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#リリリ夢小説3

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全18作品・

ツイステ夢小説コラボ


今回は、お友達のヒメちゃんとのコラボ小説です🐇

 


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバー君に心当たりのある方はUターン

・ラギー・ブッチ君に心当たりのある方はUターン


ご了承ください。













『遭遇パーティー!!』



赤い庭の薔薇。


白いテーブルクロス。


そんな赤と白のパーティーに、異質な人物が混じっていた。




「えっと…スカーレットちゃん、だよね!」


優雅に紅茶を口に運ぶスカーレット・ビクシーガルは、自身の名を呼ばれ、ふと、手を止めた。


「ああ。君は確か…クローク、だね、ヒメ・クローク。」


スカーレットは右手に持っていた薔薇が描かれたティーカップをテーブルに置き、目線を少女に向ける。


そこには、笑顔をこちらに向ける、スカーレットの同級生、ヒメ・クロークがいた。


「うん!名前、覚えててくれて嬉しいな。」


ヒメは一層に口角を上げ、えへへ、と笑う。


「全校生徒の顔と名前は一致させるように、アズールから仰せつかってるんだよ。」


そんなヒメに応えるように、スカーレットも微笑みながらそう言った。


「そうなんだ~!アズール君って、オクタヴィネルの寮長だよね。」


「ああ。なんせ付き合いが長くてね。こき使われてるよ。」


そう冗談交じりにスカーレットが言うと、ヒメはまた、えへへ、と笑った。


そしてスカーレットの座っている反対方向の椅子に腰を掛けた。


「ということは、フロイド君とかジェイド君とかとも?」

 
「そうだね。あの二人は昔からほとんど変わっていないよ。特にフロイド。」


スカーレットは、小さくため息をつく。


「ああ…なんとなく想像つくなあ…。」


フロイドの姿を思い浮かべながら、ヒメも苦笑を浮かべた。


「たしか、フロイド君とは同じクラスだったよね。大変だなあ…」


「まったくだよ。君は…B組だったね。」


スカーレットは、記憶を探るような素振りをした後に、「ああ」と呟いた。


「ブッチか。羨ましいね。彼は軽そうに見えて意外と面倒みが良い。」


スカーレットは、共通の知人であるラギーの名を出す。


「そうなの!私も色々と助けてもらってるんだー!」


えへへ、と少し頬を赤く染め、ヒメは言う。


「確か…彼と君は恋仲だったね。」


紅茶を一口飲み、スカーレットは微笑む。


「え!何で知ってるの…?」


驚いたような声を出すヒメを面白がるように、スカーレットは小さく笑った。


「私もオクタヴィネルの一員だからね。情報集めは得意なんだ。」


「なんか恥ずかしいな…。」


先程よりも一層頬を赤くしたヒメにスカーレットはまた「ふふ」と楽しそうに笑った。



「そういえば、スカーレットちゃんはどうしてここに?」


ふと、思い出したようにヒメは尋ねた。


「書類をローズハートに渡しに来たんだ。ついでにお茶会にも参加させて貰ってるのさ。」


オクタヴィネルの副寮長はジェイドだが、彼も中々に忙しい。


スカーレットは、よく彼の仕事の肩代わりをしているのだ。


「そうなんだ!パーティーはどう?」


無邪気にそう聞くヒメに、まるで幼子を相手しているような感覚をスカーレットは覚えた。


「ふふ、とても楽しんでいるよ。ここは菓子のレベルが高いね。このカップケーキなんか、特に。」


スカーレットは、自分の目の前にあるカラフルなカップケーキを手に取った。


「ほんと!?それね、私が作ったんだよ!」


バッ、とヒメは立ち上がる。


「おや、それは驚いた。この場にルーク先輩がいたら『ボーテ、100点!』と言いそうだね。」


少しキョトン、とした顔を見せた後、冗談交じりにそう呟く。


「あ、確かに~!…えへへ、スカーレットちゃんとこうしてちゃんと話すの、初めてだったよね。」


同級生ではあるが、なにかと話すきっかけがなかった二人にとっては、対面して話すのはこれが初めてだ。


「そうだね。クロークとは馬が合いそうだ。良ければまた、パーティーに参加させていただいても?」


ふっ、と立ち上がり、手を前に持っていき、スカーレットはお辞儀をした。


「勿論!あ、それと、ヒメで良いよ!スカーレットちゃんは…レットちゃん、って呼んでも良いかな?」


小首をかしげ、耳を揺らしながらヒメは尋ねる。


「あぁ、問題ないよ。ではヒメ。私はそろそろお暇するよ。」


ふふ、と微笑み、スカーレットは歩き出した。


「うん、分かった!また遊びに来てね~!」


ヒメは大きく手を振りながら、新しくできた友人の背中を、無邪気に見送った。





「レッタ。」


ふと、スカーレットの耳に、聞き慣れた優しい声が聞こえる。


「おや、トレイ先輩。」


スカーレットの恋人である、トレイ・クローバーだった。


「お茶会は楽しかったか?」


メガネの縁を少し持ち上げ、トレイは微笑む。


「ああ、そうだね。新しい友人もできたし、それに…」


スカーレットは、先程の会話を思い出し、ふっ、と笑う。



「うさぎとお茶会だなんて、まるでおとぎ話のようだった。」


いつもとは違い、スカーレットは無邪気に笑う。


「あぁ…また、いつでも遊びに来てくれ。」


そう言い、トレイはスカーレットの頭を、優しく撫でた。

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-05
リリリ夢小説3
𓏸𓂂︎🪞𓈒みたリリのお隣はB組の魔法使い︎❤︎𓈒𓂂𓏸
みたリリྀི𝐃𝐫𝐞𝐚𝐦𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲︎❤︎

