#線香花火

輪郭が火花色をなぞる

宵闇も眩い私の向日葵

火雫落ちても、尚

舞い上がる火花と線香花火

思い出と一緒に散ってゆく

夏に残した思い出

君とした真冬の花火

最後は…静かな線香花火

二人寄り添って 手に持ち火をつける

まだ 落ちないで

近づける火種 ふたり分の想い

花を咲かせ続けて

夏も

終わりが地かづいて

一夏の忘れ物

線香花火を

片手にもって

君と浴衣と線香花火

儚く燃ゆる夏の恋三角

『人の一生は線香花火と似ている』






そう呟いた貴方の顔が
ずっと忘れられないでいる

もうすぐ　夏が終わる

パチパチと　音を紡ぐ線香花火は
二人の夏だけに聞こえる　小さな拍手

アンコールの拍手はもう鳴った

火の種が　ポツリと夏に落ちて
また次の夏に　きっと花咲かす

二人の夏はまだ終わらない

だって来年の夏も
また君と一緒に　過ごすんだから


『サマーアンコール』

ひとひらの恋と儚き光源

漆黒を温める二人の恋模様

この火が落ちれば

僕たちはもう終わりだ。

世界は

お菓子の色に

支配されてしまう。

「こうやってつけて、うまい」と

言わされてしまう。

しかし

そう言いさえすれば

生活は

保障される。

いずれにしても

あの魔女に勝つことはできないし

勝つ必要も

ない。

哀しみを燃やして眠る夜

湿気った灰は夜風に遊ぶ

散り菊は儚き終焉を奏で

笑みをたたえて消えてゆく

心に灯した哀しい夜を

灰になるまで見つめていよう

オレは　　花火　といったら

夜空に　高々と　上がって　　華やかに　咲く

打ち上げ花火　よりも

手元で　　ぱちぱちと　弾ける　　線香花火の方が

どちらかというと　　好きなんだよね

小さな　火花が　　先で　膨れた　玉になって

ぽとん　と　落ちる……　あの　儚さが　　風流じゃない？




夫の　　少し　意外な　一面を

垣間見た…　そんなふうに　感じた

蜉蝣のように儚い灯火

薄命に宿した恋の本音

貴方を愛した夏の果て

恋の祝祭は厳かな灯火