死にたいと言う君に
僕は何を伝えられるのか
どんな未練を残せるだろう
ずっと考えていました
実際僕には何も出来なくて
周りの人が必死に引き止める様も
僕には綺麗事の羅列に見える
未来が見えない癖に
"明日はいいことあるよ"
なんて適当なことを言うから
確証のない明日に期待して
期待した昨日の僕に絶望する
僕のことをよく知らない癖に
"もう頑張らなくていい"
なんて無責任なことを言うから
明日の僕は普段より過酷になる
僕が君を引き止める言葉は
全部僕のエゴだと思うよ
君に生きる理由がないなら
それまでの話なのだから
でも死にたいなら止めない
そんな冷たい世界は
あいにく僕は望んでないから
僕が手助けしてあげる
まず遺書でも書こうか
どんな紙でもいい
テストの答案、町内会の裏紙
手紙の便箋が一番だけどね
君が思うように書けばいい
遺書なんか手紙じゃなくてもいい
今まで頑張ったこと
今まで辛かったこと
生きてて楽しかったこと
何故その決意をしたのか
遺した人への感謝や想い
思うことを自由に書けばいい
遺書は手紙のようで
手紙とは別物なのだから
宛名は君が一番大切に思っていた
人の名前でも書いておこう
遺書を書き終わったら
次は部屋の整理をしよう
大切な1つのもの除いて
部屋にあるものは全て捨ててしまおう
思い出も記憶も必要ないだろう?
部屋の整理を終えて
人生を辞める決意も纏まった頃
最期に散歩でもしたらどうだろう
どうせ最期なのだから
捨てなかった大切なものと遺書片手に
自分の街を目に焼き付けておこう
懐かしい小学校の通学路
よく遊んだ公園
夏場よく涼みに来たスーパー
よく自転車で滑走した坂道
懐かしい景色を見て過去を振り返ったり
もう最期の別れと告げてみたり
全部君の好きなようにしたらいい
さて、そろそろ旅立つのか
君の逝きたい場所で逝けばいい
でも逝く前に君が書いた遺書
最期に一度見て欲しい
頑張ったことを君が認めて欲しい
辛かったんだなって、
頑張ってたんだな、ってさ。
君は宛名に誰の名前を書いたのだろう
遺された人の気持ちを君は知ってるかい
きっと味わったことがある人も
中にはいるのかもしれないね
その人は宛名の人は
君の遺書を見たら間違いなく
泣くだろうね、そしてその想いを
これから抱えながら生きるのだろう
死んでしまった君は
その人を泣かせたまま
何も出来ないのだろう
君には死ぬ理由はあるかい?
きっと楽になりたいからだろう
君は生きる理由はあるかい?
無いと言って哂うのだろう
僕は君じゃないから
正解は知らないけどね
辞めたい時に辞めればいい
ナイフはいつでも持てるのだから
沢山考えて沢山泣いて
沢山笑ってから
来世に向けた一歩を
君の足で踏み出して欲しい
僕の言葉は君に届くのかな
届いたらいいな、届いてくれ
君がこの文を読みますように
みんな読んでくれてありがとう