ツイステ夢小説コラボ


お友達のレナちゃんとのコラボ小説です🌨



⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバー君さんに心当たりのある方はUターン

・アズール・アーシェングロッドさんに心当たりのある方はUターン


ご了承ください。













『放課後ジェラシー!!』



放課後のナイトレイブンカレッジにて。


薄ら冷たい風が吹く中


黒髪のツインテールを揺らす少女が一人。



「(暇だ…)」


その少女、スカーレット・ビクシーガルが所属する部活はボードゲーム部。


元々部員の半数以上が幽霊部員で、まともに活動している者は両手で数え切れるほどに少ない。


まだまともに活動しているアズールやイデアも、今日は寮長会議で欠席。


恋人であるトレイも、今日は副寮長の集まりで忙しいよう。



スカーレットは、一人、部室で黄昏れていた。



ジェイドは副寮長の集まり。


フロイドは、今日はやる気があるようで、部活に参加している。



ぼぅ、っと窓の外を眺めていると、小さな音が聞こえた。


スカーレットは、目線を窓から扉へと移す。


すると、部室の扉が控えめな音を出して開かれた。


「やっぱり誰も…」


扉を開けたのは、長い銀の髪を持つ少女だった。


辺りを見回す彼女と、目が合った。


少女の桃色の瞳は、はっきりとスカーレットを捉えている。


「あら?貴女は…。」


スカーレットは、突然の事に驚きつつ、すぐに笑顔を作った。


「私はボードゲームの部員だ。エルーナ・アンジュ。何の用だい?」


その少女、エルーナの名を言うと、エルーナは少し驚いたような顔を見せた。


「何故、私の名前を…?」


少し警戒しながら、エルーナはスカーレットに尋ねる。


「全校生徒の顔と名前は一致させてあるからね。それに、この学園で女子生徒は珍しい。」


ニコリ、と効果音の付きそうな笑みを浮かべ、スカーレットは座っていた席から立ち上がる。


「私はスカーレット・ビクシーガル。オクタヴィネル寮生。君と同じ二年生だ。仲良くしよう。」


そう言い、スカーレット右手を差し出す。


エルーナは、一瞬驚いたが、すぐに微笑みを浮かべ、スカーレットの差し出した手を握った。


「ゆっくりしていくといいよ。君が探していたのは…アズールかい?」


「えぇ、渡したいものがありまして…。よろしければ、寮長会議が終わるまで待たせていただいても?」


そう言うエルーナの手には、丁寧に包装された小包があった。


なんとなく察しのついたスカーレットは、「勿論だよ」と微笑んだ。



「フロイド達からよく話を聞いているよ。アズールと最近仲睦まじい女子生徒がいる、ってね。」


スカーレットはそう言いながら、いつも飲むものより、少し高い来客用の紅茶をティーカップに淹れる。


それと共に、いくつかのお茶菓子をエルーナに提供した。


エルーナは「ありがとこざいます。」と頭を下げ、スカーレットの質問に答えた。


「アズールは良い友人ですわ。貴女は…フロイド達と仲がよろしいの?」


紅茶を一口飲み、尋ねる。


「あぁ…昔からの付き合いでね。幼馴染、というやつだ。」


そう答えると、エルーナは少し驚いたように「まあ…」と呟いた。


「もう一人幼馴染がいる事は知っていたけれど…てっきり男性かと。」


「れっきとした女だよ。ただ、たまに男に間違われるんだ。本当に失礼奴らだよ。」


冗談交じりにそう言うと、エルーナは小さく「ふふ」と笑った。


「貴女とアズールは仲が良いと思っていたけれど、幼馴染だったのね。」


スカーレットは、その言葉に「(おや)」と思い、少し頭を整理する。


アズールと仲が良い。


フロイド達からも名を覚えられている。


スカーレットがアズールの幼馴染だと知って、安心している。



スカーレットは、何か分かったように「なるほど」と小さな声で呟き、ニヤリと笑った。



「嫉妬、かい?」


そう言うと、エルーナは「…え?」と驚いたような声を出した。


「安心すると良い。私には既にフィアンセがいるし、アズールを恋愛的な目で見たことは一度もない。」


そうスカーレットが断言すると、さらにエルーナは困惑したような表情を見せる。



「何か勘違いされているようですが、私とアズールはただの友達ですわ…!」


エルーナは、焦ったように声を出した。


「おや、明らかに安心していたじゃないか。別に隠さなくても良いんだよ。」


スカーレットはエルーナの初々しい反応を楽しみながら、さらに畳み掛ける。


エルーナの頬は少し赤みがかっている。


すると、エルーナが座っていた席から突然立ち上がった。


「…やはり、寮長会議は時間がかかりそうですし、今日はお暇しますわ。」


早口でそう話すエルーナに、スカーレットは小さな声で「ふふ」と笑う。


「美味しいお茶とお茶菓子、感謝いたします。それではごきげんよう。」


逃げ出すように帰っていくエルーナの背中を、スカーレットは見送る。


ふと、机の上を見た。


「おや」


そこには、エルーナが持っていた小包が、ポツンと置いてある。


「これは…面白くなりそうだ。」


スカーレットは、先程の退屈な気持ちが吹っ飛んだような笑顔を、静かな部室で浮かべた。

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-05
リリリ夢小説3
レナリリのユニーク魔法発動!
レナリリ🎠妄想ドリーミング!

ツイステ夢小説コラボ


今回は、お友達のレナちゃんとのコラボ小説です💕



⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・エペル・フェルミエ君に心当たりのある方はUターン

・レオナ・キングスカラーさんに心当たりのある方はUターン


ご了承ください。













『追求ルチウス!!』



某日某所



「…ん?あれルチウス…。こんなとこで何やっての?」


昼休み、ぶらりと目的なく散歩していたレナ・フルールの前に現れたのは、トレインの愛猫、ルチウスだった。



「ニ゛ャ!?」


ルチウスは驚いたような声を上げ、レナから逃げようとする。


「え、ちょ、なんで逃げようとすんのよ!」


「ン゛ンー!!」



もしや何かやましい事が…?


そう思ったレナは、持ち前の運動神経の良さを活かし、ルチウスを捕らえようとする。


しかし、かなりすばしっこいルチウスは、なかなか捕まらない。


「(もう…嫌にすばしっこいんだから…!)」


レナが最後の一押しで、手を伸ばす。



しかし、レナの手が届くより先に、褐色のゴツゴツした手が、ルチウスを捕らえたのだ。



「…お前、何してんだ。」



鋭い目つき、長髪の髪、褐色の肌。


それは紛れもなく…



「レオナさん…!」


レオナ・キングスカラーだった。



「こいつ、こんなとこで何してんだ?」


レオナは、ルチウスの首根っこを掴んだままレナに問いかける。


「さあ…あ、レオナさん、ルチウスが何言ってるか、解読してくださいよ。私、動物言語苦手なんです。」


レナが名案!といったような表情でレオナに言う。


「…たく、しゃーねぇな。」


はあ、とため息をつき、レオナは掴んだままのルチウスを、自身の目の前に動かす。


「…ニャー、ニ゛ャ。ン゛ニャー。」


ルチウスは、バタバタ手足を動かし、抵抗しながらも話す。

レナには、何を言っているのか一切分からなかったが、どうやらレオナには理解できたようで


「…はっ、面白れぇ。」


と呟いた。



「え、ちょ。何言ってたんですか?」


レナがレオナに問いかける。


「すぐ分かる。…ほらな。」


レオナが、レナの後ろの方に顎を突き出す。

レナが後ろを振り向くと、そこには、走りながらルチウスの名を呼ぶ、生徒の姿が見えた。


「あ、あれって…」


「ルチウス~どこにいるんですかー」


ホワイトゴールドのまとめられた髪、小柄な体型。



「エリー!」

「ン゛ニャー!!」


レナは少女の名を呼んだ。


と、同時に、ルチウスが焦ったような声を出す。


「…あ、フルールさん…ルチウスも!」


パッ、と明るい表情を見せこちらに駆け寄ってくるのは、レナと同じB組のエリー・トレインだった。


「ルチウスは、ここに。探してたの?」


「ええ…!助かります。あら…?キングスカラー先輩も…ごきげんよう。」


「どうも。」


丁寧にカーレシーをするエリーに対し、レオナはぶっきらぼうに返事をした。




「ところで、何でルチウス追ってたの?」


レナが首を傾げる。

すると、少し困ったように、エリーは笑った。


「ええ、実は…」



話によると、エリーは朝早くに美術室の清掃を任されていらしい。


しかし、学園に入り込んだ野ねずみが美術室に侵入。


それを追いかけていたルチウスが美術室で暴れまわり、絵の具類がぶちまけられたそうだ。


しかもそれだけに留まらず、足に絵の具をつけたルチウスが廊下に逃げ出し、廊下もまた汚れてしまったという。



まさに、負の連鎖だ。



「それはまた…ご愁傷様。もう掃除は終わったの?」


レナがエリーの背を撫でながら、苦笑いを浮かべる。


「…いえ、実は私としたことが、放り出してきてしまい…」


ずん…、という擬音が見えてきそうなほどに、エリーは落ち込んでいる。



「エリー、良ければ私、手伝うよ。」


レナは、胸に手を当て、優しく微笑みかける。


まあ…、と感極まったエリーは、両手でレナの手を包み込んだ。


「フルールさん…なんて優しい方…。では、少し甘えさせていただいても、よろしくて?」


そう問うエリーに、レナは頭を縦に振る。


「うん、勿論!…て訳で、レオナさん、また。」


レナはくるりと振り返り、レオナに小さくお辞儀をした。


「さっさと行け。俺は寝る。」


ふわぁ、と大きなあくびをしたレオナは、その場に寝転る。


「授業サボっちゃ駄目ですからねー。」





レオナがその後、授業にきちんと参加したかは…どうか察してほしい。





以上です!

今回は、同じクラスの二人が、仲を深めたエピソードを書いてみました😍
また、出会いのエピソードも書きたいな~🤔💭

次回は、ヒメ・クロークちゃんとのコラボ小説を書かせていただきます💕

リリリ୨୧* 。 ゚・2022-12-10
リリリ夢小説3
レナリリのユニーク魔法発動!
レナリリ🎠妄想ドリーミング!

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に18作品あります

アプリでもっとみる

ツイステ夢小説コラボ


今回は、お友達のレナちゃんと、み~にゃとのコラボ小説です!

