#夏風

あの夏、聞いていた

夏風にそよぐ風鈴の音色
木立に響き渡る蝉時雨
ぼくを呼ぶきみの声

あの夏、見ていた

さざ波押し寄せる海
入道雲に包まれる空
ぼくを見るきみの目

忘れないでいてくれるかい

ぼくが君を好きだったこと

この夏、また聞きたくて
この夏、また見たくて

ぼくは今もきみを忘れない

海の向こう

爽やかな風が吹いてきた

空の向こう

涼しい風がやってきた

光の向こう

よく知る風が吹いてきた

その夏は風のように
きみとあたしと彼女を駆けた
途切れた連続写真で再生される
記憶はまだ鮮明だけど
わりと短かくなってしまった
そう思いながら浴衣を手にすると
変わらない感情が湧く
またあの夏とは違う夏が来たから
あのとき過ぎた夏風も
また遠くなるんだ

四年前の私へ。



我慢することが美徳だと思っていませんか？

どうせみんながみんな同じような人ばかりだと
自分勝手に世界に絶望していませんか？


お願いだから1度でいいから
その醜い仮面を外してください。

私が私でなくなってしまうから。
もっともっと誰かを恨むことになってしまうから。



あの日本当は、彼は待ってくれていたそうです。
ずっと。

私も最近知りました。


無理してでも「大丈夫」って魔法を信じてください。
その魔法は気付かないうちに勇気に変わるはずだから。

1秒でいいから
誰かの顔を見て
言葉を感じて
外に出て


その先にある運命がどれほど辛いものなのか、
そのときのあなたは知らない。

だから知らないままでいて。
そしたらあなたの腕は傷つくこともなく
誰かに陥れられたり壊されたり奪われることもない。


誰かを頼る、ということを少しでいいからやってみて。

宿題みせて、とか
ごめん手伝って？、とか

小さなことでいい。
我慢しないで。

爆発したときが怖いから。


だから


だからどうか
飛び降りなんてことするのやめて。

やめておけばよかった。

臆病なわたしは

あなたのもとへ

出向く代わりに

風の囁きを贈る


たとえ

あなたのこころには

届かずとも

夏風が通りすぎる。
そのころ
僕らはウキウキのカップル。
浮気なバカンス。