#想い出

忙しなく過ぎた想い出は

戻らない瑠璃色で灯されている

永遠なんてこの世にない

悲しみが続くことはないんだ

でも楽しいことは覚えておきたい

リアルの世界でどこにも
居場所がなかった言葉
想いなんかを小さく
砕いてその断片を
ポツポツとここに
置いておいたら

毎晩
不意に
繋がって
組み合って
立体になって
その形が綺麗だ
そう言ってくれた
人のお陰でピースの
中にいるあなたも僕も
意味があったような
そんな気になれて
報われたような
気分になった
ありがとう
あなたの
おかげ
です

君と過ごした日々

君がくれた笑顔

まっすぐ向けられた気持ち

君がくれた溺れそうなくらいの愛

そのすべてがきらきらしていた

後悔なんてしていない

でも もう一度もない

愛してたから

君との想い出を捨てられない

笑って 想い出を語れるようになるまで

秘密の引き出し鍵をかけて

幸せな時を切り取り　凍らせる
だからこんなに冷たいんだね
思い出の中の二人は　いつも笑ってるのに

渇いた心はドライアイスのよう
おまけに　ポッカリ空いた穴からは隙間風

風邪引いた心は 冷たい熱を帯びてゆく

あぁ風邪引いて火傷して
僕の心はボロボロだ

お大事にと　お薬くれる人もいやしない


『モノクロメモリーズ』

恋が想い出に実るまで

春を瑠璃色に灯させて

二人で見た夕陽　あの高台
罪悪感さえ共に飛び越せた
まだ未熟な二人のストーリー

柔らかく強く燃える夕陽が
そこにある情熱の火力を上げていく…
他人事のような僕らの街を
溶かすように飲み込んでいき
全ての純愛も打算愛も
海も空も一色にされる

その慈悲深い赤橙色に善悪の区別はなく
僕の悪事をも同じ色で染めてしまい
汚れのない普通の恋人同士に
なれた気がして幸せだった

やがて結末を迎えるなどと
まだその時は思いもしない
オレンジ色に守られた
短い二人のストーリー

安心させてくれる香りを嗅ぐと

初恋のような貴方を想い浮かべて

記憶が染み付いて私から離れないの

恋を失くしたあの日から
まるで　観覧車の中に
ひとりぼっちで　閉じ込められたようで

グルグルと　同じ場所を回ってる
チクタクと　同じ時間が巡ってる
ポロポロと　同じ景色がにじんでる

メリーゴーランドに　ジェットコースター
コーヒーカップに　ゴーカート

ここから見える　他のアトラクションは
キラキラキラキラ　輝いてみえる

まるで　想い出だけが光って見えるように

観覧車は わたしと 想い出だけを乗せて
いつまでも　グルグルグルグル　回りつづける


『想乗リフレイン』

仲良しとこれからも元気に

想い出を1ページずつ増やせますように

遅咲きの青春を送れますように

恋話で溢れた修学旅行

赤裸々な君の恋愛事情に

私ね羨ましくて仕方がなかったの

輝く色鮮やかな夢世界の中で

降り掛かる現実を私から忘れさせて

癒しと幸福感を与えてくれる

想い出に必ず残る美しい景色たち

優しさで微笑んでくれてるあなたを見て
もうこれ以上一緒にいてはいけない
そう気付きながら　諦めながら
もう一度心を奪う方法をあわよくば探していた

いつもの明るい沈黙ではない
トキメキとは異質の硬直が
2人の時間を遅くする
流れる風景にすら助けを求めてしまっても
ここの店、美味しかったよね
そんな簡単な言葉すら飲み込んだのは
また行こうねって言えない気がしたから

本当は
あなたにこんな言葉　言いたくなかった
もう決めたから、だなんてーーー


いつもより長く　
念入りに手を振って見送ってくれるのは
これが最後という事を
お互い認識するためなんだろう
あなたの泣いてるような笑顔で
そう静かに確信しながら
ウィンドウを開き笑顔で応える

本当は
あなたからそんな言葉　聞きたくなかった
今までありがとう、だなんて

本当は
全部嘘だよって　言いたかった

もう腕が疲れたから
あなたとの想い出は
「楽しい出来事」の方に乗せたよ
それは　つい先日の事

感情の数だけ分けたベルトコンベア

どうせ消えてくなら
ダストシュートに落ちる瞬間は
楽しい出来事に押し出される方がいい
でもそれは　もうちょっと先の事

行ったきり戻らないベルトコンベア