#胸に刻んだ心宿し

届かぬ聲と知りながら

まるで孤独を歌う鯨たち

道を見失いそうになったらさ

僕らまた、星の聲を聴きながら

手を繋いで夜明けの空を旅しよう

空を見るのが好き

初めましての君だから

夕暮れに染まる君を見上げた

全部吸い込んでいくようだった

星の涙を辿りながら

僕らは幸せを謳って生きる

はらり想いが宙を舞う

色づいた分だけ共鳴する

ああ空が私の心を掴む

忘れないでと言いたげに

死にたいと口走ったのは

辛い気持ちが空回りしたから

恋も愛も夏に散る

震えないで肩

揺れるのは心だけでいい

君に見えないように泣くから

笹の裏側には目を向けないでね

声が空に消えたって言うけど

言えないままじゃ風も運ばない

花の馨りが鼻を擽って

帰らぬ日々が胸を裂いた

＿＿蝉が、鳴いた。




卵から孵り、数年地中で過ごし、夏の夜に地上に出て、近くの木を攀じ登り、殻を破って抜け出した個体は、そのまま自由な空へと飛び出して行った。


勢いよく声を張り上げ、パートナーを呼び、夏の酷い暑さとその必死な姿がどこか妙に重なって、響き合いながら溶けていく。


やがて、一週間で音を止めた。
静かに消えた、蝉が泣いた。

空の綺麗さに誘われて

変わりゆく表情を手でなぞる

溢れる星が孤独を裂いて

眠れぬ夜に響くmy lullaby

見上げても空はまだcrier