伊田よしのり・2025-09-04
ポエム
ねるねるねるね
色
世界から色が消えても
ねるねるねるねが消えるわけでは
ないのだ。
君のように優しい色を描きたかった
僕の描く色は曇ってしまったらしい
練ったところで
何も変わらん。
色だって
変わりゃせんのだ。
ねるねるねるねなんか練らなくても
きれいな色はそこかしこにある。
たとえば
夕焼け空…
水田…
しかし
そんな日常の風景には目もくれず
あなたはねるねるねるねを
練り続けている。
練った代償は
色で払って
もらうのだ。
色を壊してしまうのがこわくて
僕は
練るのをやめたのだ。
あの魔女が
やってくるのだ。
練り方を忘れた頃に。
色を忘れた頃に。
たしかに
ねるねるねるねは
毒にも薬にも
ならないかもしれない。
それでも
ねるねるねるねは
色になる。
練らなければ、色は変わらない。
それでも、だからといって、
練れば色が変わるなんて
約束してないし
保証も
ないのだ。
色も
お菓子も
あまりにも簡単に手に入ってしまうと
つまらない。
あれだけ欲しかった
ねるねるねるね…
私はもう次のお菓子を
探してる。
色に文句を言うくらいなら
自分で練ればいいと
思うのだ。
色が変わらないことに
途中で気付いても、
あなたは最後まで
練りきらなければ
いけないのだ。
練ってもらえなかったねるねるねるねの亡霊の声が聞こえても、振り返ってはいけない。あなたの色が、変えられてしまうのだ。
ねるねるねるねを色を変えるのは
僕じゃない。
ましてや
あの魔女でもない。
ねるねるねるねの、
色を変えるのは…
あなたの色を
もっと知りたかった。
、、、
だから 私は
ね る ね る ね る ね を
練 っ た の だ。