[淋しさが残る冬と新たな出会いの春]
第8章 最終話
※ ノンフィクションです
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「3月19日 水曜日」
「卒業式当日」
「新しい出会いを期待する」
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榴凪「なんか実感湧かないね」
優架「そうだね…」
卒業式当日も私たちはいつも通り
予行だと思っていた
希音「もうさ、会えないのかな?」
茉莉「なに言ってるの」
榴凪「高校でも絶対会えるから」
希音がそんな不安を抱いていた中
私は一人とある人を思い浮かべていた
(凌羽は元気かな…?)
榴凪「優架?」
優架「ん…?」
肩を揺さぶられて目をやると
榴凪がこちらを覗いていた
榴凪「ぼーっとしてたよ?」
優架「あぁ…考え事してたんだよね」
卒業式の日にも思い浮かぶとは
思いもしなかった優架は
少しだけ胸が苦しくなった
希音「今日の打ち上げいく?」
茉莉「私は行けないんだよね」
榴凪「最後の時間だもん 行くよ」
優架「私も行こうかな」
茉莉以外はみんな行く話になって
解散が21時っていう話をしてた
榴凪「優架 門限大丈夫?」
優架「あとでお母さんに聞いてみるよ」
ー最後の旅立ちの会
榴凪「3人とも写真撮ろうよ」
『いいよ!』
茉莉も希音も好きな人と写真を撮って
にやにやしてた
榴凪「にやにやしてる笑」
茉莉「そりゃあ嬉しいじゃん!」
茉莉と希音はルンルンの状態で
最後の分かれ道で分かれた
(いいなぁ…好きな人とか)
優架は"好きな人"っていう存在が
羨ましかった
(私もほんとだったらいたのかな…?)
凌羽のことを思い出す度に
涙が溢れそうになる
榴凪「…う…かっ」
榴凪「優架っ!」
優架「ん?呼んだ?」
榴凪が大きな声で呼んでた
榴凪「今日の優架変だよ?」
優架「そんなことないよ」
考え事をしてるからなのか
周りの話が全く入ってこない
榴凪「ずっとぼーっとしてるし…」
優架「…大丈夫、大丈夫」
榴凪に心配をかけないように
大丈夫の言葉で誤魔化した
榴凪「やっぱりまだ引きずってるんじゃないの?」
優架「……」
図星だった
榴凪「修学旅行で泣いてたのも好きだったから?」
優架「榴凪に言われてあのとき気づいた」
榴凪「一人で舞い上がってたのは嬉しかったから?」
優架「そうだよ…」
これ以上思い出話も凌羽のことも
話して欲しくなかったけど
榴凪の口は止まらなかった
榴凪「じゃあさ…またあの時みたいに傷ついた?」
優架「…っ!」
榴凪に聞かれたとき"傷ついてない"って
即答できなかった
優架「…傷ついた.」
榴凪「そうだよね 見ててわかったよ」
榴凪にはなんでもお見通しだった
だからなのかもしれない
優架「え…?」
榴凪「全部表情に出てた」
榴凪が一番頼りになるし尊敬できるし
隠し事が出来ないのは榴凪だから.
優架「榴凪の言う通りにしてればよかったかな」
榴凪「優架の気持ちで動けたならよかったよ」
榴凪は肯定だけして否定しなかった
私の意見をちゃんと聞き入れてくれて
"言う通りにしていれば"って声はかけなかった
優架「榴凪が親友でよかった」
榴凪「私も優架が親友でよかったよ」
榴凪「高校でもっといい人見つけて
結婚まで行っちゃえ笑」
優架「スピード早すぎでしょ笑」
そんな笑い話をして私たちの卒業式は
涙もあったし笑いもあった
最高の卒業式になった
🤍_𝙚𝙣𝙙_🐈⬛
─────────あとがき─────────
ノンフィクションで書かせていただきました
卒業式から2日ほど過ぎてしまいましたが
卒業までの流れを書いてみました
※名前は仮名となっています
卒業した皆さん
ご卒業おめでとうございます
新しい春に向けて頑張ってください!