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#夏のある日

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全1作品・

.夏蝉と君の笑顔.
─────────────────
_高校三年生の夏。蝉が今年もうるさいほどに鳴いていて、夕日が私を照らす。今は午後6時。私は帰路を歩いていた。隣には幼馴染みが、手で風を起こしながら暑い〜、と言っている。
『はやく秋にならねえかな。』
「まだまだ遠いよ。夏は暑いのが当たり前なんだし。」
『でもさあー…』
どんなに答えても、駄々をこねて言い訳をするのはいつものこと。だから、いつものように返答することにした。
けれど、今日の幼馴染みの様子が変だった。
「なんかあった?」
『え?なんで。』
ぽかんとして頭にはてなマークを浮かべる幼馴染み。それを見て、自分のことには鈍いな、と思いながら答えた。
「なんか今日、様子が変だから。」
『あー…長くなるけど、聞く?』
前置きて聞く幼馴染みに少しイラッと来たが、素直に頷くと、幼馴染みは急に寂しそうな微笑みを浮かべた。
『俺ら、もう高三じゃん?大人に近づいてくる時期で、色々と先生から言われるんだよ。今頑張らないと将来つまずく、とか。大抵の人は気にするな、とか言うし、俺もあんまり気にしてなかった。けど…最近、思うんだ。このままで大人になれるのか、って。そう思ったらどんどん怖くなって、でもクラスメートとか友達にも言えなくて。…』
幼馴染みは黙った。さっきの微笑みよりももっと、悲しい顔をしながら。私は何も言えなかった。黙った私に気を使ったのか、幼馴染みは笑顔を作って、
『暗い話してごめんな!お前も高三なのに、こんな話して。』
と、いつもの口調で謝った。けれど、無理やり笑顔を作って、もう何も悩んでいないというフリをしているのがすぐにわかった。
『ま、夕方だし、もう帰ろーぜ。』
幼馴染みはそう言って、止まっていた足を動かす。その足を止めるように、私は言った。
「…無理しないでね。」
無意識的に言ったのか、意識的に言ったのか、自分でもよく分からなかった。幼馴染みは目を見開いて、暫く黙りこくった。だけど頷いて、寂しげのない、太陽みたいな笑顔に戻った。
『ほら、置いてくぞ。』
「あ、待ってよ!」
夕陽の照らす帰路で、再び歩き出す。幼馴染みはさっきの悲しげな雰囲気はどこかへ行き、明るい顔をしていた。
 蝉の鳴く夏のなかで、幼馴染みのあの笑顔が、太陽よりも輝いていた。 .𝕖𝕟𝕕.

Lira🎧・11時間前
長編「夏蝉と君の笑顔」
幼馴染み
高校三年生
夏のある日
君の本音
君の笑顔
最後までよんでほしい
小説🎧/by.Lira🎧

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