#先輩

どんなに諦めようと思っても

やっぱり諦めないきれないみたい

世界から私がいなくなっても、

世界の時間に刻まれた一瞬の
私の命は、

世界の記憶として残り続ける。



世界よりも、

貴方の記憶に深く長く残りたい。

貴方がこの世界にいるって、

知ってはいるのに

信じきれなくて。


どうしたら、会えなくても

言葉を交わせなくても、

貴方の存在を信じることが

出来るのでしょうか。

やっぱり私は、

貴方の特別になりたかった。

貴方に人一倍私のことを考えて、

心配して、大切に想ってほしかった。



あと何回、私はこれに気付いて、

もう遅いって苦しむんだろう。

現実世界で春の終わりが

近づいてきたこの頃、

私の恋の春は、時期を逃して

しまったようです。




もうワンチャンスは、きっとないよね。

貴方の声も、

貴方の顔も、

貴方の笑顔も、

もう自分では思い出せない。


今まであんなに近くで聞いたり

見たりしていたのに、

いつの間にかこんなに遠くに

行ってしまった。


でも、思い出せないのに、

忘れられもしないの。

貴方が一年間使った教室で、

次は私が一年間お世話になる。


数ヶ所、皮で雑に補修された
ロッカー上。

貴方も気になって触ったりしたのかな。

何の気なしに触れてみたりしたのかな。


そんな可能性に気付いてしまった
私は今、

そこに貴方への想いと願いを
のせて

ときどき触れてしまいます。

「じゃあ、またいつか」

その言葉を最後に、

貴方は行ってしまって。


そのいつかを約束すればよかったと、

今になって後悔しています。

こうやって私の頭の中が

貴方でいっぱいなときも、

貴方は別のことを考えていて、

きっと私のことなんて

存在も思い出してくれてなくて。


もしかしたら、別の人のことで

頭がいっぱいかもしれないね。


私が知らない、新しく出会った人のことで。

いつしか君に目を奪われて

君を追いかけるようになった

私の想い…いつ言えるかな

「ポーンッ」


と貴方が羽を打った先、

私は笑って立っていますか。


私が羽を打ち返した先、

楽しそうに笑う貴方はいますか。

嫌な現実を見て見ぬふり

してるんじゃなくて、

幸せな未来を想像してるだけ。


今は幸せになる設計図と

完成形をつくっている最中なの。

今まで先輩達とやっていた曲。


先輩のトランペットの伏線が
輪郭をつけて、

先輩達のサックスのメロディーが
全部をひとつにして、

先輩のバスクラの低音が
厚みを出して、

先輩のフルートの優しい音色が
柔らかさを加えて。


先輩達がいたから、

楽しく安心して吹けた。



先輩達がいなくなったいま、

みんなで合奏しても、

それぞれの音が足らなくて。

ちゃんと出来ている気がしないの。

雪見だいふく。

貴方になら、

喜んで1つあげるのに。


言葉では

「えー？二分の一を？」

って嫌々感出すけど、

心の中では喜んでます。


まず、ちょうだいって

言われること自体が、

ドキドキが治まらないくらい

嬉しいんです。

大切にしたいこと。


貴方が幸せに笑っている

と信じること。


貴方の想い出を

楽しかったと笑うこと。


またきっとどこかで会えるかもと

希望を失わないこと。