#心の傷

消せない記憶は

全てを蝕んで

楽しかった思い出も

哀しみに変えて

僕から全てを奪い去った

心の傷がレントゲンに写ったり
可視化されなくてよかったと
割と本気で思ってる

もし傷が浅かったらきっと周りから
『この程度なら貴方はまだ頑張れるよ』
『もっと傷が深い人もいる』
『自分だけが辛いと思わないで』
『甘えないで､そんなんじゃ生きていけないよ』
なんて言われてたに違いないから

どれだけ「嬉しい」を重ねても

「苦しい」は残っていくものね

雪もいつかは溶けるけど

この傷が癒えることは無い

苦しい記憶というものは閉じ込められないね

封じてしまったらあの頃の私は泣くでしょう

慈しむ

心の傷を癒すのではなく
痛みを和らげて労っていく
優しい手当てが出来るのは
他の誰でもない
わたし自身

水面に浮き上がるように思い出す心の傷跡を

手の中で弄ったのは消えて欲しかったから。

あのとき踏み出せなかった一歩は

踏み出したかった一歩でもあった

時間は過ぎ去っても

心は残されたままで

踏まれた心を手当てできるような

君にとっての絆創膏になりたかった

望んでいた普通は枯れちゃって

誰かと私の差は育ってしまった

空を見上げていたはずが
水たまりが映す空に
夢を見ていたなんて

僕と君はいつの日にか手を繋いで

共に生きられると思っていいのかい

大切な言葉たちを

削ってしまいたくなくて

性別とか、トラウマとか、

そういうものがなかったら、

もっとこの恋を肯定的に

思えたり、楽しめたのかなって思う

そう考えたら、ちょっと悲しいかな

そう思う自分もいるからさ

付き合い方、向き合い方、難しい


僕は僕のままで、恋をしていたい

それが本音ではあるんだ

12/12　第2部