#傘

狐の嫁入り

忘れた傘を言い訳に

少し肩の濡れた初夏

泣いてる空を横目に見ながら

傘を指しては知らんぷり

君へのさよならの言葉は

しりとりで決めよっか

君が傘を忘れて

相合傘で帰れるなんて

都合の良いことを考えて

脆い体に強い雨

痛々そうに傘が

泣いていたの

君が泣いていたら

僕が傘を持って

駆けつけるから

恋の雨に傘は無い

濡れて、濡れて

冷えきった頃にはもう君は居ない＿＿

雨降りの午後は
なんだか気分が塞いで憂鬱

傘を持つ指先が冷たいから
あなたに温めて貰いたくて

そしてさりげなく肩を
抱いて欲しくて

作業中じゃないのに、空いた片手が欲しい
この傘を捨てたい。
いつから私はこんなに余裕が無くなったの？

雨の日は憂鬱

キミに逢えないから

雨が止んでも
傘を閉じないで

そっと肩を包み込んでくれた
優しさが
どこかに消えていくから

誰と逢っているのかも

誰と喋っているのかも

僕には無知状態

数値化されているのは降水量だけ

悲しみの連鎖は
終わることなく

休息の地には
誰もいなくなった

雨が降る夜は
凍える心を抱えて

傘をさしても
雨は体を濡らした

悲しみは憎しみとなり
怒りは虚しさとなった
　　　　　　　かほ

下ろし立てのヒールが
濡れて
憂鬱だなんて
言わない

あなたの肩が
触れるのが
なんだか嬉しくて

だから
このままで居させて

雨が止んでも
傘を閉じないで

この雨で君の名前を呼べば

傘を差してくれると思ったんだ