#あの時

辛かったあの時も

楽しかったあの時も

もう帰って来ない

だからこそ

今を大切に生きないと

“あの時に本音を言えたら”

と言う、“あの時”に

今が重ならない様に願い続ける今日

あの時も雨は僕達の恋を見ていた

相合傘の下で寄り添う時は過ぎ

いつしか 降り止まない涙雨

溢れる涙が零れるよりも早く

"さよなら"を言いたかったのに

君の思い出に残る私は

笑っていましたか

君の後ろ姿
なんだか寂しいよ…

あの人がいなくなった時
私の毎日はそれまでと全く別のものになったけれど


あの日　あの通りで信号を待つ人たちは
いつもと何も変わらなかった


私だけが異常事態の中で
世の中はいつも通りに動いていた


その不思議な感覚の中で
私は何も変わらない世の中をひどく憎んだのだった


それから数年が過ぎ

日常について行けるようになった頃

小さかった私の世界はまた大きな世界と繋がった



私も今は大勢の人と一緒に青信号を待っている

ブロックや積み木で　只ひたすら　作品を作ると

自分でも　感心する様な　凄いものが出来てしまう

でも　余り物で　次の作品は出来ないから

違うものを作るなら　壊さないといけない

他に　特別作りたいモノなんて　無かったから

暫くその作品を　テレビ台に飾って眺める事にした

飽きたら　違うモノを作ればいい

次に作りたいモノを　想像してみたけど

やっぱり　何も　思い浮かばなかった

そしたらね　ある日　自然と壊れてたんだ

何か　悲しくなって　全部　壊した

そして箱ごと　クローゼットの奥に　しまった

あの時　わたしは　何を必死で　作ったのかなぁ…

バシャバシャと呼吸する
校庭の茶色い水溜まり
息苦しく貫く
雨に溶け出した
青い制服の匂い
雨ざらしの自転車
握りしめたブレーキは
悲鳴をあげて下ってく
青鈍の世界で

あの時、君のことを抱き締めていたら良かった

って、もう遅いか

あの時ちゃんと言えてたら
何か変わったのかな。

“あの時、時間が止まっていればよかった”



なんてバカな考えを思い浮かべてしまう僕は

可笑しいのでしょうか？

あの時、

あと少し

ほんの少しだけ

近付いてたら

君に気持ちは伝わったのかな、

この春、貴方と出会えてよかった
あの日、貴方と話せてよかった
あの時、あなたに恋をしてよかった

過去があるから今がある
ありがとう

もうあの時の
　　　　　　　
　　　　　　　透
　　　　　　　明
　　　　　　　な
　　　　　　　僕
　　　　　　　じ
　　　　　　　ゃ
　　　　　　　な
　　　　　　　い
　　　　　　　ん
　　　　　　　だ

過去に縛られている。

あの時がくっついてくる。


思い出すたびに死にたくなる。

そうやって毎夜泣いている。


過去に縛られている。

これからもずっと、縛られたまま。