moon🌛*゜・2025-09-28                                    
                                            独り言!                    
                                            打楽器                    
                                        今日は久しぶり
                            カホンでのセッション
                            曲は
                            YOASOBIの優しい彗星
                            オリジナル曲
                            
                            昼間からスタジオなんて
                            新鮮
                    
                            傷だらけになりながら
                            必死に積み上げた努力を
                            「才能」の一言で片付けられることが
                            他の何よりも大嫌い
                            私が毎晩1人で泣いてたこと
                            毎日打楽器のことだけ考えて
                            隠れてたくさん練習してたこと
                            何も分かってない人に
                            ずっとろくに練習もしてなかった人に
                            「才能だね」そんなこと言われたって
                            少しも嬉しくない
                            私は「打楽器の才能」よりも
                            「限界まで努力できる才能」を
                            誰かに見つけて欲しかった
                    
                            先輩から受け継いだスネアドラム
                            打楽器の中でも特に大切なパート
                            苦しくなることだってたくさんある
                            「なんで思い通りに
                            先輩みたいにできないんだろう」
                            そうやってたくさん悩んできた
                            でも、それだけじゃない
                            「ここは、ここだけは
                            先輩にも負けないくらい上手くできた」
                            そんな自信が、また頑張る理由になって
                            何度も練習を重ねて
                            出したかった音が形になっていく
                            できたって喜びも増えていく
                            だから打楽器は辞められないんだ
                    
                            「やり遂げる勇気があれば
                            全ての夢は実現する」
                            その言葉だけが
                            何度も私を立ち上がらせた
                            
                            曲が始まった瞬間
                            全部の神経を指先にかける
                            
                            スティックが打面に当たる瞬間
                            だけじゃない
                            振り上げる瞬間がズレれば届かない
                            私が一瞬でも焦れば
                            全体が崩れることだってある
                            そういう楽器をしてる
                            
                            できるかじゃない
                            できなきゃいけない
                            
                            ただ叩いてるだけが打楽器じゃない
                            ストロークの角度も、速さも
                            誰にも見えないところで
                            何度も練習して、何度も悔し涙を流して
                            その度にまた何度も研究した
                            
                            できた時の自分が
                            できなかった時の自分を許せるから
                            
                            だから私は今日も叩く
                    
                            朝早く起きて
                            誰よりも先に音を鳴らした
                            1人で楽器に向き合った
                            不安を消すように、毎日準備をしてきた
                            
                            ミスが怖いなら
                            ミスしなくなるまで叩けばいい
                            足りないなら
                            足りなくなくなるまでやればいい
                            涙が溢れる夜はあった
                            でも泣くより
                            握ったスティックを信じたかった
                            
                            本番だけがすべてじゃない
                            そこに立つまでに積んだ時間が
                            自信にも、強さにもなると知ったから
                            
                            誰も見ていなくても
                            私は私の努力を知ってる
                            だからこの夏、絶対とりたい
                            準備してきた、それだけは負けてない
                    
                            腕が痛くても、手が傷だらけになっても
                            みんなを支えなきゃいけない
                            どれだけ想いが込もっていても
                            そんなの関係なく上手い下手はつく
                            努力は「才能」の一言で片付けられる
                            
                            泣いた日も、絆創膏だらけの指も
                            誰も気づかない
                            でも、ステージの上では
                            心の奥まで全部、見透かされる気がした
                            
                            だから私は毎日、自分と戦ってた
                            できないことに向き合って
                            それでも打楽器を叩く理由を探してた
                            
                            完璧には届かなくても
                            才能がないって分かってても
                            ただ、あの一瞬だけは
                            自分を信じて、響かせようとした
                    
                            2日前「できない…」って
                            寂しい声で呟いて投げ出したあの子が
                            今日は「できた!」って
                            嬉しそうに笑ってくれた
                            その笑顔のきっかけになれたことが
                            先輩として、すごく嬉しかったんだよ
                    
                            マレットを握ると少しだけ心が整った
                            誰にも言えなかった気持ちも
                            音になって誰かに聞いて貰えた
                            
                            上手く演奏出来なくても
                            演奏したい理由はちゃんとあった
                            
                            誰にも見えない場所で
                            ずっと自分と向き合ってきた
                            
                            言葉にできない感情が
                            全部音となって飛んでいった
                            
                            練習終わり、最後の1音を鳴らすと
                            今日の自分を
                            そっと抱きしめるような気持ちになった
                    
