#秋桜と夜長

恋がひとひら落ちました

君が拾えば栞になるから

秋が唇を奪って舞って

届かぬ待ってにどうか笑って

君への想いが仮装じゃないこと

0時の鐘で分かるでしょ

綺麗な魔法より悪戯を頂戴

心の距離が近づく気がして

君の表情が栞になるから

迷わず季節を読み返せたの

優しい香りが嫌いになった

それだけ君が大好きだった

白い空気混じりに吐いた

小さな「会いたい」すら溶けていく

揺れたスカートが秋を纏って

後ろ姿を目で追うだけの第一章

Trick or your heart

お菓子より君で甘さを教えて

秋晴れた空に吸い込まれて

私の雨など誰も知れない

肌寒いねって君が笑った

冷えた指先がもどかしくて

街並みは紅く薄化粧

君の頬か私の頬かも分からずに

太陽透かす紅一点

君の儚さに一目惚れ

沢山の色を貰っていたね

気付いた涙が透明なほど

冬に入る一歩手前

恋しさ隠す歩幅でしか

君の季節を目指せずに