NOTE15 書くとココロが軽くなる はじめる

#舞い落ちた雪の果てに

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全3作品 ・






私が自己満足で書いた解説たちです









きみに放つ言葉には全て
5.5ポイントのあいしてるを振ってたよ



イギリスでは、活字の大きさごとに宝石の名前がつけられていたらしい。5.5ポイントはルビー
いつしかふりがな自体を「ルビ」って呼ぶようになったそう


どんな言葉にも、ちいさなルビで愛を込めてたよ。みたいなことが書きたかった。


「きみ」と「あいしてる」は柔らかくしたくてひらがなにした。角を落としたひらがなの方が、カットされたルビーが見つけやすいかなとか思った


ことばの中に宝石を埋め込んだとして、表面が尖ってたら探せないもんね



あと、やっぱひらがなの方が余白が多くて、意味が削ぎ落とされてるからいいね。解釈を委ねる幅があった方が良いから



言葉を向けられた相手が、たまに気づいて拾ったりしたらいいんじゃないですか。愛を書き添えるように届けたかった。これは目に見えない高密度のラブレター










抱き込んだ世界ひとつ守れず
僕は六十五年後くらいに絶滅します



酔ったわたしが残した「きみ、65年後くらいに絶滅するらしいじゃん ちょうかわいそ~~~~~~~~」が元ネタです。なにを思って書いたのかは忘れた


でも、まあ、だいたい20歳くらいの人に向けた言葉なことは覚えてて。だとしたら、平均年齢が85歳くらいだとしたら、余命は65年後くらいかなとか考えた。わたしもそのくらいで死ぬんだろうなと思った



「わたし」が死んだら「わたし」は絶滅するわけ。わたしだけじゃなくて、みんなそう。どれだけ種を残したとしても自分が死んだら、自分は絶滅しちゃうの


絶滅しちゃったら、その人が見ていた世界も終わっちゃうの。終焉なの。



わたしという個人というではなく、ひとつの文明で、ひとつの言語である、ちいさな世界で、ちいさな宇宙でもある「わたし」は標本になることもなく死に絶える。わたしの全てを抱き込んだまま



わたしが考えていたこと、思ったこと、感じたこと、すべて無くなっちゃう。それが急に悲しくなったのかもしれない


たくさん物語を書いてきて、無責任にたくさんの子を産み落とした。わたしが死んだら、あの子たちはどうなるんだろう。誰かに伝えるつもりはないけど、あの子たちもわたしと一緒に絶滅してしまうんだと思うとたまらない気持ちになることがある



言葉もそう。胸の中に留められた言葉たちはわたしの肉体と一緒に朽ちる運命にあって、それがとても申し訳ない。ほんとうは君たち、どこにだって行けたのにね



死そのものよりも、この目で見てきた世界や、この胸に抱いた感情すべてが失われるという事実が、ほんとうは一番堪えるかもしれない










祈らないよ 信じてるから
きみの心臓によろしくね




「祈るな!祈れば手が塞がる!」という名言がありますが、わたしは「祈る」というのは、自分ではもうどうにもならないと諦め、天や神に行方を委ねる行為だと思います



最初の一行に、「祈る必要もないくらいきみを信じてる」という静かな愛と信頼を込めたつもりです。「信じる 君だから」(「オツキミリサイタル」)の歌詞が好きなので


きみを信じる理由はきみだから。それって無敵の理論じゃん?



「祈らないよ 信じてるから」の引っかかりのなさ?滑りの良さ? とてもお気に入りです


愛の告白というより存在の肯定??そっと背中を押すような言葉をね、書きたかったの


祈って、手がふさがったら、そうしたら、きみに触れることもできないもんね









君が再び歩き出した時
口ずさむ歌になりたい


「再び」ってのが我ながら「良いな☺️」と思ってるポイントです


「再び歩き出す」ってことは、今の「君」は立ち止まってるんですよね。その上で「君が再び歩き出した時」って言うのは、必ずいつかまた歩き始めるという信頼がまずある。ここ良いポイント


責めず、急かさず、でも、「君」がいつかまた歩き出すことを知っている。


その上で「口ずさむ」さり気ない歌になりたいというのがね、これね、とても健気で泣けますね


気分がいい時にだけ思い出すような、本人にとっては取るに足らないような存在になりたいと願うの、とても謙虚でいじらしくてキュートだと思います。もっと欲張ったっていいのにね!!


無意識の癖でうたう歌になりたいって、それもう愛じゃん🫶









身を委ねる夜もないのに
このまま光にだってなれそうね




語感だけで特に意味は無い(その1)


「~もないのに」から「~にだってなれそう」になるの、うつくしい言葉の曲線(?)だなって思ってる。我ながら


「なれそうね」のやわらかな予感が、控えめで絶妙だなと思う。前半でちょっと落ちて、後半で希望が膨らむ感じがする


これは独白なのか、それとも誰かに向けた言葉なのか









たった一夜を過ごす為に
君は梔子を燃やしたんでしょ





梔子は天国に咲く花と言われてるらしいですね


たましいを慰めるための清廉な花を燃やすんですよ。罪深いですね。祈りの破壊。救済の放棄。禁忌への接吻。


天国を業火の海にしてでも得たかった一夜は、どんなものなんでしょう


梔子は口無し。天国を焼いた大罪人が口を閉ざしてしまえば、それを知る術は完全に失われてしまうわけですが


梔子には秘密がよく似合うと思う


語るべき唯一の人間の沈黙こそが、その夜の尊さを証明しているような気がする。語られなかったことにこそ重みがある


梔子の匂いだけが残る焼け野原で、この子はなにを思うのか








君の靴先に
ひだまりを縫い付けておくね



「君の行先に光が溢れるように」と続けようか迷って、蛇足かなと思って切った。こういうのは短ければ短いほどいいですからね(自論)


