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#小人シリーズ

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全1作品・


運命の人

きっと誰もが恋焦がれ、待ち焦がれ

出逢うその日を夢に見る



「……現実は甘くない」

結婚適齢期と言われる年齢も疾うに過ぎ

会社では厄介者扱いの

御局様と化している私は

最早そんな甘い夢など見ていられない



仕事帰り

頻繁に立ち寄るインテリア雑貨店は

荒んだ心を和ませてくれる

お気に入りの場所だ


「メイク用の鏡割れたし

新しいの買おうかな」



店の奥に歩みを進めると

鏡の陳列棚には不自然な程の

小人の置物が一体飾られている


「……え、なんかすっごい見られてる感」

リアルなその顔が、若干気持ち悪い



「今、俺のこと気持ち悪い思たやろ」

「……っ」


言葉にならないとはこの事だ

置物だと思っていた小人が

顔をこちらに向け

口を開けて喋ったのだから



「な……、え?何?」

冷や汗が首筋を伝う

ストレスで頭がおかしくなったのだろうか


「はぁ、その反応傷つくわ

人を宇宙人を見るかのような目で見よって」



この小人、一丁前に溜息まで吐いている

硬直した身体をなんとか動かすが

足を引くだけで精一杯だ



「言うたそばから後退るなや」

「……なんで関西弁」

「親近感湧くやろ?」

「いや……、親近感要らないし」



思わず私は周りの目を気にするが

幸いこの陳列棚付近には私しか居ない

手早く鏡を選んでこの場を離れよう



「あぁ、俺を無視してええんかなぁ?」

「っ……、何」

「お前さん、〝運命の人〟って

興味あらへん?」

「ないですっ」

「そこはありますって言うとこやろがい」

「いやいや、変な宗教ならお断りです」

「お前さんにぴったりの鏡が

あるんやけどなぁ」



絶対変なもの買わされる


だがしかし、人間とは不思議なもので

未確認生物の発する言葉に

どこか惑わされ始めるものだ



「……ぴったりの、鏡?」

「そや。運命の人と出逢わせてくれる鏡や」


ごくりと喉を鳴らせば

小人はその隙を逃さない



「お前さんにだけ特別や」

「なんで……」

「運良く俺の事見えたっちゅうことは

お前さんは精霊に選ばれし者ということや」



口の達者な小人だ

まんまと

その気になってきてしまうではないか



「鏡なんかで、どうやって出逢うの」

「鏡なんか、って言うとったら

罰が当たるぞ

鏡には不思議な力が宿っとる」



そうしてその小人が案内した場所には

アンティーク調の置き鏡があった



「歩いた……歩いてた……変な小人が……」

「なんか言うたか」

「いえ、何も……」

「その鏡が、これや」



引き寄せられるように手に取ると

胸の奥がじんと熱くなる


「ええか、よく聞け。一ヶ月後や

この鏡を使い始めて一ヶ月後

お前さんは運命の相手と出逢う」

「一ヶ月後……」

「だがな、この鏡の不思議な話を

誰かに話してしまったり

見られてしまったら……」

「見られてしまったら……?」

「運命の相手は二度とお前さんの前に

姿を現さんと思え」






-----あとがき-----

短編小説を書かなきゃならない時に

短編になりそうになくて

ボツにした小説( ̄▽ ̄;)


久々の小人シリーズ(๑´ლ`๑)フフ

なぜかいつもコメディになるのは

なぜだろうㅎㅎ

Mari・15時間前
物語&小説/from:Mari
小説
案内人は小人のジン
第1話
小人シリーズ
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