夏暁・2024-08-09
線香花火
花火
夏夜に浮かぶ、朱い夢
一瞬の輝きに、永遠を求めた
今年は、ふたりで線香花火
静かな空と煌びやかな手元
最後の一本に火を付け
落ちるまで君と眺めた
線香花火
火傷の残る心が灯した言の葉に
優しい熱が残ることを願って
距離を誤れば落ちる熱の元
保つ為の隙間が寂しいね
夏に残した思い出
君とした真冬の花火
最後は…静かな線香花火
二人寄り添って 手に持ち火をつける
まだ 落ちないで
近づける火種 ふたり分の想い
花を咲かせ続けて
パチパチと
照らす
火花に恋をして
ほんのり頬が紅に染まってみえるキミ ︎︎ ︎︎ ︎︎
まだ灯らされた幻想だから ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎
火玉のようにおちてと
そっと隣で願っておこう
触れたくても触れられない運命
受け取った言の葉の断片に
暖かさを見出して心満たす夜
夏も
終わりが地かづいて
一夏の忘れ物
線香花火を
片手にもって
「この火の玉が先に落ちた方が負け」
そう言ってた日々が懐かしいや
『人の一生は線香花火と似ている』
そう呟いた貴方の顔が
ずっと忘れられないでいる
もうすぐ 夏が終わる
パチパチと 音を紡ぐ線香花火は
二人の夏だけに聞こえる 小さな拍手
アンコールの拍手はもう鳴った
火の種が ポツリと夏に落ちて
また次の夏に きっと花咲かす
二人の夏はまだ終わらない
だって来年の夏も
また君と一緒に 過ごすんだから
『サマーアンコール』
この火が落ちれば
僕たちはもう終わりだ。
世界は
お菓子の色に
支配されてしまう。
「こうやってつけて、うまい」と
言わされてしまう。
しかし
そう言いさえすれば
生活は
保障される。
いずれにしても
あの魔女に勝つことはできないし
勝つ必要も
ない。
小さな火球の周りに
キャンティチップが散る。
線香花火の色は
落ちてしまったら
もう
変わらない。