君の靴先がどの方向を向いて、君が何処へ歩いていっても、そこに光がありますようにという優しい祈りの歌です



「ひだまり」という、昼間の限られた時間の限られた場所にしか出現しないものを、常に君に靴先に。



ここさ、「足元」じゃなくて「靴先」にしたのちょっと私の「癖」が出てるんだけど、あくまで「まだ踏み出していない未来」を照らしたかったのね、わたし。だから「靴先」なの


今ではなくて、少し先の未来をあたためたい。君が次の一歩を躊躇ったりしないように



「靴先」の方が距離が遠い感じがするのもお気に入りポイント。干渉しすぎず、見守ることを選んだ人の距離感だなって思う


あと「縫い付ける」はなんかこう、手作業でせっせこやった感が出て可愛くない?手ずから手間をかけて縫ってるのとても可愛いと思う。きっと一針一針、祈りながら縫ってるんだよ


「貼り付ける」「結ぶ」とかだとまた印象も違うと思う。縫った方が圧倒的に可愛い



縫い付けられたひだまりに、君は気付かず生きていくかもしれない。きっとこの子はそれでもいいんだ









冷めるしかない心臓でも
変わらず愛してくれる?




「冷める」か「涸れる」かで悩んだ。で、結局「冷める」の方が感覚的だからそっちにした。「涸れる」は視覚だから。やっぱわたしは触って確かめたいんだと思う


生まれた瞬間に死ぬことが決められているけれど、それを承知の上で愛してくれる?って聞くの、か弱くて可愛いと思うの。


「変わらず」でちょっと図々しい感が出たかと思いきや、すぐさま弱気になるの可愛くて…愛しいね…



「あなたは私を愛してくれる?」という問いは、「私はきちんと私を愛せるのか」に通ずると思う


終わりゆくものを、ちゃんと愛せるか。その覚悟があるのか、己の胸にこそ問いたい








あなたがいる悪夢に
全てを委ねてしまわないように




悪夢だとわかっているのに、感情の全てを託したくなる。それだけで、あなたという存在がどれだけ大きなものなのか、大きなものだったのかがわかる

それが正しいことではないとこの子はちゃんと分かってるんですよね。その上で、あなたがいる悪夢があまりにも魅力的で揺らいでる









私の左で鳴り止まない
うるさい心臓をあげようね



舞雪これ好き


「あげようね」が特に良くて、なんか母から子に与えてるみたいな温度感すら感じる


「あげるね」「あげようか」「あげよう」とかもちょっと考えたけど、「あげようね」で大正解だった思う


本当に心臓が左側にあるのかは知らないけど、「心臓が左側にある」ってとてもわたしにとっては都合がいいの。右手を使って差し出すとしたら、左に心臓あったら渡しやすいじゃん?


左側の心臓から「差し出す」という身体的な動作はとても自然で、ノイズがない。引っかかりのないやさしいことばの集まりにできたと思う


「うるさい心臓」にしたのは、いろんな出来事に対して反応する心臓を持て余しているから。鼓動で生まれた感情が血液を通って身体を満たすから











あなたが地獄にいなければ
ちゃんと楽園を願えたのよ




「~なければ~できたのに」って、愚痴とかにもよく使われるからとても人間臭い言い回しだなって個人的に思ってる


「地獄」とか「楽園」っていう単語好きだよね、わたしって


イメージとしては、毎日楽園を願っていた敬虔な信者が、大切な子が死んじゃってからどうにも様子がおかしいぞ…みたいな感じ


あの子はわたしのような敬虔な信者ではなかったし、根っからの善人ではなかったけれど、でもわたしを救ってくれた。わたしが信じる神さまは、あの人をどう裁くのだろうという疑問から、徐々に信仰が揺らいでいく話


たったひとりが地獄に落ちた(かもしれない)だけで、これまで信じてきた楽園を疑っちゃう子、可愛いと思います‪👍🏻


愛が信仰を揺るがす話がとても「「「癖」」」です


正しさと優しさが一致しなくて、信仰心がグラグラになっちゃうの、「「「癖」」」です!



「神さまを信じること」が自己救済だったはずなのに、それではあの子を救えないと知り、神さまを疑っちゃうんだよね…罪深いね




神さまの価値観であの人が救われないなら、わたしがあの神さまを、あの楽園を信じ、願うことになんの意味があるのか







「だってねえ 死んだら星になれるんですもの!」


これ、小説のセリフからまるまる持ってきた。無邪気で残酷ないいセリフだと思う。「ですもの」が無邪気な少女っぽくていいね。なんか急に「おままごと」って感じがしてくる



「死んだ人は星になるんだよ」というやさしい嘘を呑み込む素直さと、「惨めったらしく生きていくより、さっさとしんで星になっちゃう方がいいよね!」という冷静さの危うい両立が良い。


無垢であどけないのに、世界と、自身の命に向ける視線が冷めきってる











指を切らせておいて
手を切れだなんて酷い
貴方しか知らないのに



ただの言葉遊び

指を切る=ゆびきり、約束
手を切る=関係を断ち切る

「指」と「手」、似ているのにここまでちがう意味になれるのかと日本語の奥深さを再認識した


指と手。物理的に繋がっていて、近しいものなのに、「指を切って」つながり、「手を切って」別れるの、不思議だね


「指」と「手」の言葉の距離感(?)が近いのに、意味が離れているの「近くにいたのに遠くなる」この文章全体の意味と呼応してる感じがして、良い



わたしと貴方がこの関係ではなくなること、全くの他人になってしまうことが、わたしにとってどれだけ酷なことなのか、貴方だけは知っているはずなのに、っていう怒りを三行目に込めた。つもり







飛行機雲で掻き切った
喉とそれから不実な小指


なんで飛行機雲にしたのか忘れたけど、空に浮かんで、すぐに消えてしまう儚い存在が「掻き切る」という暴力性をはらんだ動詞とくっついてるの面白いかもとか思ったんだと思う


