はじめて触れた指先
優しくてほんのり暖かくて
抱き締めたら
どんなに幸せになれるかな
久しぶりの柔らかい笑顔の前に
そんなことは到底言えなくてさ
月ヶ瀬 燈理・2022-08-30 #空の青さに染まれぬ僕等 #止まったままの秒針 #ひとりぼっち #恋 #愛 #ポエム #片想い #独り言 #好きな人 #大切な人 #辛い #苦しい #消えたい #死にたい #叶わない恋 #先生 #失恋 #タグお借りしました #学校 #嫉妬 #今宵の糸を抱いてさ、 #楓のおすすめ投稿
今思えば私の元カレは
最高にいい男でした
2つ上の兄のような存在の彼は
私がランドセルを捨てて1年経とうとしていた春に想いを告げました
恋愛のれの字も知らなかった私は
好きって何?なんて馬鹿みたいな質問をしました
それでも彼は順を追って説明してくれたのです
彼は言いました
深く考えないでこれまでみたいにそばにいてよと
ただ少しだけ俺のことを多く考えてと
私はこの少しの意味を理解してなかったのです
私は部活に青春を捧げたような女でしたから
高校生になった彼よりも部活を優先していました
優しい彼は応援してくれました
私の第一の後悔です
私も高校生を経た今だから言えるのですが
彼の貴重な高校時代の青春を奪ってしまったのです
私と付き合わなければ彼はもっと青春を謳歌できたのではないでしょうか
そう思うと私はやるせなくなるのです
彼とはたくさん遊びに行きました
彼はあえてデートという言葉を使いませんでした
いつも遊びに行こうと彼が誘ってくれました
私はいつでも頷くばかりです
彼は私の優柔不断な性格を知っていましたから
手を引くのは彼の役目でした
私はその手を引かれる心地よさに甘えすぎていたのです
これが第二の後悔です
彼は幾分大人になるのがはやかった
きっと私が子供だったから
私が足踏みして子供に拘っている間に
彼はさっさと大人になろうとしていました
彼はバイトをはじめました
バイトを頑張る彼は今までのように笑う彼とは違う人間に見えました
彼がはじめて出たバイト代で買ってくれた誕生日プレゼントはすごく可愛い腕時計でした
私の宝物なのです
しかし電池が切れて止まってから違う腕時計を使い始めました
第三の後悔はしょぼく聞こえますが自分の中では重要です
ある日は私の好きな映画を見ました
彼は慣れない恋愛映画に少し気まずそうにしていました
ある日は勉強を教えてもらいました
私専属の家庭教師はとても教えるのが上手です
ある日は彼の気になるイベントに行きました
全然わからなかったけど彼が楽しそうなので楽しかったです
ある日はプールに行きました
彼の前でなる水着は少し恥ずかったのです
彼はいつも車道側を歩きました
彼はいつもうんうんと優しい顔で私の話を聞くのです
彼はいつも可愛いと嬉しそうに言います
ただの道も公園もマクドも彼が絡むと思い出と化します
彼との思い出はこうも簡単に思い出させて色褪せずに私の心を彩るのです
第四の後悔は彼との思い出が豊かすぎることでした
受験生の夏
彼から別れを告げられました
曖昧な関係は終わろうと
私はあまりにも突然で状況が掴めません
だっていつものように出掛けてたくさん笑って
私がその時考えたのは彼がいなくなることへの恐怖でした
彼は微笑んだまま言うのです
このままじゃ嫌な男になってしまうからいい男の間に終わりたいと
どういう意味でしょう
当時の私にはわからなかったのです
これはお付き合いじゃなかった
これからもいいお兄ちゃんでいさせてと
私は泣くことさえできなかった
最後まで彼をいい男にできなかった
これが第五の後悔です
彼と別れて高校生になり
一度お付き合いするもたった2ヶ月で振られ
季節は巡り私は成人しました
彼はとっくにお酒の飲める年齢なんだと実感します
世の中には偶然ってものは確かにあるらしく
私は本物の大人になった彼に再会しました
軽い事故にあい体や顔に擦り傷を作っていた私をみて
彼は見たことないような顔で駆け寄りました
この傷のせいで彼との感動的な再会は彼のお兄ちゃん精神をくすぶる結果になったのです
まだ動けない私の隣に座り彼と久しぶりに話しました
思い出話を笑えるほど私達は大人になっていました
彼は私の考えを見透かしたかのように言いました
俺をはじめての彼氏でいさせろよと
私は彼にとって私は忘れたい人間だと思っていました
お付き合いじゃなかったから彼女だったと名乗ることも許されないと思っていました
そんな気持ちを汲んだのか彼は言うのです
俺は何も残せなかったかもしれないけどはじめての彼氏だったと言わせてほしいと
私はすぐに否定しました
彼は私にとってとても大切な人だと
私は欠落人間で恋愛感情かはわからなかったけど彼が私の人生において重要で大切な人間であることは間違いなかったのです
それにと私は続けました
思い出がいっぱい残ってるよ
こんなに語れるほどの思い出を残しておいて何も残せないというのは腹立たしいものです
彼は嬉しそうにはじめての彼女になってくれてありがとうと言いました
彼はその後車で私を家まで送り届けてくれました
彼は言いました
可愛くなったね
私も言いました
いつでもかっこいいね
彼は言いました
こんないい男逃したこと後悔しろよ
私は思いました
もう後悔ばかりよ
まな・2022-08-27 #言ノ葉、ふわりと #ノンフィクション #私の元カレ #大切な人 #どうか元気で #海を眺めて #止まったままの秒針 #此処に終わる #夏の青さを哀で染めて #空の青さに染まれぬ僕等 #消え入りそうな僕の本音は