#傘

狐の嫁入り

忘れた傘を言い訳に

少し肩の濡れた初夏

雨の日の放課後、濡れることも気にせず

傘の中で手を繋いで歩く時間が愛おしくて

泣いてる空を横目に見ながら

傘を指しては知らんぷり

君へのさよならの言葉は

しりとりで決めよっか

君が傘を忘れて

相合傘で帰れるなんて

都合の良いことを考えて

脆い体に強い雨

痛々そうに傘が

泣いていたの

空から落ちてくる無数の雨粒は

一斉に降ってきた星屑のようで

天気予報は晴れだったのになと

呟きながら傘もささずに歩くの

晴れないでいる僕の心に傘を差し出すよりも

雨に倒されないよう君に傘を差し出したいの

雨に打たれるは僕らの心

君も痛いと泣いてるのか

雨は僕が引き受けるから

君は傘の中にいてくれよ

僕の傘が間に合わなかったから

君は土砂降りになったんだよな

ずぶ濡れになった心に

どれだけの言葉の傘を

差したらいいのだろう

雨が降る前に傘を広げていたら

少しは雨を凌げていただろうか

雨に打たれてしまった貴方の心に

傘を差し出す人に僕はなりたいよ

傘みたいに

棘から僕の心を守ってくれよ