閖紗莱・2024-03-02
気まぐれ語り屋さん*
泡沫の蒼と白*
~茨の道と迷路の森~
_《 第一章:はじめまして 》_
最初は「変わった人」
ただ、それだけの印象でしかなかった。
遡ること数年前の4月
私はある学校の入学式を終えた。
最近は桜が散るのが早いらしい
この日もまた、青葉にまぎれたピンクが見える
中途半端な桜が新入生を迎え入れていた。
私がきみを初めて知ったのは
登校初日の自己紹介だった。
名簿の若い順から自己紹介を行っていく。
どこも変わらない何の変哲もない自己紹介。
まずは担任が手本を見せる。
『このクラスの担任になりました。
長谷川 真木(ハセガワ マキ)です。
専任教員1年目なのでわからないところ
できないところも多いかもしれませんが
がんばります。
皆さんの名前をすぐに覚えられるような
強烈な自己紹介、楽しみにしています。』
ホワイトボードに自身の名前を書き
自己紹介をする担任は
さり気なく難易度を上げる。
そんな物言いが出来るのだから
大分慣れているのではないかと思うが。
担任はその後、
生徒に言ってほしい自己紹介の項目を
板書し始めた。
ホワイトボードには
『 名前 』
『 この職種を目指そうとした理由 』
『 趣味 』
の三点が書き出された。
担任の長谷川は最低この3つを述べるよう
口頭で説明をした。
やっと始まった自己紹介。
合計30人弱程の少ないクラスでは
自己紹介の回りも早い。
真ん中あたりの私でさえも
何を言おうか言わまいかと
1番目からヒヤヒヤとし
まともに自己紹介すら聞いていなかった。
それなのに、
今でも覚えている自己紹介がある。
私の数番前の男の子である。
『 僕の名前は
富田 夢海(トミタ ユウ)です。
趣味は写真を撮ることで、
よく山や川、海へ撮りに行きます。
過去に山へ写真を撮りに行ったときに
雪崩に巻き込まれ、
危うく死にかけました。
あのときは本当にびっくりしました。
今生きていることが奇跡です。
この職種を目指そうとした理由は
病院で働く相談員さんに
憧れたからです。』
緊張している素振りを見せず
さらりと笑いを誘う強烈なエピソードを
語っていた彼。
私の中での印象は『変わった人』
ただ、それだけでした。
などと考えている間に
出番が回ってきた。
『 私の名前は
新田 茉莉(ニッタ マツリ)です。
趣味は写真を撮ることで
よく花や空などの風景写真を撮ります。
この職種を目指そうとした理由は
昔に参加したボランティアでの経験です。
誰かの力になりたいと思い
目指すようになりました。』
それとなく言葉を並べ、
無事に終えた自己紹介。
その後も淡々と進み、授業は終わっていく。
皆帰路につき、本日は終了。
私の学校生活はこれからがスタート。
今からが、本番。
卒業後無事国試が取れるよう
勉学に励むのがわたしの役目。
がんばらないとだな、
なんて思っているのも束の間で。
この後に、ひとつやふたつで終わらぬ事件や
出来事が次々に訪れることを
当時の私は知りませんでした。
また、それがすべて
とある奇跡に繋がっていることにも。
____________________
読んでいただきありがとうございます。
とても拙く、単なる日記のような
文書で申し訳ありません。
あまり文章は得意ではなくて(
〝小話〟
また気まぐれに語るかもです。
単なる自己満足ですので。
~茨の道と迷路の森~
《第2章 大まかな流れと好きな人 前編》
私の好きな人はきみです。
「 好きになった人がタイプ 」
という言葉があるけど
私の場合は本当にそうなのかもしれない。
俳優、漫画のキャラ、ドラマのキャラなど
いろんなところで『人』というものに
触れるけれども、私の「好きな人」は
それらで『好きになる人』とは
関係がないみたいだ。
俳優で好みやすい人は
塩顔のクールなイメージの人や
丸顔でメガネの似合う人、
女装が似合う人などばかりで、
他人と違って少し変わった傾向であると思う。
また、役柄で好きになり
