#悲恋

こんなに苦しい現実なら

いっそ夢の方が良かった

星を繋げると
星座になるように




あなたと手を繋いでいられたら
愛になったのかな。

悲恋の結末を迎えるために

君に恋したんじゃないよ

どれだけの時が経っても

君を忘れられないだろう

【恋慕】






























勝手にドキドキして





























勝手に期待して































勝手に嫉妬して































勝手に苦しくなって







































































もう、好きが抑えられない

少し苦かったコーヒーも

少し甘かったココアも

味が思い出せなくなった

酷く寂しい孤独な人生で

あなたに唯一の恋をした

小説　リップ・キス

１話　プレゼント・リップ















昨日俺は世界で1番愛しい人を失った

原因は俺が喧嘩の種を

撒いてしまったことだった

ほんの些細な出来事がこうも大きく

膨れ上がってしまうとは思わずに

俺は｢帰ってこなくていいよ｣と

喧嘩の延長で思ってもないことを

吐いてしまったんだ















彼女はいつも笑っていた

料理に失敗した時も

仕事に遅刻しそうな時も

俺が悪いことをした時だって

ずっと、すっと笑っていたんだ


そんな彼女の笑顔が

この世の何よりも大切だった

そして何よりも守りたいと

俺自身の心の中で誓っていた















そう思ったきっかけは付き合って1周年、

クリスマスである20××年12月25日


俺が初めて彼女が欲しいと願ったものを

プレゼントした日だった















いつもは｢一緒に居てくれればいいの｣と

物欲を示さない彼女が｢リップが欲しいな｣

なんて、上目遣いで

じーっとこちらを見てくるものから

俺は張り切って少し高いブランドの

彼女が好きそうな色と香りの付いたリップを

綺麗にラッピングして贈った















プレゼントを贈ると

こんなの準備しなくてもいいのにと

困りながら喜んでいる彼女が

今回は中身を知っているにも関わらず、



｢え？！かわいいー！！｣


｢毎日使うねっ！｣


｢あ、でも高かったよね？！」


｢やっぱりたまににする…！｣


｢ありがと！大好き！｣




なんて、百面相を俺に向けながら

次々と言葉を並べてバタバタしてる彼女が

面白くて可愛くて、

思わず吹き出してしまったことを覚えている















それからウィンドウショッピングをして

｢ツリー大きいね｣

｢イルミネーション家でもやりたい｣

などとごく普通の話を幾つかした

その最中も時々リップを見ながら

「ふふっ」と微笑む彼女が愛らしくて

どうしても気になっていたことを尋ねた





いつもなにも欲しがらない彼女が

“リップ ”を選んだ理由を

どうしようもない苛立ちを
誰に言う訳でもなく


甘いカクテルと一緒に飲み干す。

すごく
退屈な酔い方。


ばかみたいで
笑える。

笑いながら
泣けてくる。

想いを
弔うように

一つ一つ
大切に
丁寧に
消していく。


せめて
燃える炎だけは
綺麗であって欲しいと。

どうか、他の子を好きなあなたを
好きになってしまった、
私を許して。

私がどんなに努力したって
私がどんなにいい女になったって
あなたは私を見てくれないでしょ？

手遅れなのは私だったのね

何処にいても、どのような姿になっても

お前を愛す事を誓うよ。


『俺はもうお前から離れない、離さない』


永久に。。

目を閉じて
あなたを想い浮かべて眠る夜は


どうしようもなく
寂しくて


どうしようもなく
逢いたい。

こんな小さな世界で
思いを綴るのは

誰にも言えない想いを
誰かに気づいて欲しいから。


あなたに届いて欲しいから。


祈りに似た

密かな願いを込めて。