裏切られた。だから声も聞きたくなくて、「心臓」とかじゃなくて「喉」を狙ったのかな。命まるごと刈り取る覚悟で


言葉を「喉」で交わし、約束を「小指」で交わしたんだろうね。今まで愛しかったそれが、裏切られたことで憎しみの対象になったんだと思います


わたしが後生大事にしていこうと思った約束も、貴方にとっては、すぐに消える飛行機雲くらい、取るに足らないものだったんですね












「とうの昔に消滅したかもしれない星の残像に誓うのも、やはり不誠実でしょうか。ああでも、やっぱり私は消滅しても尚、貴方を照らす星でありたい」



「ロミオとジュリエット」の「日が移ろえば満ち欠けする月に愛を誓わないで」「誓うならあなた自身に誓って」からの連想


月が駄目なら星はどうだろうと考えて、確実に今そこにある月より、見えているけど存在していないかもしれないから、もっともっと不誠実じゃん!と思った


何百光年も離れた星は、もう消滅しているかもしれない。星の光は過去から届くから


不誠実かもしれないけど、それでも、「いいなぁ」と思ったんだと思う。もう存在してないのに、しんでしまったのに、貴方の足元を照らす光を届けることができる星が羨ましかったのかもしれない


その星が存在していなくても、目の前に光があるって、人の愛とか記憶とかの在り方と似ているなって思った










星を探す癖だけが残ったよ
どれがポラリスだっけ


星が好きな君がいなくなったってのに、星空を見上げる癖は残ったよ。君が言ってたシリウス?デネブ?とかはあんまよく分かんないけど。星って綺麗だね



え、あのさ、こんなこと言うのもアレだけどさ


たぶん「君」は夜空を指さして、「あれはプロキオンだよ」とか説明してたんだよね。で、「僕」はそれに耳を傾けてたんだよね


なのにさ、見つけやすいであろうポラリス(位置が変わらない)すらわかんないってそれ



星を説明している「君」の横顔見てたよね!?!?!?!?!?!?!?
星空じゃなくて、それに目を輝かせる「君」ばっか見てたでしょ絶対!!!!!!!



って思うんだけど、どうなの??????



星の名前を「ポラリス」にしたのは、なんとなく道標を失った「僕」という意味付けをしたかったからという適当な理由だったんだけど



冷静に考えると、ポラリスが見つからないってそれ



「君」が「僕」にとってのポラリス(道しるべ)だったってことになるけど大丈夫そ???????????



ポラリスが中心にあって、他の星がその周りをぐるぐる回る(ように見える)んだよね


そのポラリスが「君」だったってさ。それさ



「僕」にとっての世界は「君」を中心に回ってたって解釈されても仕方ないよね!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?




君がいないとなにもわからない。なのに夜空を見上げてしまう。未練とか執着とかじゃなくて、なんかとってもきれいな愛の残滓











「死に価値を与えてしまいそうで
まだ墓前に花も手向けていない」



「死」はそれだけで絶対的な喪失なんだけど、そこに花を備えたり、手を合わせたりすることでさらに決定的なものになる気がするんだよね


自分の中の未練を、花ごときで消化したくない。美しい別れになんてしてやるもんかという気概を感じる


喪失の中でまっすぐに立つ人なんだろうな、と思う



あと、死んだ人の「死」に意味や価値を与えるのは、残された人なんだよね。この子はそれが怖いんじゃないかなとも思う









光陰が噛み砕いた月に
何を願えばよかったのでしょうか


三日月の夜に書いた


光陰(時)によって欠けた月があって、こんなに時が経った今になって、「私はあのとき何を願えばよかったのか」って後悔してるんだと思う


「噛み砕いた」のワードチョイス、わたしが書いたから当然だけどとても好き⋯時の経過はどうしようもなく一方的で、容赦がないから。

「噛み砕いた」にすることで、時そのものに意思があるような印象を受けるし、この子は時間によって「奪われ、壊され、噛みちぎられた」と感じているんだなってわかる


「何を願えばよかったのでしょうか」の柔らかさが、前半の「光陰」「噛み砕く」のゴツさ(?)みたいなものを包んでるなって思うの


わたしが見た三日月が欠けてる途中だったのか、それとも満ちていく途中だったのかなんて覚えてないけど、この子が見上げる三日月はたぶんこれから欠けていくんだろうなと思う


なのに君は、すべてを奪い去った時間の流れを象徴する欠片を見上げずにはいられないんだね










夜を越えなかった願いが
星の隣で瞬くように




夜を生き残れなかった願いが、宇宙のどこかで、名もない光として生き続けますように


叶わなかった願いも、そのために合わせた両手も、瞑った瞳も、ひとつも無駄じゃないよって言いたい。願いが成就しなくたって、きっとそれは誰かのそばで小さく光り続けるよって、言いたい


誰かのために、もしくは自分のために願ったという事実そのものに、意味とあたたかさがちゃんとあってほしい









私がどこに堕ちても
きっとそこに君はいないね



だって君は善い人間だから、的なことを続けようか悩んでやめといた。言葉って不思議。削った方が意味が重くなったりするから



私はわるい人だから、地獄のどっかに堕ちちゃうの。君はいい人だから、もう会えないね



「そこ」は「地獄の底」とのダブルミーニング狙ってそう。覚えてないけど。じゃなかったらたぶんわたし此処だと「其処」って書く気がするもん



「そこ」というひらがなの曖昧さが、非地理的な(非現実的な)「地獄」に合ってる気がする。空間が曖昧になるというか



でも結局、「そこ」でも「其処」でも「そこ/其処ってどこ?」って読み手に引っかかりを与えるんだよね。丁寧じゃないの。



この言葉と一緒にメモとして残ってた⬇



二千年いっしょに落ちて
底を花畑にしてしまおうね



⋯これ多分、相手側の視点で書いたやつだよね。こっちの子は、相手と一緒に地獄の底まで落ちて、そこを花畑にする覚悟あったんだよ











「じゃあこの傷に花が咲けば
君は歩みを止めてくれるの?」


「そうじゃないんでしょう?」が続くと思う


みんな好きだよね。傷ついた人間が、その傷をバネにして立ち上がる話。過去の痛みを強みにして、成長する話。わたしも好き


傷を克服できる人は確かにすごいけど、でも、傷ついたまま生きている人もいるよ。


傷は傷のまたじゃだめ?癒さなきゃだめ?それを理由に立ち上がらなきゃだめ?


