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#ひとひらノベル

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全3作品・

__蝉が、鳴いた。




卵から孵り、数年地中で過ごし、夏の夜に地上に出て、近くの木を攀じ登り、殻を破って抜け出した個体は、そのまま自由な空へと飛び出して行った。


勢いよく声を張り上げ、パートナーを呼び、夏の酷い暑さとその必死な姿がどこか妙に重なって、響き合いながら溶けていく。


やがて、一週間で音を止めた。
静かに消えた、蝉が泣いた。

麗儚''・2025-07-05
ひとひらノベル
蝉が亡く
夏帳の声
心の白表紙
音で遊んだ詩
胸に刻んだ心宿し
blank_theory








"泣きたいときは泣いちゃおーよ。

涙がもったいないないよ。"


君は夏に降る雨の如く泣き出した

嗚咽も何もない弾けた泣き声は

耐えてきたものが零れた音だった






啜り泣くその声は、

たくさん我慢してきたのだろうと

私でも一目で分かる涙だった


見知らぬ駅の改札口を通り抜ける

手ぶらのまま疲れた体を揺らす

地上に出ると目の前には

穏やかな自然が広がっていた

世界にはこんなところもあるのかと

内心、静かに感動した


少し歩いた先、道の裏手の草むらで

誰かが一人肩を震わせて泣いていた

声は届かずただひっそりと

涙だけが零れていた


一瞬、「なんで泣いてるんだろう」と思った

肩を震わせる背中を見つめながら

少しだけ胸がざわつく

でも、理由を知っても何も変わらない

分からなくてもいい、考えすぎなくていい

だから静かに膝を下ろし

ただそばにいることにした

風の匂いと草の柔らかな匂いを感じながら

その背に、そっと手を添える



堪えなくていいんだよ

だって今ここには

あなたと私しか居ないのだから

私といるときくらい安心して泣きなよ

その涙は今この瞬間だけでいい

それ以上もそれ以下もなくていい

そんな想いを込めながら

そっと息を整えた

そして、ほんの少しだけ口を開く

かつて自分を救ってくれた言葉を

静かに口にした___



"泣きたいときは泣いちゃおーよ。

涙がもったいないないよ。"

麗儚''・1日前
涙がもったいないよ
モチーフポエムꤶ
ひとひらノベル
心の白表紙
夏帳の声
どこかで誰かが、これを読むなら。
麗楼に映った心
便箋の雫
プリンをくれた君








季節外れの足跡が砂浜を駆けて、

時間外れの笑い声が潮風に乗る_。

神様が都合よく照らしてくれるなら

きっと今だけは、僕らは主人公だ。

仮にこの瞬間が、真夏の真っ昼間なら

ごく普通の日常の切り取りに過ぎないが。


あのときの僕らは、

ただ何かに縋っていないと

この空腹は満たされない気がした。

だから僕は君を連れて

冬でも夏でも砂浜を歩いたし、

君は僕を求めて足を進めた。


「楽しいね。もっといきたくなるね。」

君は笑っているはずなのに、

その声はまるで機械の音のようで

闇夜に吸い込まれる前に

耳に届いて、妙に心を揺さぶった。

「じゃあ僕も一緒にいくよ。」

この言葉に君もどうか

揺さぶられていてほしいと

願うのはきっと野暮なんだろう。


何も言わずに歩き出した君を

僕は少し遠いところで見ていた。

そして潮と砂の狭間で止まって

静かに肩を震わせている。

そんな君に何も言えなくて

「もう大丈夫だよ。」とだけ囁いて、

代わりに君の前から消えることを

選んだ僕をどうか嫌わないでくれ__

きっと、伝わらないけれど。

麗儚''・2025-05-04
▪︎
僕らの逃避行
ひとひらノベル
君=私
理想の僕と過去の自分
心の白表紙

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に3作品あります

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