「推したい」という俳優さんも多くいる。
だから、そういった人が私の好む、
好きになる人なのだろうと思っていた。
しかし、現実は全く違ったみたいだ。
推しと好きな人は違うとは
よくあることなのだろうか。
そんなことはわからないが、よく聞くもの。
つまり、
『恋は、いつの間にか落ちているものだ』
というものに関しては納得をしよう。
身を持って経験してしまったのだから、
否定しようがない。
事の始まりは、ちょうど2年前。
現役の学生をやっていた頃。
わたしはある友人に関しての揉め事を起こし、
さらにはその友人がさらなる揉め事を起こす
という最悪の事態の中に居た。
結論として言うなれば、
元から「合わないな」と
思っていたこともあり、絶縁に至ったが。
正直言うとそれまでが辛かった。
一度関わりを持ってしまった相手を遠ざけ、
別の友人と関わることが
世間で言う『いじめ』となってしまい
問題となってしまうのではないか。
私が本音を言ったところで
どうせ泣かれて
その後改善されないのならば
言う意味などないし、
私が声を荒らげる必要性もない。
もういっそのこと
学校すらやめてしまえば楽なのだ。
ただでさえ苦手な人間関係を
より複雑化させるのならば、
やめてしまえばいい。
そんな勇気などないのだけれども。
それならば、
心を閉ざして過ごせばいい、
誰にも興味関心を求めず
心地の良さすら求めなければ、
表面上だけは。なんとか体裁を保てるだろう。
当時はそんなことを考えていた。
馬鹿らしいけど。
そんな中、クラスの代表を務めるきみが
救世主のように現れた。
『僕で良ければ相談しにおいで』と
連絡先を交換してくれ。
きみとのトーク履歴は毎日、
相談や愚痴、他愛もない雑談で
埋め尽くされていった。
そんな毎日が私の生きがいで支えだった。
最初は強く見えた背中も
今では影で努力し続けて
頑張ってきたからの姿なんだなと思えるし、
≪無敵みたい≫って言ったことに対して
『ほんとはこー見えて弱いのよ?笑』
ってきみが言ってた理由が
今ではちゃんとわかるし、
そんな弱いところを支えたいなって思ってる。
きみがいるから、学校が楽しかった。
きみに会えると思うと
憂鬱な気持ちも吹き飛んだ。
《行きたくない》よりも
『君に会いたい』が強くなった。
今思えばきっと、
垣間見えるきみの素の姿に
見惚れ惹かれていっていたんだと思う。
ある時席が前後になり、
学校でも話すようになってきた。
特にグループワークで。
毎日対面ではないが、
話していたこともあり1番話しやすくて、
話してて楽しくて、思わず
盛り上がってしまったときがあった。
そんなときにはきみの友人らがきみに
私と『付き合ってるんじゃないか』
『違うならそーしてみたらどうだい』
『好きなの?』なんて言葉かけられたって
聞いたときには驚いた。
きみとの仲良しが周知されたと思って
少し寂しくなったりもした。
同時に、私の気持ちがきみに届いて
嫌われるんじゃないかって
不安になったりもした。
それでも、プリント回すときの
きみの反応が可愛くて本当に好きだった。
渡しに振り向くときに
ほぼ毎回両手ちょき出して
ハサミのように動かして
『ここに挟め』と言わんばかりに
ニコニコとして楽しそうにしてる。
そんなきみだから
私は好きになったんだろうな。
きみはよくオールをしていたね。
なんでオールをしていたのか
理由を聞けども『眠たくないから』
とよく答えていた。ほんとに馬鹿だと思う。
ほんとに早よ寝てくれと思う。
ほんとに、無理だけはするな。
そんな思いからきみと夜電話をし、
「目標は、深夜0時に寝ること」
なんて目標決めて
ふたりで目標の時間に寝るように
がんばったね。
そんな日々がずっと続くんだと思ってた。
続いていてほしかった。
きみをひとり占めしたいなんて
思ってしまったんだ。
__________________
読んでいただきありがとうございます。
長かったですか?あっという間でしたか?