天邪鬼だから、時折そういう美談を否定したくなる。傷を抱えた人に「成長」とか「変化」を求めて、その痛みを意義あるものに昇華したら?みたいな、強制力はないけどそういう空気感?それすらわたしは嫌で


癒されなくても、治らなくても、俯いてても這いつくばってても立ち止まっててもいいよって、どんな時も心から言える人でありたい


「花」は比喩。傷そのものじゃなくて、その傷が生み出したなにか価値があるもの。わたしにとってはそれが言葉だったり文章だったりするのかもね









その翼で何処までも羽ばたいて
それでも僕だけを選んでね



たくさんの人と出会って、たくさんの世界を見て、その上でちゃんと僕だけを選んで!


すごく優しく見えて、とっても欲張り!
執着が隠しきれないの、可愛いね!


「世界を見ておいで」ってとっても成熟してる愛情からくるセリフにも見えるけど違うんだよ⋯この子は「どんな世界を見ても僕のことに帰ってくる」って確信…慢心⋯?してるんだよ


余所見されて、「なんで!?!?!?僕だけって言ったのに!!!😡😡😡(言ってない)」って癇癪起こしてほしいね~


⋯⋯慢心ではなく自己暗示だったらどうしよう


🤯









だって君は
光に帰れる人だから



これ最初が「だって」なのすごく癖に刺さる。わたしが書いたから当然なんだけど


泣きそうな声の「だって」だよ。唇を結んで、言い訳がましい「だって」

その直前にどれだけの自己否定が連なっているのかを考えるだけで泣ける(泣ける)


「光に帰れる人」っていろんな解釈ができるなと思ったんだけど、わたしは「本来なら光が当たるとこにいるべき人」と思って書いた


最終的には、幸福や正しさがある場所に導かれるべき存在。そういう人っていますよね


眩しいくるいの正しさとか、ひたむきな光とか、疑いようのない幸福とか、そういうものに溢れた場所に「君」は生まれて、そして何度でも帰れるんですよ


「帰れる」と「帰る」で悩んで、「帰れる」にした。そこに「君」の意思と選択を宿らせたいと思って。あと、普通に帰ってほしくなかった。わたしが


「君」は天性の清らかさを持っているから、いつでも陽だまりに「帰れる」んだよ


なのに、帰らずにお前の隣にいるのはなんでなのかをよく考えてほしいワケ😡😡😡


自分と「君」は違うって線を引いてくれちゃってるけど、「君」はそんなの気にせずお前の隣にいるよ。日向とか日陰とか気にもせずに


「だって」で文章を始めたのは、奥行を持たせたかったから。「だって」の前には多分、「僕は君に相応しくない」的なことを言ってますよ。どうせね










せめて惜しませてください
あなたに明日がないことを



「それがあなたの幸せとしても」がとても好きで、そこからの連想で書きました。



その決意を止めることも、割り込むこともしないからあなたの未来が永遠に閉ざされること、それを惜しむくらいはいいよね



「せめて」という小さな接続詞がいじらしい。そのあと続く動詞が「惜しむ」なのもナイス判断だと個人的に思う


「止めない」「責めない」「すがらない」ことが、あなたへの最大限の愛だと知っているの










君の涙は爆弾だ
たった一粒で
僕はこの星を見限れる




君が一滴でも涙を流す世界に意味も価値もないもんね!!グッバイ地球!!今から僕ら銀河系ハネムーン行くんだ!!🚀


「君」が泣き崩れたり叫んだりせずとも、ポロッと泣いただけで「誰にやられた!!誰に泣かされた!!世界!?世界だな!?世界許さん!!!!😡」って騒ぐ気満々なのいいと思います



たった一人の、たった一粒で天秤が傾いちゃうの、不安定で盲目的で可愛いなって思いません??星の評価が「君が笑えるかどうか」で決まるのだいぶ末期


わたしは「涙」と「爆弾」を繋いだだけで満足しました。解釈は特にありません。幾通りもの二人が想像できると思います









流れ星になったら
君の願いを聞けたのかな




𝐕𝐞𝐫𝐲 𝐂𝐮𝐭𝐞 💋



「なったら」「聞けたのかな」の仮定+疑問の柔らかい語尾の連続


これさ「流れ星だったら」にしようかなとも思ったの。でもさ~ なんか濁音使いたくなくて「流れ星になったら」にしたのね


「だったら」の「だ」は、ちょっと夜に響きすぎる。あと憂いが強すぎる



でもよく考えてみたら、もし「流れ星だったら」だと、生まれついての流れ星みたいになるくない?ただの天体じゃん。そんなの意味ないもん


「人間である自分が流れ星になったら」という、一見メルヘンな思考が大切なの。そんなの無理って分かってるけど、この子には自分の形を変えてでも君の願いを聞き届けたかったっていう健気な献身があるんだから


「流れ星」そのものに心はなくて、「流れ星になった僕/私」には、君への想いがある。だから「流れ星になったら」で大正解だなって思う。「流れ星になる」という変化こそが愛だから



