#消失

失ってからじゃないと気付けない。

愚かな人間。
私も、皆も。

甘美な夢に溺れてる。

記憶の中に眠る想い出は

時と共に霞んで薄れていく

水面を揺らす一滴に

心に立つ細波

水鏡に落ちる涙は

記憶を歪ませて流れた

後悔ばかりの長い時の中

君の姿はぼんやりと

泉に浮かんだ月のような

咲いて散る花の

沈んでゆく最期のような

君に関しての全ての記憶を消せば

君を好きじゃなくなれば

“苦しみ”を味わうこと無く

消していけるのでしょうか

この世界から
消えることは
簡単だけど
その一歩を踏み出すことが
どれほど難しいものか

君への思いは
いつしか消失し
それはまるで
弾けて消えた泡沫のように

何の痕跡もなく

記憶にも残らず

何も感じなくなって

消失してしまいたい

将来を決めて 我慢を重ねて

何かを見失ってまで

大人になるって そんなに大事かな

ねぇ一年後の未来は

空も心も晴れていますか

足跡だけを

俺の心にくっきりと残して

貴女は俺の前から消えた


誰のせいでもない


だけど誰かを怨むその時間も

必要なことだった


怨みの果て

苦しみは優しさに

いつか解けて

笑顔に変わった


貴女さえいてくれたら

この笑顔はもっと輝くのに


2019/08/06

想像する先に笑顔の姿は見えず

限界からのスタートに涙は枯れる

もしこのまま

うたかたのように

きえてしまえたら

いまこのばしょへ

なにかをのこして

いくことが

できるのだろうか…

過去も、未来も、今も、

全部全部、消えてしまえ

貴女は僕が居なくても歩けるみたいだね


僕はどうやら立つことも出来ないらしいよ


最後にひとつ教えて欲しいんだ


貴女という太陽の忘れ方を

死にたいんじゃない

誰にも気づかれずに
ひっそりと
消えていきたい