#色を変える

世界の色を変えることはできない。
人の心の色も、簡単には変わらない。
しかし、ねるねるねるねの色を変えることなら、私にもできるのだ。

色を変えるために練り始めたはずなのに、いつの間にか変わってしまっていたのは、私の心だったのだ。

その昔

貴族は

ねるねるねるねを練るのを

嫌がった。

「色を変える」という行為は

神秘的な存在(=神)への挑戦…

つまり、

神への冒涜とみなされたからだ。

だから、宮廷は

ねるねるねるねを練る職人を

雇った。

あの魔女は、その職人の

一族の

末裔だと

言われている。

今回だけは
見逃してやる。
色を変えるつもりがないなら
はじめから
練らぬことだ。

練りたくないときは

無理に練らなくてもいい。

色を変えることが

ねるねるねるねの

目的ではないのだから。