👤‎⭐🌠😌🙏🏻💭︎🌟🥰



あとこれ、最後が「願いを叶えられたのかな」とかじゃないのもいいなと思ってる。聞くことだけを望むなんてなんて慎ましやかで健気なの







舞雪・2025-06-08 #舞い落ちた雪の果てに




喋りたいことを、好き勝手喋りました









きみは腐敗を免れるだけでいい
息をして血をめぐらせる
それだけで



これはね、口頭試問前にガクブルしながら控室で思いついてメモしたやつ。口頭試問前の私は誰かにこれを言ってほしかったらしいよ


「生きてるだけでえらい!」をわたしなりに解釈して書いたんだけど、何故か諦念が滲んできた。面白かったのでそのままにした


笑わなくても、動かなくても、喋らなくても、そこにいてさえすればそれでいいって、ぎりぎりの愛だと思う。ぎりぎり愛に収まれてると思う


極限まで条件を削ぎ落として、「きみ」の存在を肯定してる







「オフィーリアになれないんなら
今日のところはやめておこうよ」




袖を引くような言葉が好き。「こんなことやめようよ」は言えなくて、「今日のところはやめようよ」しか言えないの、かわいい。
今日どうにか引き留められたって、きっとこれから何度も何度も繰り返すのに。
悲劇にすらなれない子たち、かわいい


オフィーリアは美しく、演劇的に、悲劇になれた女性で、水の中に沈んでいく姿すら絵画になり、詩になり、神話になった


でもこの子たちはそれになれない。うーん、いや、なれないのかはわからない。踏み出したら、案外ちゃんと悲劇になれるかもしれない。でもこの子は「なれないかも」っていう可能性を理由にして、引き留めたいんだよね


「今日のところはやめておこうよ」って、何の解決にもなってないし、何の希望にもなってないのにね










煙が空に昇っていった
君はどうせ地獄に落ちるのに





2行目でスンってトーン(?) 温度(?)が落ちる感じがすごく好みです



天国に昇るとか地獄に落ちるとかあるのに、火葬したら、善人も悪人も煙になって空に昇っていくのおもしろいなと思った



天国に行く人はいいけど、地獄に行く人は、いったん空に昇ったあと、地獄に降りてかなきゃいけないの大変じゃんと思った


でも、どんな魂であっても、煙として天に昇り、一度は空の上を眺めることができるんだね


この子は「君」が地獄に落ちるとわかってるのに、目を逸らさずに煙を眺めてるんだよ⋯愛のような呪いのような、呪いのような愛のようなって感じ



勝手な妄想だと、この子は葬儀に参列してません。ただ、葬儀場の近くにはいて、昇っていく煙を眺めています。どういう関係なんでしょうね^^




罪は重たいから、踏みしめる雲がその重さに耐えられなくて落ちちゃうのかもしれないね


誰かの裁きじゃなくて、自身の罪の重さで落ちるって、とても静かで恐ろしい















きみは光があまりに似合う
だからたぶん来世は花




白い桜が雲みたいに空に浮かんでいるのを、母と車の窓から見た。あれが小さな花の集合体だなんて信じられる?


花はひとつひとつ、ちゃんと実体を持っているはずなのに、なんだか全体がひとつの塊みたい。その不確かさを、「来世」とつなげて、詩全体をうっすら霞ませたかった



昔、ある小説で「太陽が世界の全てを光で抱く。万物に等しく降り注ぐ慈愛を、僕らに対する祝福であると都合のいい勘違いをさせてもらった」っていう文を書いたのね。これが結構わたしの中で今も大きくて、考え方の支柱になってるの


わたしはよく「光は祝福」みたいなこと書くけど、そんなことはなくて、光はあくまで万物に平等に注がれるわけ。それを「慈愛」とか「祝福」って解釈するのはいつだって人間だから



「来世は花」って、なんて優しい予言なんだろうって思う。その理由が「光が似合うから」なのもすごくいい



「たぶん」でちょっと揺らしてるのもいい。これは完全にわたしの好み。揺らすの好きです、わたし。断言はしません


「光」と「花」 この二つはいくらでもテーマになるし、古今東西いっぱい使われた語だと思う。だからこそ、書き手の「好み」が出るお題じゃないかな。私の好みはコレです🥳










これまで、これから、幾夜も明かし、幾夜も明かす夜なのに、今夜この手を握ってくれる誰かがいない




3月31日の夜に書いたやつ!入社式怖いよ~🥲‎と思いながら考えた


これまでたくさんの夜があったし、これからもたくさんの夜を越えていくんだろう。誰かの腕の中で眠ったりすることもひょっとしたらあるかもしれない。でも今、この瞬間、この夜に手を握ってくれる人がいないなら、なんの意味もないのよって言いたかった


わたしって「手」に関する描写が好きなんだろうなってはっきり気づいたきっかけでもある。シーツに投げ出した手を今この瞬間にとってくれる人がいるのなら、その人に全てを捧げてもいいって思うのに


今夜ひとりであることの苦しさは今しか抱けなくて、それは明日がどうであれ癒されるものじゃない。眼前に広がる絶望は今だけのもので、わたしにとってはそれが世界の全て



「誰かがいる」ということの重みを、「誰もいない」という側面から書きたかった。掬われない手のひらを書くことで、いつか誰かに引かれる手のひらを想像したかった


この詩は絶望しているようでいて、とても美しい未来への希望をはらんでいる










罪を塗りたくった唇を奪って
貴方まだ戻れると思ってるの?




これさ、「罪を塗りたくった唇を奪って」って(命令or誘いor懇願)だと思って書いたのね。「唇を奪って!!」の意識で書いたの


でもさ、「罪を塗りたくった唇を奪って(おいて)貴方まだ戻れると思ってるの?」とも読めるよね。日本語深ぇ🥳


私の意識としては「あなたのために犯した罪で濡れた唇よ?早く奪って。共犯でしょ?まさか真っ当に生きていけるなんて思ってないわよね?」という感じで書きました


時制の曖昧さ(?)が生きてるね。知らんけど



命令形なの?
(早く奪ってよ。共犯でしょ?)(懇願・誘惑)
完了形なの?
(唇を奪っておいて何を今更)(非難・冷笑)
どっちが好きなの?🩷



これはね、読み手の「癖」を炙り出すための質問だったんだよね。実は。嘘だけど



真っ赤なルージュを何度も重ねるみたいに、この子は愛のために罪を重ねたんだよ


「もう一線を越えたのに、その自覚がおありでないの?」「破滅に加担したのに、なにを今更」っていう悪女(?) いいよね⋯すごくグッときます⋯



愛と破滅はセット、ここ赤線引いてください
ルージュみたいに真っ赤な線をね⋯ふへ



罪の口付けで相手の退路を断とうとするなんて!悪いおんな!でもそういうとこすき!












