浅黄・2025-06-14
自由
世界をひとり占め出来る早朝
この時間僕は誰の物でもない
誰が破ったのか
金網の外は広くて
行き交う人も 車も
ビルの明かりも
美しく見える
こんな小さな穴からだって
僕を魅了する世界
僕もいつかは この網の向こうに
久々に来た海は雨模様
流した涙は何時かは
自由になるのだろうか
霞みかかった水平線に
しばらく 忘れていたわ
ルージュの 色を 鏡の前で 選ぶ わたし
洋服を 着替えるように 気分を まとい直すの
あなたに 気に入られるために ではなくて
ただ 今日の わたしが 少しでも
『なりたい わたし』 に なれるように
『自由な わたし』 で いられるように
たとえば
「行く」の命令形は
「行け」…
しかし
「練る」の命令形は
「練れ」?
練れ、とはあまり言わない。
つまり
ねるねるねるねは
人に命令されて練るお菓子では
ない。
自由に練ってこそ
ねるねるねるねの色は
変わるのだ。
ねるねるねるねには
別にペナルティはないのだ。
色が変わらないという
結果を
受け入れる覚悟があるなら
練らないのも
個人の自由なのである。
あなたは...
あなたが...
あなたの...
あなたへ...
あなたに...
あなたと...
あなたも...
あなたを...
"あなた"に続く先には
貴方(貴女)への綴(つづ)るものが
思いは自由
続く先の綴(つづ)りに
ひとりに なるのも
たまには いいわ
だって いろんな ことが
おもしろいくらい はかどるんだもの
ひごろから やりたかったことが
どんどん かたづいてゆくわ
あなたが おじゃまむし とは
いわないけれど ね
私には
自由意志はあっても
もはや
選択の自由はない。
練る…
それしかない。
それしか、ないのだ。
自由に練ることが許されると
人はなぜか
練らなくなってしまうのだ。
自由に羽ばたいてみたら?
もっと自分らしく
もっと我がままに
出来そうで
出来ない
社会の仕組み
どれだけ飛んでも
カゴの中
それでも飛びたい
私の心…
私たちには
選ぶ自由があるのだ。
ソーダ味か、ブドウ味か。
では、その中間の色は?
そんな色は存在しないし
そういう質問はしないという
約束なのだ。
思想の自由は
日本国憲法で保障されている。
しかし
練り方の自由についてまでは
あの魔女は
言及していないのだ。
鼻腔を擽る硝煙の匂い。 ジクジクと痛む体 指先からどんどん体温が奪われていく。
約束を破ってしまう俺のことを、きっとお前は怒るだろう。
それでも、俺ができる最高がこれだった。
ごめんな。 約束したのに、俺はそれを守れない。
でも、お前はもう自由だよ。
もう、何にも囚われる必要はないんだ。
ゆっくり空気を吸って
あの空に染まりたい
単なる日常から飛び出したい
自分の望みがとめどなく溢れ出てくるの