それは皆さんの読むスピード感によって
違うとは思います。
私も当時の時間の流れは遅かったです。
嫌なこと、つらいことは
どうして長く感じてしまうのでしょうか。
本当に困ったものですねぇ。
この話は実体験を元に書いております。
言葉が拙いため上手く伝わらない部分も
多々あると思いますがご了承ください。
前回出てきた人物名に関しては
完全なフィクションですので
実在はしません。
物語は実在しますが(ややこしい)
この先の展開は今回のように
日記帳のようになってしまうかもしれません。
自分は小説風はあまり向いていないようで、
とても時間を使ってしまうため
こちらで進めてしまうかもしれませんが、
ご理解いただけると助かります。
できるのならば、小説風もしてみますが、
どうなるかはわかりません笑
何か質問等がございましたら
受け付けておりますので何なりと。
NGがあるかもしれませんが、
ご了承ください。
~茨の道と迷路の森~
《第2章 大まかな流れと好きな人 後編 》
『 友人と好きな人が被ってしまった 』
よくあるシチュエーションですよね
でも本当にあり得る話なんです。
実際、私がそうでしたから。
きっと、漫画や映画の主人公たちは
悩み苦労しながらもいとも簡単に
仲直りでもしてしまうんでしょうね。
ですが私は、元通りは望みませんでした。
友人が彼を好きだと知ったときは
実習の帰り道でした。
初めての実習で唯一の2人の実習先
ほかは3人が基本なのに。
そこで私は友人と同じであった。
学校最寄りから徒歩数十分
その道を友人と歩いていた。
友人の幼少期からの友達が
友人に『好きな人出来たんでしょ?笑』
『昔から見とるでなんとなくわかるよ笑』
『誰が好きなん?』
などと聞いているのを
学校で度々見かけたが、別に興味はなかった。
他人の色恋に興味を向ける余裕など
その時の私にはなかったのだから。
少し遡るが、
友達が友人に質問攻めをしていた頃
私は彼とよく連絡をしたり電話をしていた
そして、相談を受けていたりもした。
彼には彼女がいた
高校生のときに交際を始めたそうだ。
きっかけは周りからの声だそう。
ホントか嘘かはわからないけれど、
彼が彼女のことを好いていないのは知っていた。
好き嫌いといった単純な感情というより
彼は、恋愛感情を持っていなかった。
『次、デートの予定が立ってるんだけどさ
多分そこでフラれると思う。
なんとなくそうわかってはいるけれど
やっぱり不安だし怖いよね。』
って弱音を吐いていた。
案の定、彼はその日別れを告げられたらしい。
『やっぱりふられたよ
わかってはいたけれどなんか悲しいね
好きでもなんでもなかったはずなのに
どうしてか、心に穴が開いたみたいな
そんな喪失感がある。
けれど、君がいるからか
不思議と安心できる。』
そんなことを口にしていた。
彼は誰にでも優しい
嫌いな人にでもできるだけ平等に接している
けれど顔には出やすい
誰にも頼られる、頼りがいのある人だけれど
彼が頼る人はそう居ない
頼られはするけれど、頼るのは下手な
そんな人だった。
クラスで見る彼は優秀でかっこよくて
指揮を取るのが上手でパソコンを使いこなせる
ピアノも上手で、彼の周りには人が多い。
そんな彼の本当の姿は誰も知らない。
本当は弱くて、それを隠すための仮面が
彼の完璧に見える姿であることを。
何度か言葉を交わし
何度か通話を繰り返し
彼の素顔が少しずつ見え隠れしてくる度
私は彼に惹かれていった。
自分でも気づかないうちに
恋という沼にハマってしまっていたらしい。
気づくのは少し遅かったと、
そう当時は後悔したが。
今ではそれも良いタイミングであったと
ある意味の奇跡であったと思っている。
時間は戻り、友人との帰り道
公園に寄り、ベンチに腰掛け話をしていた。
そして、
恋心を自覚し始めた頃の私は
友人から彼が好きであるという話を
聞かされているのであった。
何かを助けてもらったことがきっかけだと
そう言っていた気がしたが
もう忘れてしまった。
好きという感情はどういったものなのか
私には理解できないものだと
そう境界線を引いていたかった
けれども、
『その感情はわからない』というよりも
