#親愛なる、山﨑くん

木曜日はいつも仕事終わりに

迎えに来てくれる

そして、夕飯を一緒に食べる


気になってる市内のお店は

ほぼ制覇してしまった


それで、ウチで食べる事もある

アイツは私の家族とも難なく打ち解けて

楽しそうにしてる


いつの間にか、アイツは私の生活に入り込んで

いないと寂しいと思わせる存在になってた

これがアイツの魅力なの

学生の時には見えなかった


最近、思う事がある

私といてアイツは幸せなのかなぁ、って

私、自信ないんだよ

私はアイツを幸せに出来るのかなぁ、って

だいぶ酔いがまわってきた
なんか、ふわふわして気分がいいの


アイツの顔が浮かんできて
いつの間にか、アイツの事ばかり考えてしまう

私が全く気を使わないから
たぶんね…
めちゃくちゃ、気を使ってくれてると思う

どうして、そこまでしてくれるんだろう



好きだと言ってくれてるけど
それが分からない

私みたいな奴に神経すり減らす事もない
もっと、自由にしてくれって言いたい


その事はどうしても伝えたい
でも、言えない



何故、言えないのか…

それは今、酔いがまわっているから

考えるのが怖いから…

「海に行こう！」と誘われた
中学からの親友、ミキちゃんから

昼間は暑かったから、夕方の風が吹き始める時間から行った

テトラボットに腰掛けて、海を見た
冷たいコカ・コーラが美味しい



「結構続いてんじゃん、ね。意外だったよ」

含み笑いを付け足して、ミキちゃんにそう言われた

アイツと付き合い始めて3ヶ月になろうとしてる


ミキちゃんの紹介で…
と言っても、同じ中学の同級生だったからね
全然、接点もなかったんだけど
なんか、成り行きで会うことになったんだ

付き合って思ったの
ホントにアイツはいい奴なんだよ
裏表もないし、意外と何でも出来るのにイヤミがない

腰が低いから、誰ともすぐに打ち解ける
嫌になる要素は未だに見つからない


最初はお試しだったのに
嫌になったら、すぐ捨ててくれていいって言うから　

…そう、アイツが言うからさ
軽い気持ちで付き合い始めたの



なのに、続いてるんだよね
不思議なんだ