人
墓標新詩0139
『何故に哭く』
風が鳴き
夜が泣き
海も哭く
何かが動くのか
何かが変わるのか
巷は
お祭り騒ぎの
結果に釘付け
だのに何故
君は哭く
だのに何故
我の心は泣く
分かってるさ
判ってる
我らの道程は
何も変わらない事
ほんのこれっぽっちも
変わらない事
君が哭き
あの人も哭き
私は俯瞰で
それを眺めて
そしてやはり
泣いて哭くの
そらんぢ堂・2025-07-20 #詩 #新作 #墓標 #墓標新詩 #アーカイブ #そらんぢ堂 #そらんぢ #元空を仰ぐ人