瞼の裏に縫い付けた楽園の調子はどう?



「瞼の裏に縫い付けた楽園の調子はどう?笑」にするか悩んだ。でも「笑」をつけるだけで解釈の余白を奪うな、と思った。でもこういう系に「笑」つけるの面白いからやってみようかなとも思ったけど、やめといた

書いた時は嘲笑.冷笑の意味を持たせてたんだけど、もう少し柔らかい解釈もできるなって投稿した後に思った


結局「縫いつけた」の主語が誰なのかによって変わるよね。自分で縫い付けた(現実を見ないようにした)のか、誰かに縫い付けられた(現実を見れないようにされた)のか


それによって、セルフ洗脳なのかシンプル洗脳なのか変わるの~ どっちにしても縫合されたユートピアは毒にしかなんないよ~🫨


本来であればやさしいはずのもの(楽園)を、痛ましい手法を使って閉じ込めた(閉じ込められた)人が普通に幸せになれるわけないのにね~😊😊😊



瞼の裏にべっとり付いた楽園(笑)を一生眺めるしかないね~😊😊😊



「調子はどう?」の軽やかさが不気味でお気に入りです



あと「目蓋」か「瞼」で悩んだ


「目蓋」だと、「目の蓋」だから、より「現実に蓋をしている」感じが出るかなと思ったりした。「閉ざす」ニュアンスがより強いな~って


でもなんとなく、「瞼」の方が全体のトーンに合ってるな~と思ってこっちにした。「まぶた」でもよかったかなとか思ってる。ひらがな好きだけど読みにくくなっちゃうんだよね


「縫い付けた」が持つ暴力性と合わせたら、「まぶた」の方が温度差あっていいかな~??とも思ったけど、「瞼」が一番しっくりきた!













「地球って君がいる方に傾いてるんだよね、
実は」




これは理科の教科書を破り捨てて読みたい日本語


これ最初は「地球が傾いてるのは君に傅いてるからなんだよね」だったんだけどそれだと「君」が太陽系に放り出されることになんね??(バカ)と思って改造した



地球が23.4度傾いてる物理的事実を、「きみがいるほうが重いからか!!」ってIQ5くらいで解釈しました。存在の重さと質量を重ねる古典的な手法で、無防備な思想で重力も自転軸もひっくり返しちゃうぞ~😁


感情に物理法則が傅け~~!
愛の力で自然現象の意味を書き換えてやる~~!


地球が傾いてる原因が「君」にあるなら、地球に季節があるのも、君のおかげってことになるよね!
これはもう、君がいなければ四季もなかったっていうとんでもない告白なの!


春風も蝉時雨も紅葉も雪も、ぜんぶ「君のおかげ」って言えるのは文学の暴力だと思う!



地球が傾いてるから、太陽光が当たる角度が変わって、影が伸びたり縮んだりするんだよ。ロマンチックだね!


文学と科学の後頭部を掴んで、無理やりキスさせましたみたいな言葉だなって思ってる!











ねえ あなたってとっても素敵
あなたが世界ならよかったのに




これはね、仕事中に思いついたから急いで付箋にメモして持ち帰ったやつ



「とっても素敵」の素朴さが効いてると思う。わたしだったら、詩ではまず「素敵」なんて使わないから、これは挑戦です。


もっと言葉を装飾したい気持ちを堪えて、とってもシンプルに仕立て上げました。



「あなたが世界なら」と「あなたが世界だったら」でも悩んだ。響きの好みで「なら」にした。「なら」には、しがみつくような響きがあるような気がした。あと、「だったら」だと仮定が強調されすぎる気もしたから



「ねえ あなたってとっても素敵」で背中をなぞって、「あなたが世界ならよかったのに」でその背中に撓垂れ掛かる感じ



「あなたが世界ならよかったのに」は、「あなた」以外の全てを否定してるんだよね。あなたが世界ならよかった。世界があなたならよかった。でも世界はあなたではないし、あなたも世界ではない



あとね「」つけるかどうか悩んだ。でも「ねえ」から始まってる時点で誰かに向けた言葉だってことは伝わるから今回は省いた。シンプルであればあるほどいいから(自論)


使う言葉をすべて素朴にしたから、読む人に呼吸を委ねるゆったりとした余白(?)余裕(?)が生まれたと思う











傷ついた心臓から解けていって
羽が生えたら天使になれる




「解ける」「溶ける」で悩んだし、「解ける」を「とける」「ほどける」でも悩んだ


結局、「解ける」にしといて「とける」のか「ほどける」のかは読む人に委ねることにした。


「とける」だと、凝り固まっていた心臓がじわりと溶けていくような感じがするし、「ほどける」だと締め付けられていた心が緩んでいくような感じがする。どっちでもいいな、どっちもいいなと思った


とけだした心臓が羽を形づくるのか、ほどけた心臓が羽を編んでいくのか



「天使になれる」もたくさん解釈できて、「救われる」ってことなのか、「ここじゃない何処かに行ける」ってことなのか、「わたしじゃない存在になれる」ってことなのか


どの解釈にしても、もう傷つかなくていい存在になれる。あなたはあなたではない存在になって、ここではない何処かへ飛び立てるから



救いのようでいて少し哀しくて寂しいけど、でもそれはやっぱり希望に違いないんだよね



「天使になる→羽が生える」じゃなくて、「羽が生える→天使になる」にしてるのも我ながらいいなと思う。これは選ばれし者の物語じゃないってちゃんと伝わるかな


羽が生えるって、私の勝手なイメージだけど痛みを伴うんじゃないかなって思ったの。皮膚の下から、骨みたいな羽が突き出してきたら痛そうだなって思ったの。自身の身を引き裂いてでも飛び立ちたい、ここではない所に行きたい、もう傷つきたくないって、切実な願いだからどうしても叶えてあげたくて、でも、もう十分すぎるほど傷ついた子を苦しめたくなくて


