#諦められない

私の初恋は
今思い出しても
1番苦しくて
それなのに
1番幸せな恋だった

花束のように綺麗で色鮮やかな貴方が
私には眩しく見えた
それまで無彩色だった私の人生に
色をつけてくれたのは貴方だった
スタートラインに立ったまま
私だけが進んでいないような
ひとりぼっちな人生に
貴方が突然現れて
いつだって隣を歩いてくれた
初めて出会ったあの日が
私の始まり

いつも私の隣を歩いてくれた貴方は
私が告白したあの日から
ずっと前を行ってしまうようになった

ひらりひらりと落ちていく

ふらりふらりと堕ちていく

落ちた先で映えたのなら

私の舞台はそこなのよ

落ちても堕ちても、終わらない

落ちても堕ちても、終わらせない

貴方の特別になれたなら
どんなものでも手放せたのに

叶わないことなんて
最初から分かっていて
そんな初恋を終わりにするための
告白だったのに
あの日からもずっと忘れられずに
私の想いは募るばかり

叶わないって分かってる
それでも私は
貴方との宝物みたいな思い出を
忘れる勇気なんて持ってない

｢ごめんね、私には同性愛が分からない
優希は大切な後輩だって思ってる｣
先輩
私が同性じゃなかったら
後輩じゃなかったら
恋愛対象として見て貰えたんですか

前を向いただけで
あの日と同じようにまた
戻れた気がするから
変わらない思いを心にしまう

まだ諦めたくない
金賞をとりたい
ずっと見続けた夢を叶えたい
たとえ銅賞でも銀賞でも
せめてそれに胸を張れるように
｢やれるだけのことはやった｣
それだけはちゃんと言えるように
もう二度と｢努力が足りなかった｣と
後悔することがないように

私が初めて本気で
大切にしたいと
幸せになって欲しいと思った人
できることなら
この人の相手に私がなりたいなんて
実ることのない初恋の未来を描いていた

運命の人とは一度離れる。

まさかなんて、淡い期待。

後輩だから優しくしてくれる
ずっとそばにいてくれる
その笑顔を見ていられる
そんなの分かってる
それでも私は
先輩の好きな人になりたかった

君の運命の人私じゃないよね。
ありがとう。幸せでいてね。

もう一度ちゃんと向き合えば
また笑ってくれますか