恋眼鏡・2021-12-02
白い闇
ポエム
吹き抜ける強い北風は
全てを白く塗りつぶし
熱も思い出も奪い去っていくようで
思わず手を握りしめ
コートのポケットにしまい込んだ
桜の季節が終わり
白い闇が
私の中へ静かに姿を消していく頃
時折あなたの声が聞こえてくる
付き合いだしてから変わった
あなたの『お疲れ~』
他の人とは少し違うその声に
嬉しくて幸せを感じてた
闇の時間が終わる頃
聞こえてくる小さな幸せ
そして少しずつあなたの声は聞こえなくなり
私はまたあなたを忘れていく
この恋を永遠に忘れる事はない
そう思いながらも
時間と共に想いは薄れていく
あなたの声も顔も
もうほとんど思い出せない
それでもこの白い闇と
あなたは繋がっていて
そういう意味では
あなたを永遠に忘れる事ができない
桜が咲けばあなたを思い出す
そして白い闇に包まれる…
ピンクの優しい花々が
あちらこちらで綺麗に咲き誇る
いつもなら白い闇の中でも
綺麗だなぁって癒やされるのに
今年はちょっと違う
綺麗だなとは思うけど感情が動かない…
癒やされるとか彼も見てるかなとか
そういう感情が全くなく何も感じない
彼への感情がなくなったと同時に
大切な何かも失くしてしまったみたい
幸せなピンクに包まれて
優しい桜の花に癒される
大好きな季節
たまにふっと
あなたを想う時もあるけれど
もう大丈夫って思ってた
なのに…
少しずつ…
白い闇が私を包む
優しい思い出になっても
私の深い深いところには
まだ白い闇が眠っている
白い闇に抵抗すれば
また深い闇へとおちていくと
わかっているから
今は白い闇に身を任せ
桜の花に想いを寄せ
時が経つのを静かに待とう…
桜の季節
白い闇に包まれる
いつになったら
この白い闇から解放されるのかな
桜の花があちらこちらで
綺麗に優しく咲き誇る
そして私の白い闇も
ゆっくり私を包みだした
あれから7年…
白い闇はまだ私を手放してはくれない
でも…
あなたの事は悲しい思い出ではなく
優しい思い出になった
思い出すのは優しいあなたの笑顔と
あなたがくれた優しい時間
そして白い闇のほとんどはあの頃の
辛い・苦しい・無の時間を過ごした
あの感覚だけが鮮明に蘇る時間になった
白い闇とあなたは繋がらなくなったのは
嬉しいことであり淋しい事でもある
それは日々のなかであなたを思い出さなくなり
あなたが笑顔でいてくれればいい
心からそう思えるようになった証だから
優しいピンクと優しい思い出に包まれて
今年も闇の時間が過ぎるのを静かに待とう…
桜の季節が近づくにつれ
優しい過去になった思い出が
少しずつ
白い闇と一緒に私の中に蘇る
なんの感情もない
真っ白な闇の中にいた記憶
あなたの事を思い出すというより
あの頃の苦しい感覚だけが鮮明に蘇る
そこになんとなくあなたの面影をみる
あれから6年…
もう6年なのか、まだ6年なのか…
優しい気持ちで桜を見れるのはまだ先…
ここ最近
あなたを想う
理由はわかってる
身体も気持ちも調子がよくない
白い闇が私を包みだす
白い闇とあなたが繋がる
大丈夫
大丈夫
大丈夫