だから、「とけだした心臓が羽を形づくるのか、ほどけた心臓が羽を編んでいくのか」っていう軽やかな変容をさせてあげたかった。その傷ついた心臓ひとつで、君はもう大丈夫になれるんだよって













手折っても枯れない花がある
プリザーブドフラワーとか、君とか




これ可愛くない!?かわいいよね~

いい感じに英訳して、マグカップとかにゆるいフォントで書いてほしい~


ってか、「プリザーブドフラワー」なんだね。ずっと「ブリザードフラワー」だと思ってた。「ブ」の方がなんか凍ってそうじゃんね。知らんけど


プリザーブドフラワーは「死んだ花」「時が止まった花」とされていて、風水的には良くないらしい。でも「枯れない」って強くね


「君とか」のお茶目さ、可愛い~!絶対言われた女の子はきゃらきゃら笑ってますよ!愛し~!🥰


「君とか」で急にカジュアルになって、急に人間っぽさが滲むよね。親しみやすいよね。かわいいね。



「とか」にある無邪気さと軽さもかわいい。言い切らないのがかわいい。「他にもたくさんあるかもだけど、君もその中の一つだね」みたいなちょっとした照れも感じる


花の話をしていたはずなのに、急に矢印が「君」に刺さるのいいよね。「君はずっと綺麗だよ。枯れたり壊れたりしない、強くて、可憐で、綺麗だよ」っていう視線がこちらに向いていることに、一拍遅れてから気づく感じ。かわよ~ ゆるTにして~



で、ここまでが舞雪(光)の解釈なんだけど



舞雪(闇)もいて、この可愛らしいキャンディみたいな詩に密かに毒を練りこんだのね。物騒なのに一見そうは見えない言葉を生み出すことに情熱を燃やしてるからコイツ



プリザーブドフラワーってさ、生花から作るらしいね………



言い方めちゃくちゃ悪いけど、プリザーブドフラワーってさ、本来なら死にゆく花をさ、薬品で脱水して、脱色して、染め直して乾燥させることで生き長らえさせるんだよね


あんなに綺麗なのに、もうしんでるんだよ。そんなプリザーブドフラワーに「君」を並び立てるってことはさ、つまりさ、それはさ……



死してなお咲くことを強いられる花に、「君」を重ねることの罪深さよ。「君」はもう咲くことをやめたのに、永久的にきれいなままだね
















許されないまま一緒になりたい
息ができない満月の夜に





デケェ月の夜に書いた。確かあの日は十五夜だった


満ち満ちている月は、隙がなくて息が詰まる。なんか余白がなくて追い詰められてる感じ?逃げ場がない感じ?がする



これは駆け落ちする二人の小説から持ってきた、というかそこを舞台にして書いた。駆け落ち好きなので


なにかしらの理由で関係を許されない二人が、すべてを照らす満月の夜に駆け落ちするの良くて⋯


月は無言で照らすだけだから、裁かれたような気にもなるし、赦されたような気にもなる。そのどっちつかずの中で、手を取って逃げるっていう行為の尊さが、良











幸せを指折り数えたら両手では足りないと知らないままのあなたで行かせてしまった



「指を折って数える」という行為が好きなんですよね。お察しの通り「抜錨」(ナナホシ管弦楽団さん)の影響で


「指折り数える」って、子どもっぽくて、古典的で素朴なイメージ。幸せなんて目に見えないけど、数えて確かめられると信じたかった。わたしってやっぱり「手」が好き



読みにくいけど、句点もスペースもいれなかった。言葉を一瞬でも途切れば泣いてしまいそうだと思ったから。決壊する前に一息で言い切りたかったから
















記憶の中を永遠に泳げるなら
人魚の肉だって飲み下すのに




「(君の)記憶の中を」なんだけど、そんなん言わんでも伝わるか!と思って響きを優先した


人魚の肉を食べたら不老長寿になれるらしい(八百比丘尼とか) 不死になれるかは知らないけど、響きを優先して「永遠」を使わせてもらった


「人魚」だから「記憶の中を泳ぐ」にした。人魚の肉を食べたからって人魚になるわけではないんだけど


「君の中でずっと生き続けたいな。そのために禁忌に手を出したとして、なんだって言うの?」


記憶って、本来なら水のような形を変えながら流れていくものだと思う。その流れの中に、この子は楔を打ち込もうとしてる。人魚の肉という禁忌にまで手を出して



「飲み下す」もちょっと悩んだポイントなんだ。「食べる」系だと、どうしても「生きるための行為」という意味が付随しちゃう気がしたから。


この子はただ、「不死を得るため」だけに肉を食べちゃうわけだから、うーん、どうしよーって考えて、なんかちょっと「食べる」より「本能」から遠い(ような感じがする)「飲み下す」にした。もっといい表現あったかもな~って思ってる



これ最後の結びが「のに」なのがいい。ここまでずっと「禁忌を犯すことすら厭わない」という強気の姿勢を見せてたのに、最後の「のに」で「それがなんらかの理由で出来ない」ことが察せられる



「泳げるなら」と条件をつけて、「飲み下すのに」と仮定で終わらせてるから、この子は実際なにもしてないんだよね。心の中で想像してるだけ



想像だけで終わった理由が、永別とかではなく、「そんなことしなくたって忘れたりしないよ」と君が笑って止めたから、とかだったらいいね。人魚の肉なんてなくったって、この子はずっと記憶の中で泳げるんだよ











世界は私のものではなかったと告げるだけの優しい両手




これどこかでちらっと話した気もするけど、本当は「両手」じゃなくて「右手」がいいのね。リズム的に


でも、やっぱ首を絞めるのは両手でなくちゃと思って「両手」にしました


恥ずかしながら「この世界は最初から私のものではなかった」と気づいたのは結構最近なんだけど、そう気づいた瞬間、誰かにころしてもらいたかったのね


だからこの言葉は私の願望



世界は私のものではないと自分で気づいてしまう前に、その事実だけを置いて、やわく首を絞めてほしかった。私のために誂られた世界ではないなら上手く生きられる気がしないから












忘れられた星座をなぞる
君がちゃんと還れるように




星の集まりに、意味や物語を見出す。未だに語られる神話も記憶もあるけれど、現在まで生き残れなかった、忘れられたものもあるんじゃない?