 


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・エペル・フェルミエ君に心当たりのある方はUターン

・ラギー・ブッチ君に心当たりのある方はUターン

・レオナ・キングスカラーさんに心当たりのある方はUターン


ご了承ください。













『放課後シークレット!!』



甘い香りに包まれて



優雅に紅茶を飲みながら



色恋話に花咲かせ



そんな放課後は、秘密の時間




「えへへ…!」


ヒメ・クロークは、ニヤリと笑いながら、白く長い耳をピクピクと動かしている。


「ヒメ先輩…明らかに目の色にハートが見えるんですけど…。」


そう呟くレナ・フルールは、苦笑いを浮かべながら、クッションを抱きかかえている。


「クローク先輩…何だか気分が良いですわね。何か良いことが?」


エリー・トレインは、アップルティーをティーカップに注ぎながら、控えめに尋ねた。


すると、ヒメはパッ、と顔を明るくさせ、嬉しそうに笑った。


「えへへ、実はね…来週の日曜日、ラギーくんとデートするんだ~!!」


と、その言葉に、レナとエリーの二人は「おー」と小さく歓声をあげる。


「楽しんできてくださいね、ヒメ先輩。」


レナがそう言うと、ヒメは「ありがとう!」と返した。


「クローク先輩のお召し物は、どれも素敵な物ばかりですわよね。」


エリーは、アップルティーとお茶菓子のマドレーヌを二人に差し出し、にこやかに微笑む。


すると、ソファーに座っていたレナも、うんうん、と頷く。


「私はあんまり、ああいう服は着ないし…凄くヒメ先輩に似合ってます。」


そうレナが言うと、ヒメは照れたように顔を赤く染めた。


「えへへ、何だか照れちゃうなぁ~!」


「本当ですよ。私は、ダボッとした、同じ系統のばっか買っちゃうんだよね。…あ、これ美味しい。」


レナは「うーん」と、少し苦笑いをしながら、マドレーヌを一口食べる。


「まぁ!有り難うございます。お洋服は…私は、お姉様方のお下がりばかりですわ。」


人差し指を頬に当て、エリーはこてん、と首を傾かせる。


「お下がりかぁ…良いな~。新しい服買いたいのに、お金なくってさ~!」


「うぅ…」と今にも泣きそうな声をあげながら、ヒメが机に突っ伏す。


「あら…ですが、自分だけのお洋服を買えるのは、少し憧れますわ。」


趣味の相違もありますし…、とエリーは付け足す。


「これはどちらにしろ、だよね。エリーは、自分の服とか持ってるの?」


レナのその問いに、エリーは首を降った。


「いえ…そもそも、あまり私服で外に出る事がないですし…。」


そのエリーの言葉に、ヒメの耳がピクリ、と動いた。


「え!それじゃあさ、また買いにいこうよ。レナちゃんのと、エリーちゃんの服!」


バッ、と突っ伏していた顔をあげ、ヒメは瞳を輝かせながらそう提案した。


その提案に、エリーも瞳を輝かせる。


「え?私のもですか?」


レナが、首を傾げてそう尋ねた。


「勿論!あくまでも個人の意見だけど、レナちゃんはストリート系が似合うと思うの!」


そう言うと、「こういうの!」とヒメが自身のスマホの画面を見せる。


そこには、ダボッとしたパーカーを着た女性や、同じくゆったりとしたパンツスタイルの女性が写っていた。


「あ、好きかも…。」


レナがそう呟くと、ヒメの瞳の輝きは一層増す。


「でしょ!?で、エリーちゃんはやっぱり清楚系のあまめコーデかなぁ…!」


と、また検索をかけ、画像を見せる。


そこには、淡い色のロングスカートを纏った女性が何人か写っている。


「レナちゃんは、髪色的に黒系似合いそう!エリーちゃんは、淡めでも水色系が特にマッチしてるかも…!」


ヒメのファッショントークは留まることを知らない。


ポンポン、と出てくる単語は、どれも服に無頓着な人では分からないようなものばかりだ。


「やっぱり…服の話してるヒメ先輩、ラギー先輩の話してる時並みにキラキラしてる。」


レナは、ふふ、とはにかみながら、そうエリーに耳打ちした。


「えぇ、ですわね。」


エリーも、小さく笑いながらそう呟いた。


「あ!…ごめん、私、語り過ぎちゃった…?」


ふと、ヒメが思い出したように言った。


レナとエリーは、顔を見合わせる。


そして、ふ、と同時に笑った。


「大丈夫です、ヒメ先輩。」


「もっとお話、聞かせてくださいませんか?」



三人の秘密の放課後が、幕を閉じることは、まだなさそうだ。










ついに、ついに三人の夢小説を書けた~✨

今回は、恋愛より、友情メインで書いたから、夢味少ないのはお許しください😭

めっちゃ楽しかった…!
次はお相手様も登場させたいな🎶

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-08
リリリ夢小説3
𓂂𓏸B組三人娘🪞マジフト部にゾッコン中…𓈒𓏸︎︎︎︎𓐍
♡🎶レナリリみたはさんこいち☝🏻⭐

ツイステ夢小説コラボ


今回は、お友達のヒメちゃんとのコラボ小説です😆

 


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・エペル・フェルミエ君に心当たりのある方はUターン

・ラギー・ブッチ君に心当たりのある方はUターン


ご了承ください。













『食堂スイート!!』



ある日の昼休み。


エリーは食堂の隅に、ぽつんと一人で座っていた。


いつも昼食を共にしているエペルは、部活関連の用事があるそうでいない。


友人が片手で数え切れるくらいしかいないエリーにとって、それはなんとも残念な事だった。


好物のパンプキンスープを口に運びながら、エリーは外を見つめる。


「(たまには、一人でお昼を過ごすのも、いいですわね。)」


そんな事を思いながら、食事を進ませる。


すると、パタパタ、とこちらに駆けてくる音が、エリーの耳に入った。


「ねぇ、あなた!」


そう、明るい声で声をかけたきたのは


ピンク色のうさぎの耳を持つ、見知らぬ少女だった。


「…えと…私、でしょうか…?」  


周りに人はいないが、確認のためエリーは尋ねる。


「そうだよ~一人?」


そう活気に答える少女は、首を傾げる。



「はい。…あの、あなたは…?」


「あ、そっか、初めましてだよね~。私はヒメ・クローク。2年生だよ~。」


少女は、おさげを揺らし、エリーに顔を近づけ、自身の名を言う。


それに続け、エリーも小さく頭を下げ、自己紹介をした。


「2年生…先輩ですね。私は1年のエリー・トレイン…えと、トレイン先生の…」


「あ、娘ちゃんでしょ~!」


エリーが続きを話す前に、クロークが思い出した、といったように言う。


「あら、ご存知で…?」


「うん。トレイン先生の娘が入学した、って、私達の間じゃ話題になったんだ~!」


名前と顔までは知らなかったんだけど…、と頭をかき、クロークは苦笑いをする。


「まあ…そうだったんですね。クローク先輩…ご交友深めさせていただけると幸いですわ。」


その場に立ち上がり、小さく頭を下げたエリーに、クロークは戸惑ったように声をあげる。


「わわっ、そんな固くならずに~!こちらこそ、よろしくね!…ねえところで、さ…」


クロークは、ジィ、っと目線をエリーのそばに置いてあるバスケットに移動させる。


「はい?なんでしょう。」


「その…エリーちゃんから甘い匂いがして…!」


甘い匂い…、少し考え、エリーは、あ、と呟いた。


「これ…でしょうか。」


「そう~!すっごく良い香りがして…何が入ってるの~?」


エリーの目の前の椅子を引き、そこに座ったクロークの瞳は、キラキラと輝いている。


「クッキーです。昨晩焼きましたの。…もし良かったら…食べますか?」


「いいの~!?」


先程よりも一層に瞳を輝かせるクロークに、ふふ、とエリーは笑いかける。


「勿論です。是非どうぞ。少々作りすぎてしまったので。」


「じゃあお言葉に甘えて…」


わあ~!と声をあげ、クロークはバスケットの中のクッキーに手を伸ばす。


そして一口。


サクッ、という音が、よく聞こえた。



「ん~!!なにこれすっごく美味しい~!」


クロークは二口、三口とクッキーを食べる手を進ませる。


「まあ、本当ですか?」


今度は、エリーが瞳を明るくさせた。


「本当、本当~!このクッキー…りんご入ってる、よね…?」


クロークが首を傾げる。


「はい!りんごのクッキーです。こちらは、いちごとチョコレートのクッキーで…良ければこちらも食べてみてください。」


エリーは、ピンク色のクッキーをクロークに差し出す。


「良いの~!?」


「ええ。勿論ですよ。」


クッキーを受け取り、クロークは大きな一口でそれを食べた。


「こっちはほろほろしてる…!苺の甘酸っぱさが、チョコのほろ苦さとマッチして…絶品だあ~!」


早口になりながら、食レポをするクロークは、立ち上がり、ん~!、と声をあげる。


「そんなに喜んでいただけるなんて…光栄ですわ。」


ふふ、と笑いながら、エリーは小さくお辞儀をする。


「本当に美味しいよこれ~!…あ、そうだ…」


すると、何かを思いついたようにクロークが手を叩いた。


「このクッキー、作り方、教えてもらったりって…できる?その、あげたい人がいるっていうか~…。」


少し頬を赤らめながらそう言うクロークは、まさに、恋する乙女。


色々と察しのついたエリーは、満面の笑みで頷く。


「勿論です!」



新しくできた、素敵な友人に、改めてよろしく、の意味もこめて。







以上です!

今回は、クロークちゃんとエリーちゃん、二人の出会い編を書いてみました!

