#濡らす

愛しい貴方さえいれば

袖を濡らした夜でも

可惜夜になるの

その心しとどに濡らす
今朝の雨

止み間に差し込む
柔らかい光を

抱きしめて
震えるほどに

幾年過ぎただろうか
君を亡くして君を強請る

私の心はずっとあの日のままでも
大人になったよ君の分まで


夢の中まで君を探してしまう

こんな叶わないことを願っても
叶わない今日を知っても

するりと透ける指先に頬を濡らすばかり…