わたし知ってるんだ。語り継がれたものの裏には、それと同じか、それ以上に忘れられた何かがあるって


星座で埋め尽くされた空は、それでもどこかに「忘れられた、かつては大切だった何か」があるからさみしい。私たちの目にはもう見えないけど


星と星は「物語」によって線で繋がれていて、その「物語」が忘れ去られてしまったら、線は消滅して、ただの美しい点になる



「星命学」(Noz.さん)の「誰かに奪われた人生の後先に還るべき星が有りますように」が大好きなんですよね。そっからの連想です



「“ちゃんと”還れるように」がお気に入りポイントです。誰かが無事に、あるべき場所にたどり着けるようにと願うその切実さが、「ちゃんと」という一語に込められる。


ただ還れればいいわけじゃない。迷わず、傷つかず、歪まずに、まっすぐ「君」に戻ってほしい。ちゃんと、自分の輪郭を取り戻して、誰にも脅かされず、有るべきかたちで、還ってほしい。星の配置をなぞるように、正確な軌道で


「忘れた」の主語は人々。ざっくり。人々に忘れられて、でもこの子はちゃんと覚えてる。


人々の忘却(星と星を結ぶ物語の消失)によって星座から落っこちちゃった誰かを、導きによって再び夜空に帰そうとしたんだと思うよ








「大団円のその先を読み終えた頁数で潰してハッピーエンドを騙るのやめなよ」


読書する時、読み終えたページが右手に、まだ読んでないページが左手にあるじゃない?読み終わりが近づくにつれ、左手が軽くなっていくのが寂しいなと思ったりするじゃない?


そこからの連想で書きました


読み終えた「過去」が積み重なっていって、「この先」が薄っぺらになる。そして最後のページまで読み終えて、パタンと本を閉じれば物理的に押し潰されて物語はおしまい!


本を読み終えたって、本の中の時間は進んでいくはずなのに、「本」の都合でハッピーエンドでバツンと終わってしまう。私だけを置いて物語は続く



これね、「ハッピーエンドを騙る」の「騙る」は「語る」にも通じさせようとしたのね。物語だけに😁



「ハッピーエンドを語って騙している」 これを言いたかったの











36.5度の熱が引かなきゃ
いたいけな夢さえ見られない



「36.5度」ってわたしの平熱なんですけど、その熱が引かなきゃってことは、つまり死ななきゃ夢さえまともに見られねぇなって話です


熱が出たら下がれと思うのと同じように、この身体から熱が完全になくなればいいのにと思う夜もあるよね。生きているあいだ、わたしたちずっと熱に浮かされているから正気じゃないかもしれない



「いたいけな夢」
形容詞はなんでもよかった。でも些細な、可愛らしいい「夢」を表現したかった。ひらがなにしたのは好み



「夢」は、寝ている間に見るもの、将来を思い描くこと、空想、いくつか意味がある。どの意味で受け取られてもいいと思った


生きていてもいいかなって思える、最低限の夢は壊れやすい。こんな余分な熱に浮かされた身では、上手く輪郭を保つことすらできない











啓蟄の花桃
そういえば
君にさよならを言いそびれたな




二十四節気の中で、「啓蟄」が一番好き。七十二候だと「蟄虫啓戸」


「虫が戸を啓(ひら)く」っていう表現すごく可愛くて。眠っていた虫たちが、春の気配を感じて戸(土)を開いて(切り開いて)出てくるの。想像すると可愛らしい


全然関係ないけど、昔「紅花栄」で小説書いたな。あれも語が美しくて好き。




春が来る前の、まだちょっぴり肌寒い、別れの時期。卒業式もこの頃だった


「啓蟄」は土の下でじっとしていた虫たちが、春の気配を察して這い出してくる時期。 まだ外は寒いかもしれないけど、虫たちは出てくる。その様子がなんとなく、次のステージに向かって歩き出す私たちに似ているなって思ったの



七十二候だと、「蟄虫啓戸」の次は「桃始笑」なのね。だから厳密に言えばちょっと時期違うの。ズレてるの。「啓蟄の花桃」って、実は意味的には破綻してるの


でも私の卒業式の時は桃の花が咲いてたからいいや~🥰と思って、やっちゃった


読む人にはぜんぜん伝わんないと思うけど、「啓蟄の花桃」っていう言葉だけで、わたしだけは「ああ、中学の卒業式ね」ってなる。これはわたしとわたしだけの秘密の暗号みたいなものなの。私こういうの多い




「そういえば」で、こぼれ落ちる感じ。息を吸う感じ。妙にさっぱりしていて好き。心の裏ではずっと思っていたことが、呼吸と一緒にポロッとこぼれちゃった感じ


「君にさよならを言いそびれたな」


時間が過ぎたあとにこそやってくる、ひっそりした後悔や喪失感。「言いそびれた」って言葉、とっても素敵。この一言だけで「本当は伝えたかったのにそれが出来なかった」ことが伝わるから

舞雪・2025-06-21 #舞い落ちた雪の果てに

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に3作品あります

アプリでもっとみる

他に3作品あります

アプリでもっとみる

その他のポエム

すべてのタグ

『書くとココロが軽くなる』

私たちは、一人ひとりの持つ
言葉の力を信じています。

NOTE15 by ほその夫妻