予想以上に時間かかっちゃってごめんね😭


次は三人の小説を書きたいな~😆💕

リリリ୨୧* 。 ゚・2022-12-17
リリリ夢小説3
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みたリリྀི𝐃𝐫𝐞𝐚𝐦𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲︎❤︎

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバーさんに心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『相談ナイト!!』


前編



出会いなんて、別に普通さ


友人づてに紹介された君は


とっつきやすい笑顔を浮かべて



いとも簡単に





私の心を奪ってしまった






「お前が相談なんて、珍しいですね。」


しん、と静かな波が打つここは、オクタヴィネル寮、モストロ・ラウンジのVIPルーム。


時刻は十一時頃だろうか、二人の生徒が、対面してソファーに腰掛けていた。


「あぁ、すまない。こんな夜分遅くに。」


ニコ、っと微笑むのは、オクタヴィネルの寮生である、スカーレット・ビクシーガル。


スカーレットは、目の前に置かれてある紅茶を一口飲んだ。


「別に構いませんが…。手短にお願いします。」


そう言うのは、オクタヴィネルの寮長である、アズール・アーシェングロッド。


彼はいつもの貼り付けたような笑顔を崩し、少々面倒臭そうにため息を漏らした。


そんな顔を見せられるのは、スカーレットがアズールの幼馴染の一人だからだろうか。


「あぁ、分かった。手短に話そう。」


スカーレットは気にせず、ひと呼吸置き、口を開いた。




「意中の相手ができたから、アドバイスが欲しい。」


真っ直ぐな、ゴールドに光る瞳は、しっかりとアズールを捉えている。


「えぇ、意中の相手へのアドバイスですね…」


アズールは、胸元からペンを取り出し、ユニーク魔法を発動させようとする。


と、すぐさまその手を止めた。




「………は?」


先程までの面倒臭そうな表情はどこかへ飛んでいったのか、アズールはあっけらかんな顔をスカーレットに見せる。


「意中の相手…??」


「あぁ。」


「お前に??」


「あぁ。」


そうスカーレットが頷くと、アズールは、今にも瞳が落ちてしまいそうなほどに、目をかっぴらいた。


そして、少し頭を抱え、数秒経ってからまたスカーレットの方を向いた。


「…詳しく、聞きましょう。」


メガネのブリッジをあげ、アズールは怪訝な顔をする。


スカーレットは、小さく頷き、経緯を話し始めた。







「やあ、ミス・楽天家!暇そうだね。」


そうスカーレットに声をかけてきたのは、友人である、ルーク・ハントだった。


何かといざこざがあり、顔見知りになった二人は、性格が似ているからか、すぐに友人になった。


「あぁ、今日はボードゲーム部が休みでね。そういうルーク先輩こそ、暇そうじゃないか。」


冗談交じりに、くすくす、と笑いながらスカーレットは言う。


「あぁ、君を探していたんだよ、スカーレット君。」


そんな意外なルークの返事に、スカーレットは少し驚いたような顔をした。


「私にかい?またどうして…」


そう首を傾げると、ルークは、ふふふ、と楽しそうな笑みを浮かべた。


「我がサイエンス部で、小規模の実験展示会…いや、お茶会を開催していてね。君も良かったらどうだい?」


スカーレットは、その提案に瞳を輝かせ、頷いた。暇を埋めるには、もってこいの提案だろう。


「ぜひ、お邪魔させていただこう。」




サイエンス部では、月に何度か、部内で実験結果の展示会のようなものが行われる。


そこには、サイエンス部が育てた珍しい花や、魔法薬などが並んでいる。


また、簡易的なお茶菓子なども提供しているようで、たまにお菓子目当てに部員ではない生徒も来るよう。


「それでわざわざ私を誘ってくれたのかい?感謝するよ。」


「良いのだよ。君は紅茶が好きだろう?それに、君に紹介したい人がいるんだ。」


そう言うと、ルークはテーブルから席を外し、どこかへとかけていく。


と、数分後、ルークは、同じくらいの背丈をした男子生徒を連れてきた。


緑がかった髪に、黒縁のメガネ。


いかにも真面目そうなその人は、好意的な笑みを浮かべ、スカーレットに小さくお辞儀をした。



「俺はトレイ・クローバー。ルークから話は聞いてるよ。よろしく頼む。」





それが、彼との出会いだったんだ。





To be continued…

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-21
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバーさんに心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『告白サイエンス!!』


中編




菓子作りをしたあの日から、もう数日経った。


契約満了の日まで、一週間をきっている。


スカーレットは、少しずつ、自身が焦っていくのを感じた。


「(副寮長というのは、多忙なものだね。)」


あの日以降、声は何度かかけているのだが、どうしても日程が合わず、結局後回しになってしまっているのだ。


現在は昼休み。


スカーレットのため息は、食堂の騒がしさにかき消されていった。


「(計画立ては得意な方なんだが…)」


ふ、と自信を嘲笑うように笑うと、急に上から、影が降ってきた。


急なことに驚きつつ、スカーレットは警戒しながら後ろを見る。



「お前がため息なんて、珍しいな。」

「…トレイ、先輩。」



そこに現れたのは、現在のスカーレットの悩みの元凶である、トレイ・クローバーだった。


トレイはそんな事も露知らず、「隣いいか?」とスカーレットに微笑みを向けている。


スカーレットは、「あぁ」と少々引き攣った顔で頷き、隣の席の椅子を動かした。



「何か悩み事でもあるのか?」


トレイは気を使っているのか、いないのか、直球で尋ねてくる。


スカーレットは、「あぁそうだよ君のことでね!」と今すぐにでも言ってしまいたい気持ちだった。


と、それは流石にできないので、心の中にしまう。


「いや、何でもないよ。私だってため息くらいつくさ。」


そう笑うと、トレイはスカーレットと目を合わし、「そうか…」と、確実に納得していない声を出した。



そういえば、スカーレットには一つ、トレイにに聞きたいことがあった。



「一つ、質問してもいいかい。」


手前にあるエビフライを一口食べ、スカーレットはトレイの目を見た。


トレイは「何だ?」とまるで小さい子の相手をするように微笑み、グラスに入ったお茶を飲む。



「真実の愛は、存在すると思うかい。」

「ゴホッッ……は?」



スカーレットの性格には似つかわしくない言葉に、トレイは思わずむせる。


「だから、真実の愛。」


スカーレットの至極真面目な表情に、トレイは「ううん…」と頭を抱える。


「俺は…」



トレイは、からかっているのではないと結論付け、話し始めた。


「俺は、そんな物、存在しないと思ってるよ。」


口元は笑っているものの、まったく動いていない目は、トレイの心情をよく表している。



「結局皆、上辺を好き合ってるにすぎない、…と俺は思うな。全部さらけあって、無条件に信じあって…って俺にはできないな。」


苦笑いを浮かべながら、トレイはまた紅茶を一口飲んだ。


「…そうかい。」


スカーレットは小さく呟き、ふ、と笑った。



「トレイ先輩。明々後日の夜、鏡舎で少し話がしたいんだが、良いかい?」


スカーレットは、綺麗に完食し終わった皿を持ち上げ、上からトレイを見下ろした。


二つに結んだ髪が、スカーレットの目の横にかかる。


「明々後日か?ウィンターホリデーの翌日か…。分かった、空けとくよ。」


トレイはいつもの爽やかな笑顔をスカーレットに向けた。


「ああ、有難う。」


それでは、と言い、スカーレットは返却口に向かっていく。




『二週間の間で“真実の愛”を証明してみせなさい。それが、僕と貴方の契約だ。』


スカーレットの脳内で、アズールの声がこだまする。


(まったく、何が慈悲の心だ。)


はあ、と先ほどよりもさらに大きいため息を吐く。




(真実の愛を馬鹿馬鹿しく思っている人間と、それをどう証明しろって言うんだか。)





―決着をつけよう。




スカーレットは決心する。


ガランッ

大きな音を立てて、返却口に食器が置かれた。



教室へと戻る道を進んでいると、何人かの生徒が少し驚いたような顔でスカーレットを二度見する。


教室につくと、フロイドが興味深そうにスカーレットに声をかけた。





「なにー?レッタちょー不機嫌じゃん。」






―結果がどうであれ、私は一度決めたことの掌を返すのは、嫌いなんだ


―それが、たとえ良い結果の見込めない契約でもね



「別に、なんでもないさ。」




スカーレットは、珍しく眉間にしわ寄せ、ニヤニヤとしているフロイドと目を合わせてから、プイ、と顔を逸らした。







To be continued…

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-04-02
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・エペル・フェルミエ君に心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『運命エンカウンター!!』