                            コンクールまであと
                            13日
                            
                            私が歩んできた道を
                            正解にしてみせる
                    
                            グロッケンの音に感情を乗せて
                            気持ち良く歌うのが
                            得意で大好きだった
                            どこまでも響いていくような気がした
                            ただの金属の板に見えても
                            曲に歌詞がなくても
                            1年前はちゃんと歌えてる気がした
                            私の全てを音に乗せて届けてた
                            今は違う
                            今の私の音は誰の心にも響かない
                            このままじゃ先生に届けられない
                            最後になるかもしれないんだ
                            先生に聴いてもらえる最後のチャンス
                            私は先生に勧められたスネアだけじゃ
                            どれだけいい演奏をしても
                            多分、先生のことを諦められない
                            初めて打楽器に触れた時から
                            先生から何度怒られても
                            1番大好きなのはグロッケンだったから
                            私は私が1番好きな楽器で
                            1番先生に怒られた楽器で
                            最高の音に乗せて
                            「ありがとう」を届けたい
                            あの頃よりもずっと上手くなった音を
                            先生に聴いて欲しい
                            だから私は今日も
                            この楽器に向き合うんです
                    
                            たしかに、打楽器奏者は諦めた
                            でも私は、打楽器を諦めたわけじゃない
                            教師になっても
                            毎日楽器に触れられなくなっても
                            それでも打楽器を
                            人生から捨てたりなんかしない
                    
                            明日は、コンクール前の
                            最後の打楽器レッスン
                            今やれることは全部やる
                            プロのレッスンを受けてる以上
                            「環境が悪い」「指導者が悪い」
                            そんな言い訳も通用しない
                            ステージでいい演奏が出来なければ
                            どんなコンクール期間を
                            過ごしていたとしても
                            「努力不足」という一言で片付けられ
                            そして忘れられていく
                            このままの私達で金賞とれるなんて
                            少しも思ってないけど
                            やっぱり私はまだ諦めたくない
                            銀や銅なんかじゃ報われない
                            「良かった」なんて嘘でも言えない
                            私はあのステージで
                            1番上手いスネア奏者でいたい
                            ほんの少しでも誰かの心に響く演奏を
                            最後のステージで届けたい
                            2年半ずっと指導してもらってきた
                            レッスンの先生
                            コンクール期間は毎年
                            こっちが嫌になりそうなくらい厳しい
                            そんな先生にたくさん怒られてきた
                            でも今年は「良くなった」「上手くなった」
                            そう、たくさん褒めてもらった
                            プロからのそのたった一言が
                            私の何よりも大きな自信になった
                            質問すると必ず返ってくる
                            正確でわかりやすいアドバイス
                            厳しい指導も
                            好きになれない独特の基礎練習法も
                            全部私達のためにあった
                            それがあったからこそ3年生2人は
                            ここまで来れたということに
                            今日まで気がついてなかった
                            結局、先生のおかげだったんだね
                            そんな話をした
                            あんなに嫌いだったのに
                            少しずつ大好きになっていって
                            あの厳しい指導が
                            こんなにも名残惜しくなるなんて
                            1年前は想像もしなかった
                            コンクールが終わったらきっと
                            レッスンも少なくなる
                            もう、あと何回あるか
                            分からないレッスンだから
                            その数時間を大切に
                            少しも無駄にしないように
                            全力を尽くしてきます
                    
                            県大会予選に向けて
                            毎日たった1歩ずつだけど
                            それでもたしかに
                            私は前へと進んでる
                            昨日の私の努力が
                            今日の私を強くしてくれる
                            だから今日の私の努力が
                            未来の私を誰よりも強くするところを
                            その結果をこの目で見たいんだ
                    
                            スティックを持って
                            振り上げて、下ろしたら
                            打面にあたって音が鳴る
                            私の音が響く
                            スピード、角度、重さ、軌道
                            たった1音のために
                            全部自分で研究して磨き上げた
                            叩いて、鳴らして自分を超えてきた
                            この手が動かなくその日まで
                            私は一生打楽器を手放さない
                    
                            ライトが眩しくて
                            客席なんて見えなかった
                            
                            けれど、指揮者が動いて
                            みんなが息を吸った瞬間
                            身体が自然に動きだす
                            
                            いつも通りに呼吸して
                            いつも通りに立っているのに
                            今日だけは、何かが違った
                            
                            何百回も繰り返した動きが、音が
                            今、たった一度のものになる
                            
                            自分のすべてを、この12分に込めた
                            
                            ここが、私の未来だ
                            そう思ったら
                            最後の1音が、涙で滲んだ
                    
 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                