ねえ、私が地元を出てから
何回泣いたと思う?
田舎特有の濃い繋がりから外れて
住む場所に友達なんていなくて
3年ずっと一緒にいた高校の子も、中学の子も
3歳からずっと仲良しの子達も
みんな、文字だけの繋がりになった
新しい生活には慣れなくて
夜は動けなくなる日もあって
なにをしに学びに来たんだろうって
絨毯に横になって動けなくなった体と反対に
ぐるぐると動き続ける頭で
毎晩、毎晩考えて
まだ、泣いてるんだ
瞼が腫れない量を弁えてるけど
たまにストッパーが外れて
翌朝、腫れた瞼を見て呆れ笑いするんだ
私ね、田舎じゃないと
狭いコミュニティじゃないと
あの町じゃないと
寂しいよ
耐えられてたことも耐えられなくなって
意味わかんないことに泣いて
少し、辛い
少しだけ、辛い。
文字だけになった君たちとの繋がり
君たちから送られてくるメッセージ
それは私にとって宝物
それは君たちの織る詩
有名なアーティストの歌う詩よりも
実力のある作家が書く詩よりも
私を支えてくれる温かく優しい詩
ねえ、私、この冬、乗り越えられるかな
冬は思い出が沢山あるから
きっと、もっと寂しくなってる
雪が降ったら
雪だるまを作ったことを
霜を踏んだら
ポケットに手を突っ込んで歩いた日を
お正月になったら
郵便受けに届く年賀状を
バレンタインになったら
私のお菓子を奪い合ってた君たちの声を
3月になったら
卒業式に背中をさすってくれたあの手を
私は地元で幸せになりすぎたね
幸せに慣れすぎたね
君たちからの連絡が
君たちとのキャッチボールが
君たちとの連詩が
これからも続きますように
これからも暖まれますように
今日も私は君からの返詩に
新しく言葉を紡ぐんだ
技術もこだわりも文法も
なにもかもがめちゃくちゃな詩
私たちだけが知る
たったひとつの連詩
終わりのない詩になることを望んで
今、届けた
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