前編



どこかの本で読んだお姫様は

皆、王子様と“運命”の出会いを果たして結ばれていた

運命なんてそんなもの、とお姉様達は言う

でも

それでも私は


そんなうわ言を、ずっと信じているの





ある日の昼休み。


まだ歩きなれていない学園の外を、エリー・トレインは歩いていた。

だだっ広いこの学園。

新入生であるエリーがなんの迷いもなく移動するのは、流石に無理がある。


そう、エリーは今、迷子なのである。


いつの間にか、人気のない場所についてしまい、エリーは首を傾げながら辺りを見回す。


「(やはり、何方かに聞いたほうが良かったのかしら…)」


エリーが向かっているのは、図書館。

まだ昼休みが終わるまで時間があるものの、このままではお昼を食べ終わるより先に、授業開始のベルが鳴ってしまう。

校舎内をひたすら歩いていれば、いつかはたどり着くと考えているエリー。


しかし、そもそも図書館は、校舎の外にあるのだ。

このままでは、一向にたどり着けやしない。


そんな事も知らないエリーは、ただ黙々と校舎内を歩き続ける。


…そんなエリーの耳に、ある声が聞こえてきたのだ。


ただ、それはエリーに向けられたものでは無かったが。



途切れ途切れの怒声。

それも一つではなく、二つ、三つほど聞こえてくる。


“ナイトレイブンカレッジでは喧嘩が多い”

そんなことを父であるトレインから聞いていたエリーは、心配と、少しの怖いの見たさで、声の聞こえる方向へ向かうことを決めた。




少し歩いた校舎裏のような場所で、喧嘩は行われていた。

喧嘩、と言っても、三人の男子生徒が、誰かを取り囲んで怒鳴っているよう。

三人の男子生徒の方は、今にも手が出そうだ。

エリーは物陰に隠れながら、絡まれている生徒の顔をこっそりと確認する。


ちらりと見えたのは、ラベンダー色のふわふわとした髪。

エリーと同じくらいの小柄な体型。



「(あの人は…)」



女子に見間違いそうなくらい可憐な見た目のその生徒を、エリーは見たことがあった。



「(エペル・フェルミエさん…?)」



エペルとは言葉を交わしたことはないが、入学式の出来事が、記憶に残っている。

フィンガーボウルの水を飲んだり、寮長であるヴィルに怒られていたり…。

なんとも目立つ行動をとる彼のことを、エリーはよく覚えていた。


そんな彼が、絡まれている。


同じ寮であるだけでなく、エペルとはクラスも同じだ。

流石に見てしまったからには、無視はできない。


そう思ったエリーは考え込む。


「(女の私がただ出ていっては、何も意味がない…)」


ならば、とエリーは一つ、深呼吸をした。

そして、男子生徒達に聞こえないよう、小さな声で呟く。




「信じ続けていれば、夢はいつか叶う、そうでしょう…?


…午前零時の忘れ物(ディスガイズ・グラスシューズ)」

 

そうエリーが言うと、彼女の体が青白い光に包まれた。


エリーの全身が光に包まれた頃には、あの小柄な姿はもうなくなっていた。

その代わり、ナイトレイブンカレッジの教員であり、エリーの父である“トレイン”の姿がそこにはあった。



『おい』


“トレイン”は、エペルを取り囲んでいる男子生徒達に声をかけた。

その一声だけで生徒達は驚き、肩を震わせる。

厳格と恐れられる“トレイン”に声をかけられては、流石の不良も怖気づくのだろう。



『新入生を大人数で囲うなど…余程この学園から出てきていきたいようだな。』


『今からでも、退学手続きを行ってもいいのだが。』


ひっ、と小さな悲鳴を上げた三人の生徒は、「すいませんでした!」と、どこかに逃げていった。


取り残されたのは、エペルと“トレイン”のみ。


生徒達の姿が見えなくなった事を確認し、“トレイン”はゆっくりと目を閉じた。


そうすると、“トレイン”の全身は先程のように、青白い光に包まれたのだ。






To be continued…

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-01-22
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・エペル・フェルミエ君に心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『運命エンカウンター!!』


後編



“トレイン”の体が青白い光に包まれると、その姿は、エリーへと変化した。

エペルは、意味がわからない、というような顔をしていたが、すぐ思い出したように頭を下げた。



「えと、ありがとうございました…トレイン先生…??」


語尾に?が付いているのは、現状を理解できていないからだろうか。

エリーは、少し考えた後、片手でカーテシーを行い、口を開いた。


「私はモーゼズ・トレインの娘、エリー・トレインと申します。以後お見知りおきを。」


それを聞いたエペルは、ああ…、と納得したように呟く。


「確か、同じクラスの…隣の席の。」


「ええ。寮も同じですわよ。」


寮…?とエペルは首を傾げる。

それもそうだ。と言うように、エリーは控えめに苦笑いをする。



「私は、他の生徒とは違い、自宅から登校していますの。」


「あ、だから教室以外で会うことが無かったのかな…?」


その問いかけに、エリーは頷く。

エペルは、まだ謎が解消されていないようで、微妙な顔持ちをしている。

エリーはなんとなく、エペルの聞きたいことが分かったのか、また苦笑いをした。


「さっきの…変身の事を聞きたいのですか?」


エリーの質問にエペルは、うん、と頷く。


「別に、変身薬の類を使った訳ではありませんわ。私の…ユニーク魔法、と言えばお分かりなるかしら?」


「ユニーク魔法、ってあの…?」


「ええ。私のユニーク魔法は、自分自身の姿や声を、“一度でも見たことがある生物”に変幻させる事ができますの。」



サックスブルーとペールラベンダーの瞳は、優しくエペルに微笑みかけている。

ツリ目がちだが、どこか気品のある顔立ちには、どうも目が行ってしまう。



「……あ、改めてお礼を言わせてもらっても良い…かな。」


エペルはもう一度お辞儀をする。


しかし、これでも男。

百歩譲って先生ならまだ良い。

しかし、今回助けられたのは女子生徒。

感謝はしていつつも、少しモヤモヤとした気持ちが残るのも仕方のないことだろう。
 


「さっきは、その…ありがとう。」



少し不服混じりに、しかしきちんとした感謝の言葉を、エペルは伝えた。



「この借りはいつかすます……返すよ。」


そう言うと、エペルは笑った。

借りをあまり作りたくない性格なのか、やはりエリーから見ても不服さは隠しきれていない。

エリーは心の中で少し笑いつつ、何かを思い出したようにエペルに尋ねた。



「その…フェルミエさん、お昼はまだお召し上がりになってなくて?」



その返答は、エペルの口からではなく、お腹から返された。


『グゥぅぅぅ』


エペルはう゛とした顔をしながら、小声で「まだ…かな。」と言った。



「まあ……でしたら、良ければご一緒しませんこと?」

「一度、フェルミエさんとお話してみたいと思っていましたの。」
 


エリーはふふ、と笑いながら、頬の近くで手を合わせた。



「あ、んだ!…じゃなくて…うん、勿論。あと名前…エペルで良いよ。」



時たま出る不思議な言葉は一体何なのだろうか。

エリーは少し不思議に思ったが、あまり気にせず、エペルの提案に頷いた。



「では、エペルさん、とお呼びいたしますわ。私の事も、エリーで大丈夫ですよ。」


「あ、だったらエリーサン…。食堂、今すぐ行ったら多分間に合うから。」


急ごう、と言い、エペルはエリーの手を掴む。

エリーは少し驚きつつも、自身の空腹の事も考え、すぐにエペルのペースに合わせ、走り出した。


二人の生徒が、食堂に向かって走る。

何とも学生らしい行動は、エリーの中では珍しかった。

少々軽快に、しかし急ぎながら、ふと、ある事を考えた。

 


「(これが、本で出てきた“運命”なのかしら…)」




エペルは、今すぐにでも何かを食べたい、というような表情でエリーを引っ張っている。


何だか照れくさくなり、エリーはまた、小さく笑った。

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-01-22
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバーさんに心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『告白サイエンス!!』


