@復活した鬼灯_税込999円・2022-03-16
鬼灯の摩訶不思議な物語
ーこっちにおいでよ。
きいたことのないだれかによばれた。
わたしがふりかえるとそこには
どこまでもつづいてるとてもおおきなうみがあった。
とてもきれいでわたしは、
『あのうみのなかにいってみたいなあ。』
とつぶやいた。
そのしゅんかんびりっとしたかんかくがしたあとねむってしまった。
めがさめると
わたしはうみのなかにしずんでいた。
久しぶりに会った友達は何にも変わっていなかった。
マイペースで明るくてちょっぴり変態。
僕に対しての態度も変わっていなかった。
ーそう。昔会った時と全く変わっていなかったのだ。
見た目も中身も。
僕が、
『昔と変わんないね。』
と言ったら、
『...ああ。そうだな。』
ーと、少し哀しげな顔で君は言った。
そして続けて、
『...俺はもう変わることは出来ない。』
ーこれからもずっと
ー落ちていく。
必死にもがいて、光に手を伸ばす。
だが、
それは叶わなかった。
深く大きな闇の渦へと
ー堕ちていく。
ー今日も話しかける。
壁の向こう側にいるお前に。
面白みが無い俺の話に付き合ってくれるお前に。
俺の唯一の親友のお前に。
ーもう会えない君に今日も話しかける。
『千夏。』
ああ、私を呼ぶ声がする。
『おかあさん!!』
幼い頃の私はよく母さんに飛び付いてたっけ。
懐かしいな...
『千夏。本当にごめんなさい。』
『おかあさん?どうしたの?』
『私を許して....』
そう言った母さんは私に抱きついて、遠くの何処かに逝ったんだよね。
『お母さんは千夏の笑った顔が好きだな。』
その言葉を信じて、
ー私は今日も笑う。
ーああ、俺死ぬんかな。
俺のことをいじめた男からいきなり屋上から突き落とされた。
まさか相手も本気では無かったらしく俺が落下する直前に見た相手の青ざめた顔は
めっちゃおもろかった。
俺のこといじめてるときはめっちゃ笑顔だったから
青ざめた顔見たらなんかおもろくなってつい笑ってしまった。
なんか久しぶりに笑ったな~。
と思っていると地面がもう近づいてきていた。
地面に衝突する寸前、俺は走馬灯みたいなものを見た。
....『おれ!しょうらいはせんせいになって、みんなのことたすけたい!!』 .......
ー昔の俺へ。
どうやら夢は叶わんらしい。
本当に申し訳なく思っとる。
でもさ、俺頑張ったんやで?
皆に気使ったりとか、
仲良くなろうと話しかけたり。
友達が出来た時もあった。
でも、裏切られた。
そして後々気付いた。
俺、駒やったんやって。
友達って思ってた人も、
『金貸せ。』って言われて貸したけど返ってきてないし、
売店に売ってあるパンを買ってこいと言われ、『お前の金で買えよ。』って言われたりしてた。
結局俺はダメなんやって。
弱いから舐められるんやって。
ーーーおっと。こういう話はお前にはまだ早いか。
まあ、そのうち分かってくるから安心しい。
じゃあな、『俺。』
あっちで待っとるからな。