#想封手紙

星々輝く満の月夜に

君を攫いに向かうから

覚悟して待っててね

伝える思いは尽きていて

願いなど君に言えぬまま

実る気配のない恋など

想うだけしんどいと

足を抱え蹲った

秋に置き忘れた鞄

このまま冬へと渡りきれば

君が迎えてくれるかもと思ったり

画面いっぱいに笑う君の笑顔に

優しい顔して嬉しくなったら

今度は画面外の僕が泣く番だ

知らない君がいて欲しくなくて

僕に依存するほど愛して欲しくて

恋よりも深い愛が欲しくて

そんな黒い感情が黒い闇へと誘った

君を知りたくなくて背を向けたの

君の話なんて聞きたくないから

好きになんてなりたくなかった

でも私の人生

君に彩られてしまったの

暗夜に消えそうな灯火が

君の笑顔でまた煌めいて

君と離れることが怖くて

まだこの暖かい手を離したくなくて

きゅーっと手に力を込めれば

＂どうしたの？＂と柔く笑う君

＂なんでもないよ＂と手を離した

後ろ姿に一目惚れ

いつか話せる日をと

その場から去った

君の手元に咲く想いが

私宛の願いでありますように

赤に包まれた秋の森に訪れて

君のいない世界もいいなと感じた

君を思い出して泣ける夜は

星を描いた空を称えるのも

いい考えだと思うんだ

消えていく赤い夕日が

君見たく掠れていって

君はここにいないのに

夕日が見えないほどに

涙が次々に流れ落ちた