前編



「まあ、こんなところじゃないか?」



ナイトレイブンカレッジの休日。


ハーツラヴュルの調理室にて、トレイ・クローバーともう一人、異質な人物が作業をしていた。


「あぁ、これだけあればアズールも喜ぶよ。」


そう返したのは、最近よく話すようになった後輩、スカーレットだった。


装飾の施されたクッキー


ふわふわとしたスフレパンケーキ


その他にも、ミニサイズのタルトから、マカロン、プリン…


二人の目の前には、ズラリと多種多様のスイーツが並んでいる。


「すまないね、わざわざ付き合ってもらって。菓子の事ならトレイ先輩に、と聞いたものだから。」


この状況に至った経緯。


それは、前日に遡る。





「モストロ・ラウンジでスイーツを提供?」


ナイトレイブンカレッジの休み時間。


二年の教室の廊下にて、トレイは首を傾げていた。


その目の前には、本来ここにいるはずではない一年生、スカーレット・ビクシーガルが、微笑みを浮かべ立っている。



「あぁ。性別関係なく、菓子好きな者は多い。モストロ・ラウンジの顧客層の拡大を、とアズールから仰せつかってね。」


トレイは「なるほど」と小さく呟く。


「どこか空いている日があれば、良ければ試作品作りの手伝いをお願いしたいのだが…。」


「別に構わないぞ。ただ…」



トレイは、二つ返事で頷いた。


が、次の瞬間、右の口角をあげ、ニッ、と笑う。


「勿論、何か対価はあるんだろうな?」


そう尋ねると、スカーレットは少し嬉しそうに答えた。


「勿論だよ。今度のなんでもない日のパーティーの菓子を、全てモストロ・ラウンジから提供しよう。」


その大々的な対価に、トレイは少し驚いたような顔をする。


「対価に合っていない気がするんだが…」


良いのか、とトレイは首を傾げる。


「あぁ、顧客層の拡大はかなり大切だからね。それぐらいならお安い御用さ。」


そうスカーレットは笑うと、トレイは納得したような表情を浮かべる。


「じゃあそれで。生憎、午前中から空いてるのは明日しかなくてな。それでも良いか?」


その問いかけに、スカーレットは「勿論だ」と笑った。


「それじゃあ、基本的な材料はこっちで用意しとくから、他に何か必要な物があったら持ち寄ってくれ。」


「あぁ。それではまた明日。」


スカーレットは、小さく手を振り、自身の教室へ帰っていった。




そして今に至る。


もう既に試作品を作り終わった二人がすることは、一つ。



「さて、試食を始めようか。」


そう言うスカーレットの瞳は、心なしかいつもより光り輝いているように見える。


「はは、食に目がないのは、カモメの獣人だからか?」


冗談交じりにトレイは笑う。


「あぁ。カモメは雑食だからね。」


ふふ、と、不敵に笑うスカーレットの側には、既にスプーンやフォークが並んでいた。


「食べていいぞ。俺は先に器具の片付けやっとくから。」


トレイはそう言うと、使い果たしたボールやらハンドミキサーやらを洗面台に移動させた。


「あぁ、ではお先に。」


スカーレットは、ぱく、と一口、側に置いてあったプリンを食べた。


「上手いか?」


トレイは器具を洗いながら、スカーレットに尋ねた。


「とても。装飾を変えれば、オリジナル商品としての提供も可能かもしれない。」


よほど好きなのか、声色はいつもより少し高い。


水音でよくは聞こえないが、トレイの耳に微かに聞こえてくる鼻歌は、ところどころ音が外れていて、トレイは小さく笑ってしまう。


「トレイ先輩」


と、急に鮮明に聞こえてきたスカーレットの声に、トレイは手を止めた。


そして「なんだ?」と後ろを振り向いた。


プリンの欠片が乗ったスプーンが、トレイの目の前に差し出されている。




「トレイ先輩も、食べるといい。」


スカーレットは、そう言いながら微笑んでいる。


トレイは、急なことに少し困惑しながらも、現在手を動かせられる状況ではないことを伝えようとする。


しかし、スカーレットはむ、としたような顔をした。




「ほら、口を開けてくれ。」


え、と困惑させる事も許されず、スプーンを思い切り口に突っ込まれる。



「上手く作れたほうだと思わないか?」


気分の良さそうなスカーレットは、そう言うと席へと戻っていき、何事もなかったようにスイーツを食べ続ける。





「…」



トレイは、微妙な面持ちをしながら、スカーレットの手元のスプーンを見た。





あまり…気にしないやつなのか?





そんな事を、考えながら。





To be continued…

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-27
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバーさんに心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『相談ナイト!!』


中編



「俺はトレイ・クローバー。よろしく頼む。」


トレイ・クローバーと名乗った生徒は、ルークに促され、スカーレットと対面する位置の席に座った。


ルークは別の生徒のもとへと去っていく。


「…ハーツラヴュルの副寮長か。スカーレット・ビクシーガルだ。こちらこそ、よろしく頼む。」


スカーレットもまた、愛想のいい笑顔でトレイを迎える。


「ルークから、“面白い女子生徒がいる”って聞いてな。」


「おや、それは恐縮だね」


スカーレットは、ハーツラヴュルの知人から聞いた話を思い出した。


“トレイ先輩はハーツラヴュルの唯一の良心だ”


そういえば、そんな事を言っていたな、とスカーレットはジッ、とトレイを見た。


「君はオクタヴィネル…だよな。確か、リドルと同じクラスだったよな?」


その言葉に、スカーレットは表情を固める。


それに気がついたトレイは、はは、と苦笑いを浮かべた。


「もしかして…リドルは苦手か?」


「…苦手というか…どうも性格が合わないんだ。」


厳格で真面目で、細かいリドル・ローズハート。


そんな彼は今、ハーツラヴュルの寮長の椅子に君臨している。


同じ一年ではあるが、どうもよく教室では対立してしまうのだ。


「リドルの性格は、合う合わないの差が激しいからな…それこそ、オクタヴィネルの…」


トレイが続けようとする前に、スカーレットが「あぁ」と小さく呟く。


「フロイドかい?」


オクタヴィネル屈指の問題児の名を、スカーレットは出す。


双子の片割れであるフロイド・リーチは、スカーレットの幼馴染の一人であり、昔からの付き合いだ。


「そうそう…よくリドルと対立しているな。そっちでも有名なのか?」


「…生憎あれは幼馴染でね。昔からだ。」


はぁ、と深くため息をつきながら、スカーレットは首を振る。


「そうだったのか。…お互い、個性的な幼馴染を持ってるんだな。」


トレイは、苦笑いしながら呟く。


「フロイドは自由で、コロコロと言動が変わる。ローズハートとは真逆の性格だろう?」


スカーレットは、お茶菓子を一口食べつつ、幼馴染の愚痴をトレイに言う。


「そうだな…でも、あの二人は合わないなりに仲良くやっているようで、俺は嬉しいよ。」


そう笑いながら、トレイもお茶菓子を一つ口に入れた。


「仲良く、ね…。ローズハートは昔からあんな性格なのかい?」


「まあな…かなり厳しいが…根っこは良い奴なんだ。良ければ仲良くしてやってくれ。」


メガネの縁を上げながら、トレイは言う。


スカーレットは、その言葉に明確な返答はせず、ゴホン、と咳払いを一つした。


「まあ、お互いほどほどに頑張ろう。トレイ先輩。」


スカーレットはそう微笑み、右手を差し出した。


それに応えるように、トレイはスカーレットの手を逆の手で握る。


「俺はそろそろ、失礼するよ。」


トレイの前には、空になったティーカップが置いてある。


いつのまに飲み終わったんだろうか、などと考えながら、スカーレットは「あぁ」と頷く。


「楽しい時間を有り難う。良ければまた、遊びに来てもいいかい?」


その言葉に、トレイは「勿論だ」と返した。


トレイは席から立ち上がり、空になったティーカップを手に持つ。


「あぁ、そうだ。」


何かを思い出したように、トレイが立ち止まった。


スカーレットは、二つに結んだ髪を揺らしながら、「なんだい?」と首を傾げる。


「…お前はまだ一年なんだから、あんまり無理しすぎるなよ。」


優しげな目をしながら、トレイはそう言い、立ち去り際に控えめに頭を撫でた。


「……」


スカーレットは、一瞬あっけらかんな顔をする。


「初対面の女の頭を撫でるとは…」


はぁ、とスカーレットは大きく、深いため息をついた。


「まったく、人間はよく分からない。」


スカーレットは、誰もいなくなった席で、そう小さく呟く。






彼女は、耳だけをまるで薔薇のように、真っ赤に染めた。





To be continued…

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-22
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバーさんに心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『作戦フレンド!!』


