ハルユー・2023-04-09
優しい傷の治し方
どこかへ行きたい…が
口癖になってた
無意識のうちに
あてもない旅なんて
する勇気もないくせにね
だからせめて
まだ見ぬ貴方に
つたない手紙を描いてます
明日また
会いましょう
ミルク色の記憶のカーテンを
揺らしながら
遠い昨日を振り返る
幸せの時 絶望の時
その時間をくぐり抜けた
いまがある
新しい傷も古い傷も
時の中で優しさに変わる
歪んで見えても
取り止めもないように見えても
生きることを
諦めなければ
生きることを
おろそかにしなければ
その手を優しい温もりが
包む
きっと きっと
大丈夫
きっと きっと
あなたは愛されるから…
サヨナラの涙が
いつか
甘酸っぱい果実に変わる日
その時 心から
ありがとうって
あなたに言える気がする
だから素直じゃない私を
今は許さなくていいよ
強がりを繰り返して
造り笑いが上手くなった…
鏡の中のあなたは誰?
私じゃない私に問いかける
春の宵に
舞い散る花を見上げながら…
今日のわたしを
許せたならば
明日のわたしは
また少しだけ遠くまで行ける
なんの根拠もない未来を
信じながら…
私の弱さと
あなたの弱さを重ねた時
強さが生まれたならいいね
繋ぎ合う手の強さと
同じくらいに…
自分の本音(キモチ)を
はぐらかすくらいの術を
私はもってる
笑いながらあなたも
自分の心も斬り捨てられるよ
それがあなたの
幸せに繋がるならば…
そう云いながら
水の中で泣いてるんだ
嘘つきなわたしは…
サヨナラを
ミルク色の霧に溶かして
時の奥底に鎮めてしまおう
誰も傷つけず
誰も傷つかない
そんな恋の終わりなんて
あるはずもないけど…
泣くのは私だけでいいから
指先に響く
トレモロの嘆き
ナミダも枯れて
遠い目をしてる私に
まだまだ泣いてもいいよと
囁やくように