「そうだよね、わかる」といった
共感の感情しか出てこなかった
この時点で好きなんだと、薄々気づいてはいた。
そして友人に
私も彼が好きかもしれないということを伝えた
友人は驚きながらも『お互いがんばろうね』
そう声をかけた
そして私に
『もし恋心かどうかわからなかったら
いつでも相談してね!聞くから』と。
恋心を確信しきれない私がまだいた当時、
私は友人に恋愛相談を少しずつしてみた。
しかし、段々と
友人の彼に対する感情丸見えの行動に
白い目で見るほど嫌気が差してしまった。
正直見ていて気持ちが悪い。
なんというか、漫画で出てくる
ぶりっ子キャラというか。そんなような
『アピってます!』感が出すぎてて
見るに耐えなかった。
正直彼も引いていたんじゃないかと思う。
今聞いたとて覚えていないと思うけれど。
一方私は、
友人に恋愛相談をする≒弱点を見せる
そう感じ始めており、友人に対して
半信半疑になっていた。
そして、徐々に距離を取るように。
彼とはよく連絡も取り、電話もしていた
好きや可愛いなどと言った言葉も
言ってくれていた。
だから心のどこかでは両想いなのではと。
私を選んでくれるのだろうと
そう思っていた。
一度だけ、当時彼に告白をしたことがある
電話で、しかも彼が眠たそうなときに
ふわふわした声で今にも眠たそうな
そして、"覚えていないであろう"ときに。
答えは聞かなかった。
ただ言いたかっただけだったから。
タイミングは悪いと思うが
失敗しても覚えていなければチャラだろうと。
そんな浅はかな理由。
勇気のない私にとっては好都合だった。
案の定きみは覚えていないようだった。
悲しくも残念にも思ったが
失敗していたらと考えると
覚えていなくてよかったとも思った。
そして、わずか数週間後
いつの間にか彼は
友人と付き合うことになっていた。
彼から『付き合うことになった』と
そう直接伝えられたとき
彼の顔を直視できなかった
彼の顔を見たら泣けてしまいそうだったから
「なんで私じゃないの」
「今までの言動は嘘だったの?」
「あぁ、私は遊ばれていただけなのか」
「どうせ叶わない恋だったんでしょ」
「こんなに好きなのに、大切なのに
今までみたいに話せなくなるのかな」
そんなことを考えて、口走りそうになる
泣くのを我慢して震えそうな声を必死に隠して
『おめでとう、よかったじゃん!
前から好きだったの?
どっちから告白したの?
ちゃんと彼女大事にしなよー』
笑顔を心がけて、これが今の私の精一杯。
ひきつった笑顔だったかもしれない。
そして当時あまり気にしてはいなかったが
彼の表情は笑顔というより
「申し訳ない」そんな悲しい表情であった。
何かを必死に隠し通すためその決断したのだと
後に気付かされたのであった。
_________________
追記であとがきを書かせていただきます。
これは実体験を元に書かれています。
ここに出てくる彼とは
私の現在の彼氏のことです。
当事者である彼が続編を
とても希望されているため
私は最後まで頑張って書こうと思います。
彼が生き続けたいとそう思う理由の1つに
なれたらいいなとは思います。
そうはならなくとも彼の楽しみの一つにでも
なれたらいいなと思っています。
彼も実体験を元に日記小説を書いています。
見ている方もいるかもしれませんが
彼は心臓病の中でも難病を抱えています。
そして、余命宣告もされています。
しかしながら彼は
何食わぬ顔で日々の生活を
精一杯送っています。
本当はいつ倒れてもおかしくないほどなのに。
辛く苦しく今にも投げ出したいような
そんな状況下にいようとも彼は
命尽きるそのときまで
一生懸命生き続けたいとそう頑張っています。
私はそんな彼を心から応援し、尊敬しています。
『彼の心の拠り所になれたら』
そう出会ったときから何度も思っています。
実際、なれているのか
負担になっているのかわからないですが
それでも、彼の生きがいの1つに
なれていたら私は嬉しいです。
彼のことが大大大好きで、大切ですから。
彼が居ない未来など想像したくありません。
居る未来しか想像できません。
なので
私は彼と一緒に暮らしたいです((急