前編



「さて、どうしたものかな。」



あれから七時間ほど経ち、もう既に外が明るくなったナイトレイブンカレッジにて。


アズールと契約したスカーレットは、早速頭を悩ませていた。


「(そもそもまだ出会って一ヶ月も経っていない状況で契約を持ちかけたのが失敗だったか…?)」



あのお茶会以来、すれ違えば挨拶を交わし、お互い両手が空いているときは世間話を交わし…。


日数を重ねるごとに、確実に話す機会は増えているはずだ。


だがしかし、相手はあのハーツラヴュルの副寮長。


というかそれ以前に、ナイトレイブンカレッジの生徒なのだ。


たかが数週間、少し世間話を交した程度の後輩に、心を開いて、親しくできる。そんな人物は、この学園内でもごく一部だろう。


それに上乗せして、スカーレットの所属はオクタヴィネル。


警戒されやすい寮でもあり、すぐには好意を持ってもらえないだろう。



はぁ、と、スカーレットは深いため息をつく。


そして、ふ、と小さく笑った。



「やれるだけ、やってみようじゃないか。」






一年の教室にて。


生徒が多く登校する時間帯。


何人かのクラスメイトが教室に入ってきたのを見計らい、スカーレットは外へ出た。


向かうのは、二年の教室。


しかし、それはトレイのいる教室ではない、別の教室だった。


スカーレットは、足を進ませる。






「やぁ、先輩。」


オレンジ色の明るく、少し長い髪が、スカーレットの視界に入った。


「あれ?スカーレットちゃん?珍しいね~」


ニッ、と明るい笑顔で彼女を迎えたのは、ハーツラヴュルの寮生で、スカーレットの一つ上の先輩でもある、ケイト・ダイヤモンドだった。


「あぁ、実は、相談したいことが……」


そう言いかけて、スカーレットはB組の教室にある時計を見た。


もうそろそろで、予鈴が鳴る時間になる。


ここで全て話していると時間がないだろう。


となると、またしっかりした時間を確保するほうがいいだろう。


そう考えたスカーレットは、少し考えてからケイトに言った。


「相談したいことがあるんだ。よければ昼休み、空けていてくれないか。」


ケイトは一瞬不思議そうな顔を見せたが、「オッケー!」とすぐに笑顔を見せた。




そして、昼休み。


食堂は相変わらず混み合っており、さすがにここで相談とはいかないだろう、と考えたスカーレットとケイトは、中庭に来ていた。



「わざわざすまない。」


そう、少し申し訳なさそうな顔をするスカーレットにケイトは「ぜーんぜん!」と笑った。


「それにしても、あのスカーレットちゃんがオレに相談か~。」


何聞かれるか、ソワソワする~、と冗談交じりに言うケイトに、スカーレットも小さく笑う。


「で、相談って?」


あぁ…、と、スカーレットはひと呼吸おいてから、もう一度口を開いた。


「意中の相手ができたから、アドバイスがほしいんだ。」


アズールに相談した時と、同じような言葉を、ケイトに投げかける。


ゴトッ


そんな音が、目の前から聞こえ、スカーレットはケイトの手元を見る。


と、ケイトが右手に持っていたスマホが、いつのまにか地面に落ちていた。



「…は、ちょ、スカーレットちゃんに!?」


ケイトは、一瞬あっけらかんな顔をし、すぐに信じられない、というような声を出した。


「あぁ、大体、四週間ほど前だろうか。」


そう笑顔で言うと、ケイトは小さく「結構最近じゃん!」と呟く。


「何分、恋愛には慣れていなくてね。」


そう苦笑いを浮かべると、ケイトは「あ~ね」と頷いた。




「それなら、けーくんに任せて!スカーレットちゃんがその人とくっつく手伝い、してあげるよ。」



ケイトは笑顔を浮かべながら、ピースサインをスカーレットに向けた。


「ありがとう、勿論、お礼は弾むよ。」





ケイトとスカーレットの作戦立ては、まだまだ続く。






To be continued…

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-26
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバーさんに心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『愛情コンフェション!!』





「好きだ、トレイ先輩。私と、恋仲に、なってくれ。」



そう言い放ったスカーレットの体は、冬間近という肌寒い季節にも関わらず、ふつふつと煮えたぎった湯のように熱い。


静寂が、鏡舎を覆う。





「…は」



トレイが、絞り出したような声を放った。


目は見開かれ、口も半開きだ。



「…信じられない、という顔だね。」



スカーレットは、酷く落ち着いていた。


これから、どんな答えが返ってきても、受け入れられる。


そんなおかしな自信が、スカーレットには湧いてきている。


はっ、と我に返ったように、トレイはぴくりと肩を震わせた。



「…スカーレット、それは…」



いつも悠々と、副寮長を努めているトレイからは想像もできないほど、あっけらかんとした声がスカーレットの耳に入った。



「冗談でも、嘘でもないよ。どうせ私のことなんて、ただの後輩だと思っていただろう?」


小さく笑ったスカーレットは、一歩後ろに下がり、帽子を目深にかぶる。


「これでもわかりやすい方だと思ったんだが…。まったく気づかれていなかったみたいだ。」


「あぁ…驚いたよ。」



トレイはさっきから神妙な面持ちをかがけている。




―さっさと振れば良いものを




このお人好しが、とスカーレットは小さく笑う。



「…俺は」


―あぁ、振られる。




スカーレットに息を呑む暇も与えずに、トレイは口を開いた。





「俺は…なんとも思ってない後輩の頭を、撫でたりしないぞ」







「……は?」






スカーレットは、一瞬、時が止まったように動かなくなった。



何を言われたか理解ができなかった。



目を見開き唖然としながら、目の前にいるトレイを見つめる。



困ったように眉を下げ、少しばかり口角の上がった表情からは、数分前の驚きに満ちた表情は連想できない。


先程とは立場が逆転したように、スカーレットもまた、声を絞り出した。


「からかって…いるのかい…?」

「そう思うか?」


にっ、と悪そうに笑うトレイを見ると、あぁ、この人もナイトレイブンカレッジの生徒だな、と実感する。



「そんな感情、1ミリも見せなかったじゃないか。」

「その言葉、そっくり返すよ。…お前には、俺が誰にでもああいう風に接すると思われてたのか?」



―あぁ、そうだとも


そう言おうとした口を、スカーレットは寸前で閉じた。


「…無言は肯定と受け取るぞ。」



トレイは呆れたように、ははっ、と笑う。


と、すぐに真剣な表情に戻り、控えめに右手を首元に当てた。


「あぁー…つまり、な…」


バツが悪そうに「うん…」と唸っていたトレイは、何か決心がついたように、また口を開いた。



「最初っから、下心込みだったんだよ。」



「……ふっ」



場面にそぐわないような、小さな笑い声が、スカーレットから漏れでた。



「おいおい、どうして笑うんだ。先に言ったのはそっちだろう。」


「いつものトレイ先輩からはかけ離れた答えが返ってきたからね…ふっ。」


スカーレットは尚、口を隠しながらだが笑っている。



「君は、恋愛事には興味がないんだと。」


小さくそう呟くと、トレイは小さく首を傾げた。



「もしかして…一昨日の事か?」


そうトレイが尋ねると、スカーレットは「あぁ」と頷く。


「いや、確かあれは本心だが…スカーレットは信じてるのか?」

「私だって、一般的な女子高校生だ。憧れは抱いていてもおかしくないだろう?」



当たり前だ、とでも言うように真剣な顔でトレイを見つめる。



トレイは、「へぇ」と興味深そうに笑った。



「でも…うん、そうだな。」





「お前となら、その“真実の愛”とやらも証明してみたくなったよ。」



―…やっぱりこの男は…


呆れながらも、先程より落ち着いたスカーレットは、ひと呼吸おいてから口を開いた。


「これから…よろしく頼むよ、トレイ先輩?」



スカーレットは手を差し出す。


「あぁ…こちらこそ。」


それを握手だと受け取ったのか、トレイはスカーレットに近づき、その手を握ろうとした。



と、トレイが手を握るより先に、ぐっ、とスカーレットが顔が近づけた。




―昔、父さんが言っていたな



人魚のお姫様が、海の魔女と結んだ契約。



契約の達成方法は、実に容易く、だが実に難しいものだった。






―真実の愛のキス、か…









真夜中の十二時丁度。


















二人の唇が、静かに重なった。

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-07-20
リリリ夢小説3

ツイステ夢小説


⚠創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

・トレイ・クローバーさんに心当たりのある方はUターン

・地雷考慮なし


ご了承ください。












『告白サイエンス!!』


後編




「なんかさぁー。」


オクタヴィネル寮、談話室にて。
フロイドが不機嫌そうに手を首に当てた。



「最近のレッタ、変じゃね?」

「頭がおかしいのはいつもの事では?」



ジェイドがふむ、と顎に手を当てて首を傾かせる。



「それは知ってるー。そう言う意味じゃねぇって。」



オクタヴィネルの談話室は、いつもそれほど騒がしくない。

特に、今日はウィンターホリデー前日ということもあり、寮生は全員自室で明日に向けた用意をしている。

その事もあり、ガラリとした談話室には、アズール、リーチ兄弟、スカーレットの四人のみが居座っていた。



「アズール、貴方なら分かるのでは?レッタが不機嫌な理由。」



ジェイドが、何か含みでもあるような視線でアズールに尋ねる。
アズールは、ふ、と小さく笑い、どうでもいいとでも言うように口を開いた。



「さあ、僕は存じ上げません。仕事に支障が出ていないうちは、放っておくのが吉でしょう。」



眼鏡のブリッジを上げたアズールは、興味のなさそうに経営誌を読んでいる。
リーチ兄弟は一度目を合わせ、アイコンタクトを取った。



「(ぜってー何か知ってんじゃん)」

「(あまり詳しく聞いてはいけないようですね)」



二人は視線をスカーレットに移動させた。

珍しく紅茶ではなくコーヒーを飲んでいるスカーレットは、何か考え事をしているようだ。



「…俺つまんねぇから部屋戻るわー」

「僕も、テラリウムの経過観察をしなければ」



フロイドが面倒臭そうに、談話室を去っていく。
ジェイドも、ニコリと笑い、自室へと戻っていった。


二人っきりになった談話室には、ページをめくる音と、コーヒーが喉を通る音のみが響いている。


先に口を開いたのは、スカーレットだった。



「今日、しようと思うんだ。告白。」



アズールは、一瞬スカーレットに目線を移したが、すぐに何もなかったようにそれを雑誌へと戻した。



「そうですか。…まあ、応援していますよ。」



一ミリも思ってもいないようなことを言ったアズールは、手を止めず、雑誌をパラパラとめくり続ける。



「お願いがあるんだ、アズール。」



はい?とアズールはパッ、と顔を上げ、怪訝な顔でスカーレットを見る。




「結果を伝えるのは、明日でも良いかい。」

「…まあ、構いませんが。」

「ああ、感謝するよ。」




ふ、と笑い、スカーレットは、おやすみ、と談話室を去っていく。

アズールは、パタッ、と経済雑誌を閉じ、小さなため息を漏らした。




「まったく、仕方のない幼馴染だ。」





スカーレットは、鏡舎に通じる鏡から飛び出した。


すべての寮へ通じる鏡のあるここ鏡舎は、遅い時間になるとパタリと人が絶える。

寮からも、すぐ来れてすぐ帰れるだけでなく、時間帯によっては人もいない。

鏡舎はもってこいの場なのだ。




と、見知った影が一つ、あった。




―ああ、もう来ていたのか




「…やぁ、トレイ先輩。」

「お、スカーレット。」



トレイは、ニッ、と初対面のときのようにとっつきやすい笑顔を浮かべた。



「すまない、またせたかい?」

「いや、大丈夫だ。…で、今度はどんなお願いなんだ?」




スカーレットは小さく首を傾げた。

もしや、またモストロ・ラウンジの話をしにきたと思われているのだろうか。


困ったお人だ、とスカーレットは小さくため息をついた。



―まったく、鋭敏な者だと思っていたのに…




スカーレットは、仕方ない、とトレイにグイッと顔を近づける。



「そうだね、トレイ先輩」



急に近づいた顔に驚いたのか、トレイは少し後ろにたじろいた。



「私はね、遠回しが嫌いなんだ。」



ニヒッ、と笑うスカーレットは、まるで幼子のようだ。





しかし、そんな彼女の耳元は、薄く赤で染まっている。





―出会って四ヶ月と少し

それが何だって言うんだ



出会った期間なんて、別に関係ないだろう

こちとら、恋愛慣れしていない、ただの鳥なんだ

惚れっぽいのは、許してくれよ







スカーレットは、グイッ、とトレイの寮服のシャツを引っ張った。







「好きだ、トレイ先輩。私と、恋仲に、なってくれ。」






顔見知り、先輩と後輩、年上と年下。
スカーレットとトレイの関係など、結局はその程度だ。

スカーレットが、この先の言葉や行動などの様々の予測をしても、全て結果は『失敗』に終わる。



苦笑いして流されるか、無かったことにされるか、「ごめん」と言われるか。








―さあ、振るならさっさと振ってくれ、トレイ・クローバー

君からの“慈悲”なんて、受け付けていないんだよ

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-04-05
リリリ夢小説3

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・地雷考慮なし


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『相談ナイト!!』


後編



「…なるほど…。」


アズールは、げっそりとしたような顔をしながらそう呟く。


「おやおやアズール、その顔はどういう感情の顔だい?」


スカーレットが冗談交じりそう尋ねると、アズールは間髪入れずに答えた。


「幼馴染の恋愛話を聞いているときの僕の感情を表しているんですよ…。」


アズールは、はぁ、と大きなため息をつき、緩めていた背をピン、と伸ばした。


「それにしても貴方、随分と簡単に恋に落ちてしまうんですね。」


呆れたように、アズールは言う。


「そうかい?ラブストーリーは突然に。なんて、よく言うじゃないか。」


ニコッ、とスカーレットは楽しそうな笑顔を向ける。


「…まあ、良いでしょう。ですが貴方も、僕がそう簡単にアドバイスをするとは思っていないでしょう?」


アズールが胸に手をあて、いつもの営業スマイルを浮かべながら問うと、スカーレットは勿論だ、とも言うように笑顔を返した。


「情報収集、無償での労働二倍、営業…私のできる範囲の事なら、全て対価に授けよう。」


その言葉に、「ほぅ…」とアズールは目を細ませる。


そして、アズールは、何秒か同じ姿勢のまま静止したのちに、ゆっくりとソファーから立ち上がった。


そして、どこからか持ってきた瓶を、スカーレットの目の前に置いた。


コトリ、と置かれたその瓶の中には、黄色がかった薄い橙色の液体が入っている。


「これは…」


スカーレットは、その瓶をじっ、と見つめる。



「…忘れ草、という花をご存知ですか。」


アズールは、ふっ、と微笑みながら続ける。


「東方の地域で愛でられていた花なのですが…。その花の花言葉の一つに、『愛の忘却』があります。」

「この魔法薬は、その忘れ草の蜜と、妖精の羽の粉、人魚の涙で作った物です。」


そして、彼は、自身のユニーク魔法ではない契約書を取り出した。


スカーレットは、ただただ黙って、その瓶を見つめている。


「この魔法薬を飲むと、二週間後、意中の相手への“恋心”のみを、さっぱりと消しさることができる。」


時刻は十一時をまわっている。


しかし、そんな遅い時間にも関わらず、二人の間にはピン、と張った糸のような緊張感があった。


「しかし、この薬には、一つ欠点があります。」


アズールは瓶を持ち上げ、それをくるくると回した。


「飲んだ者が“真実の愛”を証明してしまうと、薬の効果がなくなってしまうのです。」


残念だ、とでも言うように、アズールは眉を下げる。



「…さて、レッタ。契約の時間です。」


スカーレットは、何度もこの顔をしたアズールを、隣で見てきた。


しかし、それが自身に向けられるのは、これが初めてだ。


「ちょうど二週間後、何が始まるかご存知でしょう?」


その問いかけに、スカーレットはハッ、と目を開く。


「ウィンターホリデー?」


アズールは「正解です」と呟き、続ける。



「期限は二週間。この薬を飲み、二週間の間で“真実の愛”を証明してみせなさい。それが、僕と貴方の契約だ。」


スカーレットは、戸惑うわけでも、恐れるわけでもなく、口角をあげ、笑顔を浮かべた。


「対価は?」

「そうですね…では、ウィンターホリデー中の当番制の掃除、全て貴方が行う、というのはどうでしょうか?」


いつもより随分と軽い対価は、恐らくアズール自身にとって、なんの損得も起きないからだろうか。


「あぁ、問題ない。」


楽しそうに、まるで無邪気な子供のように、スカーレットは笑う。


そして、契約書に自身の名を刻んだ。


「では、契約成立ですね。」


ニコッ、と微笑んだアズールは「さあ、どうぞ。」と魔法薬の入った瓶を飲むように促す。


スカーレットは蓋を開け、薄い橙色をした魔法薬を、口へと流した。


ゴク、ゴク


そんな音をたてながら、瓶の中に入った液体は、段々と減っていく。


そして、空になった瓶を、アズールの前に置いた。


「…有意義な二週間にしてください。」


スカーレットは、「あぁ」と頷き、ソファーから立ち上がった。


「アズール、今日は有り難う。結果報告を楽しみにしていてくれ。」


それじゃ、と右手を振り、スカーレットはVIPルームから去っていった。





「(…本当に、まるで嵐ですね。)」



残されたのは、静寂とアズールただ一人。


アズールは、ふぅ、と一つため息をつき、スカーレットが去っていった扉を見つめた。




「真実の愛、ですか…。」


アズールは、ふっ、と嘲笑うような笑顔を浮かべた。


「そんな確証のない物に、よく契約できますよ。」


そう小声で呟いたアズールは、ソファーから立ち上がり、何事もなかったように自室へと戻っていく。




さぁ、せいぜい足掻いてみせなさい、レッタ。



これが、僕が与える




貴方への“慈悲”だ。




END

リリリ୨୧* 。 ゚・2023-03-25
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